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備前の荒潮、執念の女影(めかげ)

第19話:備前の荒潮、執念の女影めかげ

2028年3月。

備前岡山競技場にて、女子レーサーの祭典「オールレディース」が開催された。

岡山は瀬戸内海の潮の干満差が激しく、満潮時には水面がうねり、干潮時には穏やかながらも引き波が残る難所。誠は、地元で見守る野田あかりや瓜生と共に、この戦いを固唾を飲んで見守っていた。

地元の期待を一心に背負う守屋あおいは、これまでにない殺気を放っていた。

山口から乗り込んできた誠の後輩たち――圧倒的才能の野田あかり、そして距離感の近い神田真琴。誠を「師匠」と呼ぶ彼女たちの存在が、あおいの2,500のマブイをかつてないほど鋭利に研ぎ澄ませていたのである。

「……負けない。誠くんの隣に立つのは、誰にも譲らない」

彼女が持ち込んだのは、岡山特産の備前焼の粉末をコーティングした特製ペラ。瀬戸内の「重い塩水」を力強く切り裂くための、執念の重装装備だ。

一方、長崎からの刺客・神田真琴は、岡山の難水面を前にしても余裕の笑顔。

「ハイタイ! 岡山の潮の流れ、沖縄の海に似ててワクワクします〜! あおいさん、誠さんのこと、今日で諦めてもらいますね?」

真琴の3,500の外付けマブイが、南国の嵐のような「湿った風」をピットに呼び込みます。彼女の操るからくり機体は、サンゴ礁を模した軽量装甲。うねりの上を跳ねるように走る**「波乗り旋回」**が武器。

予選最終12レース。1号艇にあおい、4カドに真琴。

「大時計、始動!」

満潮時刻と重なり、水面は激しく波打っています。4カドから真琴が、嵐のようなマブイで一気に内側を飲み込もうと強襲。

「誠さーん、見ててくださいね! 『ティーダ・スリット』!!」

しかし、あおいは逃げない。地元のうねりを逆手に取り、備前ペラで水面をあえて「叩きつける」ことで自機を安定させる。

「行かせない……! 『備前・重龍転換』!!」

激突する二つのマブイ。1マーク、真琴の「嵐」を、あおいの「地の底から這い上がるような旋回」が受け止め、そのままカウンターの差しを決めた。

レース結果:岡山オールレディース予選

1着:守屋 あおい(岡山)

2着:神田 真琴(長崎)

ピットに戻ったあおいは、疲れ果てて座り込みましたが、その目は勝利の光で満ちていた。

一方、敗れた真琴は「あ〜! 悔しい! でも、あおいさんの覚悟、本物ですね」と、初めてあおいを「ライバル」として認め、握手を求めた。


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