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奴隷日記  作者: 幽霊配達員
青の書
77/89

春一番を突き抜けて

 三寒四温を行ったり来たりで服装が中々定まらない困った陽気。

 今日も陽射しは温かいのだけれど、服の端がビュウビュウとはためいていた。

 歩くのも一苦労なのだけれど、千羽はじゃじゃ馬のような風が好きだったりする。

 今日も追い風に乗り、逆風に全力で抗いながら空を飛ぶ。

 後ろに乗せてもらっていると息ができない程の風圧。けれどもスピードは緩めない。

 全力って、こういう事を言うんだろうな。

 紫江&紫緒の家に遊びに行くのに毎回スリルを味わえてしまう。

 玄関でチャイムを鳴らすとイタズラっ娘が二人がかりで奇襲をかけてきては千羽の手を煩わせる……んだけれど、案外楽しそうに振り回されている。

 俺はケンタウロスの安藤さんと一緒に嘆息を吐いてしまうんだけどな。

 普段振り回す側が抑止力になっているお姉さん感は、この双子じゃないと引き出せないんだろう。

 赤く長い髪を棚引かせながら戯れる姿はこの世の物とは思えないほど視線を釘付けにさせる……人為的に発生させた荒れ狂う強風から目を逸らしているとも言えるかもだけれど。

 千羽、結構全力で魔法使ってるよな。紫江&紫緒がきゃっきゃいいながらいなしているのが末恐ろしい。

 少し周囲の花が散っちゃったかな。花吹雪ってあんなに火力高そうに見える代物なんだな。

 身体を動かして満足したのか仲良くお茶をすることに。

 千羽ってハズレくじ引きやすい割りには日々を楽しんで生きてるっぽいんだよな。

 俺はなぜか双子に挟まれながらおやつを楽しんでいたけれども。

 イタズラ好きなのものあるけど甘え上手でもあるから楽しいんだよな。

 千羽が対面から、呆れたような冷たい視線を飛ばしながらティーカップを傾けていた。

 安藤さんが隣に座りながら冷や汗をかいてしまっているのが申し訳ない。

 たぶん千羽は羨んだりとか妬んだりとかはしてないから安心してほしい。

 俺が双子にねだられてやったように、千羽へおやつをあーんなんてしても呆けてしまうだけだから。

 なぜそんなことを俺にやらせてるのかが本気でわかっていないだけなんだ。

 紫江&紫緒は何か企んで行動してそうなんだけれども……チラチラ千羽を挑発していたし。

 ただ反応が芳しくないせいか、終いには両サイドから溜め息を聞かされてしまった。

 そんなこんな絆されながら、千羽との休日が終わっていく。

 帰り道の風は、少しだけ優しくなっているように感じられた。

 きっと春風は、気まぐれに強さを変えながら日々を寄り添ってくれるだろう。

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