ストーンアテナの一コマ(SS集) 8
各話の登場キャラクター
【アメジストと太陽】ガーネット・アメジスト・メノウ
【スピネルが召喚されました】ガーネット・トルマリン・スピネル
【ネフライトが召喚されました】ロードナイト・オブシディアン・ネフライト
【ストーンアテナ推しのストーンアテナ】メノウ・スピネル・ネフライト
【アメジストと太陽】
「アメちゃん、出かけるの?」
メノウが尋ねると、アメジストが応える。
「ええ。でも秋とはいえまだ日差しが強いから、やっぱり日傘が要るかしら」
そこへガーネットがやってきて、アメジストに声をかけた。
「アメちゃんも太陽が苦手なんだっけ。大丈夫?」
「はい。ストーンアテナの状態なら平気だと分かってるんですけどね、つい」
※アメジストは長時間太陽光にさらすと色が薄くなります
「ガーネットさん、他にも誰か日光で退色する宝石が居るんですか?」
メノウにそう聞かれたガーネットは頷く。
「この屋敷にいるトパちゃんはFタイプ(※)のトパーズだから、ちょっとだけ太陽が苦手っぽいかな」
※太陽光で退色しやすい性質を持つトパーズのタイプ
「抜けてしまった色は戻りませんから、気にしちゃう気持ち分かります」
「色とか模様って、それだけでパワーがあるもんね」
メノウがアメジストにそう言うと、ガーネットが提案した。
「実際には大丈夫だとしても気分って大事だから、今日は皆で日傘差して出かけよう!」
「わあ、いいですね! 私、トパーズさんに日傘借りてきます!」
「ふふ。ここは賑やかで温かい場所ですね」
―おわり―
【スピネルが召喚されました】
「スピネルです。宜しくお願いします…」
「ガーネットだよ! 宜しくね、スピちゃん!」
「私はトルマリンと申します。宜しくお願い致します。何かありましたら何なりとお尋ね下さい」
「はい。ありがとうございます」
スピネルが控えめに応えると、ガーネットが続ける。
「スピちゃんって何だか、サファちゃんに似てるね。アテナの姿だと同じ青系だからかな?」
「『スピネル』はよく『コランダム(※)』の方達に間違えられるので、その影響かと…。紛らわしくてすみません」
※サファイア・ルビーの鉱物名
「何を仰るのですか。スピネルさんは丈夫で美しい優秀な宝石です」
「丈夫ってことは硬度とか高いんだね。なら、属性も強そう!」
「私は、あの……任意の場所で爆発を起こせる『爆発』属性です。爆弾を瞬時に生成する感じです」
「わあ、かっこいいね! あ、じゃあ花火も作れたりする?」
「なるほど、原理は同じですからね。花火の製造には許可が必要ですが、ストーンアテナとしての属性能力であれば問題はないでしょう」
トルマリンの言葉に、スピネルが少し焦る。
「いや、花火は創ったことがないので…」
「大丈夫、大丈夫! 理論的な説明はマリンちゃんに聞くと良いよ」
「お任せください」
盛り上がるガーネットとトルマリンに、
――あれ、私、花火師として召喚されたんだっけ……?
と、思わず考えるスピネルだった。
※召喚されたのは侵略宇宙人討伐の為です
―おわり―
【ネフライトが召喚されました】
「ごきげんよう、美しいアテナたち。僕はネフライトだ、どうぞ宜しく」
「オブシディアンです。宜しくお願いします」
ストーンアテナなのだから女性であることは分かっているが、凄いイケメンだ……と、オブシディアンは思った。
「わたくしはロードナイトですわ。宜しくお願い致します。ネフライトさんは内科系の治癒が得意だとお聞きしたのですけれど……」
「そう、合っているよ。薔薇のような愛情を持つ君に僕のことを知っていて貰えて嬉しいな」
(何というか、ドナちゃんみたいなストーンアテナ好きっぽい感じ?)
オブシディアンがそんなことを考えていると、ネフライトが尋ねた。
「オブシディアンは喉が弱いのかい? 良かったら診ようか」
「いえ、大丈夫です。具合が悪い訳ではないので…」
「ディアちゃんのマスクは予防の為ですわ。それにしてもネフライトさんは、まるで白馬の王子様のように素敵ですわね」
「それなら良いのだけど。ふふ、ロードナイトは褒め上手だね、ありがとう」
「ネフライトさんも以前は、武器として扱われていたりしたんですよね」
オブシディアンが尋ねると、ネフライトが応える。
「その通りだよ。だから僕も君と同じように、それが攻撃能力に繋がっているんだ」
※オブシディアンは刃物としても使われていた宝石です
「『ネフライト』はとても強靭な鉱物ですから、属性がありのまま『石斧』というのも、納得ですわ」
こうして、ネフライトが仲間に加わったのだった。
―おわり―
【ストーンアテナ推しのストーンアテナ】
メノウが楽しそうに歌を歌っている。
「My shining stone 光輝く色はー♪」
「My shining stone……♪」
小声でスピネルがそれに混ざっていると、ネフライトがやってきた。
「おや。美しい歌声に誘われて来てみたら、スピネルも居るなんて僕は運がいいな」
「あっ、ネフくんだ! ネフくんも一緒に歌う? 歌は気持ちがいいよ」
メノウがネフライトを誘う中、スピネルは呟く。
「…私のことは忘れて下さい」
そして心の中で、『自分もストーンアテナなのに、ストーンアテナ推しなんて変わってるな…』と追加する。
「僕は君たちの声を聴いているほうが好きだから、遠慮しておくよ。丁度のど飴があるから、良かったら休憩中にでもどうぞ」
「わあ、ありがとう! これ、ネフくんが作ったの?」
「いや、市販の飴……だけど、ネフライトさんのエネルギーで満ちてますね」
「入手しやすい物に治癒能力を加えて、機能を強化してるんだ。そうするとエネルギーの消耗も抑えられるしね」
「そうなんだ! ネフくんはほんとに、お医者さんみたいだね」
「人体の病は複雑ですから、詳しくて凄いなと思います」
「名前の由来が『腎臓』っていう、人間の臓器であるお陰かな。人の姿のアテナに対しても応用が利くのは嬉しいよ」
そう言って、ネフライトは優雅に微笑んだ。
―おわり―




