ストーンアテナの一コマ(SS集) 7
各話の登場キャラクター
【宝石だって暑いしアイスも食べる】トルマリン・トパーズ・オブシディアン
【中秋の名月に潜む影】ガーネット・サファイア・ロードナイト
【アメジストが召喚されました】サファイア・ロッククリスタル・アメジスト
【メノウが召喚されました】トパーズ・ロードナイト・メノウ
【宝石だって暑いしアイスも食べる】
「今日も凄まじい日差しだねー。夏って凄いな」
トパーズが、窓から室内へ降り注ぐ太陽光に苦笑する。
「溶けそうなので、外には出たくないです…」
オブシディアンがそう言うと、トルマリンが応えた。
「出動要請のない日で幸いでしたね。何か冷たいものでも食べますか?」
「いいね、そうしようか。私取ってくるよ、二人とも何がいい?」
「ありがとうございます。チョコバニラのソフトクリーム、いいですか」
オブシディアンが答えれば、トルマリンも続く。
「お手数をおかけします、トパーズさん。私は蜜柑シャーベットをお願いします」
「了解。私は宇治金時にしようかな。アイスも色々あるから、皆の好みが出るね」
「そうですね。割とバラバラなので、ちょっと面白いです」
「分かります、オブシディアンさん。各々の宝石の違いと関連はあるのか等、興味深い所ですね」
「興味深いことならまだあるよ。各ストーンアテナが好むアイスがきっちり揃ってる、ウチの屋敷の冷蔵庫とかね」
「…主さんには大変感謝しております」
オブシディアンのかしこまった言葉に、トルマリンは微笑んだ。
「主が私たちを大切にして下さるから、力になりたいと思えるのですよね」
―おわり―
【中秋の名月に潜む影】
「なんて美しい満月なのでしょう。てるてる坊主を作っておいて正解でしたわ」
感動しているロードナイトに、サファイアが声をかける。
「晴れて良かったですね。ウサギの模様もよく見えます」
「お団子も美味しいし、ススキもいい感じに揺れてるし、風流だなー」
ガーネットがそう言うと、ロードナイトが続けた。
「大きさはいつもと変わらない気もしますけれど、そもそも大きく見えるのは錯覚らしいですしね」
「でも確かに何だか、満月にしてはエネルギーがぼんやりしているというか、薄いというか…」
サファイアが少し首を傾げると、ガーネットが応える。
「あれ? ホントだ。満月っていつも独特の強いエネルギー放ってるのに」
「月にも元気が出ない時があるのかしら…」
「元気……エネルギーが消耗してる、のでしょうか? そんなことがあるのかは分かりませんが…」
「…サファちゃん、何となくそれっぽい気がするよ。今まで気にしたことなかったから、何でかは分かんないけど」
「え、そ、それは割と一大事なのでは!?」
慌てるロードナイトに、サファイアが提案する。
「ひとまず、主様に相談してみましょう」
「そうだね。そういえば月っぽいエネルギー、どこかで感じたことあったような…?」
ガーネットの呟きは、静かな夜に溶けていった。
―おわり―
【アメジストが召喚されました】
「本日付けで主様に召喚された、アメジストです。これから宜しくお願いしますね」
「サファイアです。宜しくお願いします」
アメジストの柔らかい微笑みに、サファイアは優しそう…と安堵する。
続いてサファイアの隣りにいたロッククリスタルが、アメジストに声をかけた。
「久しぶりだな、アメジスト。息災か」
「ええ、お陰様で。日本産代表のクリスタルさんや、四大宝石のサファイアさんにお出迎え頂けて嬉しいです」
「そんな、とんでもないです。アメジストさんは神秘的でとても人気がありますし…」
「酒にまつわる伝承など、印象深い宝石だからな。美しいワインの色だ」
「まあ、うふふ。でも私は日本産なので、実は日本酒のほうが好きなんですよ」
「そうなんですね。やっぱり、お酒には強いんですか?」
「アメジストは所謂ザルだ。酒豪ではないから、さほど飲んでいる姿は見かけないが」
「自分が飲むより皆にふるまうほうが楽しいので、丁度いい性質ですね」
「性質…そういえば属性は、ええと…」
サファイアが言葉に詰まると、アメジストがゆったりと応える。
「私の属性は『幻』です。心身に影響を及ぼす幻覚を見せることができますよ」
「物理攻撃でない能力は、ストーンアテナの中では珍しいだろうな」
こうして、アメジストが仲間に加わった。
―おわり―
【メノウが召喚されました】
「こんにちは! 今日からお世話になります、メノウです。宜しくお願いします!」
「いらっしゃい、メノウ。元気が良くていいね。私はトパーズだ、どうぞ宜しく」
「わたくしはロードナイトですわ。宜しくお願い致します。メノウさんは大変美しい歌声をお持ちですから、お会いできて嬉しいですわ」
ロードナイトがそう言うと、メノウはパッと笑顔に明るさを増した。
「ありがとうございます! 歌は大好きなので、そう言って貰えると嬉しいです」
「そっか、メノウの属性は『音』だったね。折角だからちょっと歌を聴いてみたいな」
「ナイスアイデアですわ、トパーズさん! 少し口ずさむだけで構いませんから、お願いできますでしょうか?」
ロードナイトに尋ねられたメノウは、すぐに了承する。
「いいですよ! ♪君がー代はー、千代にー八千代にー…」
((選曲!!))
あらゆる意味で驚くロードナイトとトパーズの前に、メノウの美麗な声が響き渡った。
「噂に違わない、良い声だね。何だかしみじみしたよ」
「日本産宝石の心に響き渡りましたわ…」
「因みに攻撃する時は、声や音の振動を肥大化してる感じです。宇宙人討伐、頑張りますね!」
こうして、メノウが仲間に加わったのだった。
―おわり―




