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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
白の書
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未来へ祈りを

 相変わらず寒くて布団が恋しい季節。ソレでも起きなきゃ朝食は作れない。

 1月2日とはいえ食事はもう正月気分を抜けていつも通りだ。大体おせちやら雑煮は元旦限定料理になりがちだ。何なら晩ごはんからコッテリしたちょっと豪華な料理を食べたくなる。

 年越し徹マンで崩れた体内時計はまだちょっと狂っているけれど、その内治っていくだろう。

 子虎なんかお構いなしに朝早くから起床して朝シャンに俺を誘ってきたしな。冬場の朝シャンは気を遣う。

 で起きてきた順のバラバラな朝食を食べて、まったりした午前を過ごす。

 お昼前に氷竜も起きてきて全員揃ったので初詣へ出かける。お昼は外で食べるつもりだ。

 ホウキに乗って超高速の飛行を千羽の腰に抱きついて移動する。もうすっかり俺の定位置だ。何って言うか、ベビーシートみたいな安心感かな。千羽の子供もきっと、こうやってしがみつきながら2人で飛ぶんだろうな。

 神社に着くとたくさんの魔女や奴隷で賑わっていた。毎年来ているとはいえ、やっぱり独特な空気感を出している。

 冷たいのに温かい、活気。

 まずは行列に並んでお祈りへ。人混みをすり抜けてくる寒風に震えながらも、1つの塊になってお喋りしながら進む。

 俺が真ん中で良いのか疑問に思いつつも、5人で並んび黙って参拝する。

 祈るのは、俺がどうする事もできない未来。俺の子供が、刹那家と一緒に明るく過ごせますように……

 みんなして黙って横へ移動して、行列の横を戻る。

 高い声を上げながら正月遊びに戯れる子供。お母さんの手を引いて一緒に遊ぶ事をせがむ姿。決して父親が望めない景色。

 残酷なくらい切望する祈り。

 腹を暴力的に刺激する匂いが漂う屋台の群れ。特に朝食を抜いている氷竜にはダイレクトにダメージを与えている。

 焼きそば、ポテト、唐揚げ、牛串、エトセトラ……

 懐を気にせず次々に買っては、簡易的なイートスペースでモリモリ腹を満たしていく。

 もちろんリンゴ飴やクレープ、綿菓子や大あんまきといった甘味も忘れない。というか亀夜が目を光らせた。

 定期的に聞こえるポン菓子の爆発的な音が刺激的だ。1~2回目は驚いたけど次第に慣れていった。

 みんなの祈りは聞いていない。誰にも教えないからこそ神秘的なんだ。

 祈りは決して平行しないから、誰かの祈りとぶつかってケンカし合ってる事もあるだろう。

 だから尊いし、打ち明けてはいけないのかもしれない。

 知らない事がいい事だって、悲しいぐらいにあるんだから。

 家に帰ってからはいつも通りに晩ごはんを作って食べて、お風呂に入ってお喋りして、この日記帳を書いておやすみだ。

 明日は寒さが少しでも和らいでいるといいな。

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