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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
白の書
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雨天決行動物園

「暇だわ優太。動物園行くわよ」

 千羽の休日。梅雨まっただ中の身動きできなさに業を煮やした一言だった。

 雨の日に動物園なんて行っても活動してないだろうに。いや動物園自体が雨天程度で閉園になることはないけれども。

 とはいえ何だかんだで3年の付き合い。こうと決めたことはテコでも曲げないのが千羽だ。説得するだけ労力のムダと言っていい。

 ということで手ぶらで動物園へ飛ぶことへ。現地にカフェかレストランぐらいあるだろうからお昼の心配は無用。

 独特な動物臭が漂うのを感じ、動物園に来たって実感をさせられる。

 で見事に閑散としていたわけだけれど、思いの外動物は活動していた。

 というか雨の日ならではの行動が見られるみたいで、飼育員の魔女さんから毛布を渡されて頭に被ったりとかもするんだなって驚いた。

 どうも雨に強い動物なんかは活発になりやすいようで、元気に動き回ってる横で「普段は大人しいんですよ」って説明を受けて意外に思う。

 よくよく考えたら晴れの日に動物園へ行ったことなんてたぶんなかったから比較のしようがなかった。

「だったら、次晴れた日にもっかいココ来るわよ」

 来週か再来週あたりの予定も決まってしまったな。

 で俺はマップを読めないから千羽に案内してもらってたわけだけれど「次は合体動物ブースを見に行くわよ」と、とても聞き慣れない単語を耳にしてしまった。

 どうやら魔法によって2匹の異なる動物を短時間だけ合体してキメラを作り出すブースが存在しているらしい。

 魔女の世界ならではだな。かなり倫理観が気になる催しだけれども。千羽も嬉々としてすずめとクジャクを混ぜないでほしい。とても羽根が豪華なすずめができてたけれども。

 ちょっと人がやっていい所業じゃないって思ったから、千羽からグイグイと2匹の動物を聞かれた時にはぐらかさせてもらった。

 レストランでは動物を模した料理が出てきて目で楽しめた。千羽も盛り付けの巧みさに感心していたな。味もまぁまぁ悪くない。値段から目を背ければ。

 この手の食事場はどうしても割高になりがちだから仕方ないけれども。

 とは言え、毎回お弁当持参なのもそれはそれで楽しみをひとつ減らしているような気がしなくもないのも事実、か。

 散財のし過ぎはよくないけれども、節約に躍起になりすぎて余裕を失うのも禁物か。

 ふれあいコーナーでは千羽と一緒に動物から逃げられてしまったな。躍起になって追いかける千羽の気持ちもわかるけれども、逆効果な気がしたのでボーっと眺めさせていただいた。

 にしてもアニマルセラピーってホントにあるんだな。

 つぶらな瞳とか、モフモフの毛並みとか、独特なフォルムとか見ていて癒された。

 愛らしいって必要な養分なのかもしれない。

 不意に、3人で手を繋いで帰るシルエットが浮かんだ。真ん中の人影がヘコんでて、足を宙に浮かせながらはしゃぐ。

 そんな願望にもにたシルエットに、誰かの面影が重なりかける。なんとなく、そんな予感がした。


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