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第四話「〖聖剣覚醒〗」


 前回のあらすじ。

 深夜、魔王ネトニス、に森へと召喚されて、怒りを湧き上がらせられる。

 攻撃は、不発に終わり、負傷させられ、窮地に陥る。

 状況打破の糸口である〈聖剣〉を入手するため、教会に向かって、飛翔を開始した。


 引き続き、バトル回。






 真夜中の森。

 〖聖剣憑依(ひょうい)〗発動状態で、夏の夜風を切り裂きながら、圧縮〖聖気(せいき)〗製の両翼を羽ばたかせて、教会へと、向かっていく。

 

『リョウさま!

 数メートル後方に、

 ネトニスの〖邪気(じゃき)〗を感知!』

「うおっ」


 サクラが〖念話〗で、教えてくれる。

 直後、破裂音が後方から聞こえて、強い衝撃が圧縮〖聖気〗製の右翼を襲い、落下を開始してしまう。


「《魔力よ。我が足もとで、爆ぜろ》」


 落下を開始したと同時に、詠唱。

 直後、金、橙、2色混合の魔法陣が両足の延長線上に展開して、小爆発を発生させ、高速前進させる。


 少し下降しながらも、高速前進させられていると、教会が見えてきた。

 目的地が見えてきたことによって、嬉しくなるが、着地のことを考えていなかったことに気づき、焦る。



『〖イージス・バリア〗』


 教会の周囲の斜面が迫ってきたところで、サクラが省略詠唱。

 直後、金色の魔法陣が展開して、俺を包み込むように、同色の球体を生成した。

 地面に墜落するが、金色の球体が守ってくれた。




「サクラ、助かったわ。ありがとう」

『もうっ。ありがとう……じゃないですよ。

 〖イージス・バリア〗がなかったら、

 死んでいたんですよ』


 金色の球体が消失して、土煙が収まったところで、サクラに感謝を述べると、〖念話〗で、怒られた。


「悪かった。

 次からは、後のことも考えて、行動するよ」

『約束ですからね』

「うん」


 サクラと話しながら、立ち上がって、教会の入り口に向かう。



「これ、開くのか?

 真夜中だから、鍵がかかってると思うけど」

『施錠されていても、

 精霊や〈セラフィム・ブレイズ〉、

 〖聖剣憑依〗発動中の人類が触れると、

 開くので、大丈夫ですよ』


 観音開きである教会の扉に触れると、ピピッという電子音が聞こえて、片方の扉が少し開いた。

 少年が入れるほどの隙間を通って、教会内に、足を踏み入れた。




――


 教会内は、ガラス張りの天井からの月光、青色のフットライトのおかげで、明るい。

 入口からの通路の奥には、古代ギリシャ服姿の女性像が鎮座していて、豊満すぎる胸の上で、祈るように、両手を合わせている。


『あの像は、ルナエルさまを模していて、

 負傷者の治癒、状態異常回復、聖剣の解放、

 対魔結界の展開などの力を宿しています。

 ルナエルさまによると、

 始祖アイギスが親孝行として、

 建ててくれたそうです』


 サクラが〖念話〗で、教えてくれる

 女神像の力が〖聖剣覚醒〗を発動可能にしてくださるのか。


『リョウさま、〖聖剣憑依〗を解除して、

 女神像前(まえ)の台座に、

 〈セラフィム・コア〉を置いてください』

「わかった」


 〖聖剣憑依〗を解除すると、〖聖気〗が消失して、〈セラフィム・コア〉が首飾り状態に戻った。

 女神像のもとへと、近寄る。


『少し離れていてくださいね』


 女神像前の台座に〈セラフィム・コア〉を置いて、離れる。

 数秒後、〈セラフィム・コア〉が眩(まぶ)しく輝いて、教会全体を照らす。



 光が収まると、サクラが垂れ目で、桜色の大きな瞳のグラマラス美少女姿で、圧縮〖聖気〗製の両翼を広げて、女神像の台座前に、現れた。


「お待たせ致しました」


 サクラが美しく、温和で、お淑やかな顔を綻(ほこ)ろばせて、瑞々(みずみず)しく、艷(つや)やかな唇を動かし、甘く、優しげな美声で、言ってきた。

 そして、サンダル、膝上丈の白タイツ越しの美脚で、近寄ってくる。

 近寄る動きに合わせて、頭頂部からのハート状の桜色毛束、そして、前方に垂らした状態、同色の3つ編みが靡く。

 さらに、古代ギリシャ服越しの豊満すぎる胸が揺れる。


「首にかけさせていただきますね」

「うん。うおっ」


 サクラが俺の首に〈セラフィム・コア〉の紐をかけて、抱きしめてきた。

 抱きしめてきたことによって、果実みたいな甘酸っぱいフェロモンが濃く香り、古代ギリシャ服越し、圧倒的な豊かさの胸が押し当てられて、ドキドキしてしまう。


「〖聖剣覚醒〗の〖闇祓い〗であれば、

 ネトニスを撤退させられますから、

 なにも、心配ありませんよ」

「やみばらい?」

「必殺技みたいなもので、

 〖聖気〗の上位種〖神聖気(しんせいき)〗を

 使用します」


 聞き返すと、サクラは、顔を合わせて、返答してくれた。


「〖神聖気〗ってどんなの?」

「これが〖神聖気〗です」


 サクラが美しく、しなやかな右手から、金色のオーラを溢れ出させて、教えてくれる。

 〖聖気〗より、色が濃いだけに見えるけど、すごい効果を持っているんだろうな。



「ネトニスを撤退させる前に……」


 サクラが魔術を発動させたらしく、濃い金色の魔法陣が美しく、しなやかな右手の延長線上に展開して、白いポンチョを生成した。


「リョウさま。これを着ていただきます。

 〖神聖気〗由来の衣服ですので、

 魔族に対しては、防具になりますよ」


 このポンチョは、対魔族用の鎧……ってことか。


「お着せいたしますね」


 サクラが美しく、しなやかな両手で、ポンチョを着せてくれる。



「準備が完了しましたし、

 ネトニスを撤退させましょうか」

「うん」


 ポンチョを着せ終えると、サクラが言ってくる。


「リョウさま。あちらを向いてください」

「うん。うおっ」


 サクラの言葉に従って、教会の入口のほうに向くと、彼女が背後から抱きついてきた。

 抱きつかれたことによって、古代ギリシャ服越し、圧倒的な豊かさの胸が背中に押し当てられて、またドキドキしてしまう。


「ほら、ご主人さま。

 まずは、聖剣の名前を決めてください」


 聖剣の名前か。

 サクラに関連させたほうがいいよな。

 サクラ、桜、チェリーブロッサム……あっ。


「ブロッサム」

「ブロッサムですね?

 では、〈セラフィム・コア〉に魔力を流し込んで、

 《聖剣ブロッサムよ、

 神聖なる力で、闇を消し去れ。

 〖ウェイクド・ブレード〗》……と

 詠唱なさってください」


 サクラが甘く、優しげな美声で、囁いてくる。


「うん、わかった。

 なんで、離れないの?」

「えっと、解放レベルが最大になって、

 密着が〖聖剣覚醒〗の発動条件に、

 追加されたんです!」

 

 苦し紛れの嘘だな。


「《聖剣ブロッサムよ、

 神聖なる力で、闇を消し去れ。

 〖ウェイクド・ブレード〗》」


 右手で、〈セラフィム・コア〉を掴んで、魔力を流し込んで、詠唱。

 直後、サクラが光の粒になって、〈セラフィム・コア〉に入っていった。

   

 続けて、〈セラフィム・コア〉が眩《まばゆ》く輝いて、神聖な雰囲気の剣が右手元に、出現した。

 神聖な雰囲気の剣、改め、〈聖剣ブロッサム〉は、刃が〖神聖気〗の圧縮エネルギーでできていて、〈セラフィム・コア〉が鍔(つば)中央に収まっている。


 〈聖剣ブロッサム〉の柄(つか)を握ると、体内の魔力が〖神聖気〗に変化し、体外へと|溢〈あふ〉れ出して、全身を包み込んだ。

 それとともに、サクラのスキルの情報を得た。


 

 教会の入口付近に移動して、扉に隠れながら、外を見ると、ネトニスが立っていた。

 瞳に、魔力を集中させて、〖神気〗の〖鑑定眼〗を発動させると、半透明な薄板状ディスプレイが目前に出現した。



――――――――――――――――――――


〖ネトニス・デモニオ〗

 種族 デビリア

 年齢 ???

 状態 始祖殺しの呪い

 戦闘力(パワー+スピード)

  5万(2万5000+2万5000)

 種族特性

  〖魔を統べる者〗

  〖邪神の加護〗

 スキル

  〖魔力感知〗〖魔力操作〗

  〖肉体変化:武器〗〖鬼神(きじん)化〗

  〖自己再生D〗〖同族支配〗

  〖不死鳥の因子〗〖黒渦(くろうず)〗

 特殊スキル

  〖狂邪気:レベル最大〗

  〖神気:レベル最大〗


――――――――――――――――――――



 戦闘力5万!? 始祖殺し!?

 ダメだ。化物すぎる。


『魔王らしく、戦闘力が高すぎますね』


 魔王を自称していて、禍々しすぎて、勝てなさそうだから、撤退させるんだな。


『はい。そのとおりです』


 なるほどな。


『リョウさま。

 急がないと、ネトニスの苛立ちが

 強まってしまいます』


 それも、そうだな。

 早く、〖闇祓い〗を放たないと。

 

 〈聖剣ブロッサム〉に魔力を流し始めると、圧縮〖神聖気〗製の刀身、鍔中央の〈セラフィム・コア〉が輝き出す。

 魔力を流し続けて、輝きが強くなったところで、鍔から、圧縮〖神聖気〗製の翼4枚が広がった。

 

「よし。ネトニス、覚悟しやがれ」


 〈聖剣ブロッサム〉に、ほとんどの魔力を流し込んだところで、教会の入口から、外に出て、駆ける。


「やっと、出てきやがった。

 聖剣じゃねえか」


 夏の涼しい夜風を感じながら、ネトニスに接近する中、彼が〈聖剣ブロッサム〉に気づくが、なぜか、動かない。


「〖闇祓い〗」

「ちっ!」


 オーロラみたいな結界の端に迫ったところで、〈聖剣ブロッサム〉での袈裟斬りを放つ。

 直後、金色の極太光線が放射されて、眩しく、周囲を照らしながら、ネトニスを飲み込んだ。

 


『魔力残量が僅(わず)かになりました。

 〖聖剣覚醒〗を解除します』


 金色の極太光線が収まったところで、ルナエルさまボイスでのアナウンスが〈セラフィム・コア〉から、流れた。

 直後、〖神聖気〗が消失すると同時に、〈セラフィム・コア〉が首飾り状態に戻ってしまった。

 魔力枯渇寸前になったため、全身が脱力し、倒れそうになるが、背後から、抱き留められた。

 抱き留められたことによって、果実みたいな甘酸っぱいフェロモンが香り、古代ギリシャ服越し、圧倒的な豊かさの胸が背中に押し当てられて、ドキドキしてしまう。


「もうっ!

 〈セラフィム・コア〉の解放レベルが

 最大になったおかげで、

 聖剣の使用直後でも、

 わたしが動けるようになったので、

 なにも、言いませんでしたが、

 どうして、残りの全魔力を

 注いでしまったんですか!?」


 サクラが俺を抱き留めた状態で、追求してくる。


「ネトニスが回避できないようにするため」

「昨日までみたいに、

 わたしが動けなかったら、

 後頭部を強打して、

 大惨事になっていたんですからね」


 そうだな。

 鍛練室の壁みたいな支えがないときは、大惨事の可能性があるよな。


「ごめん。

 次からは、支えがないときは、気をつける」

「約束ですからね」

「うん」 

「それでは、ネトニスを

 撤退させられたみたいですし、

 教会内のマナポーションを飲んで、

 帰りましょう」

「うん」

「掴ませますね」

 

 俺の左手首を掴ませると、サクラは、細い両腕で、姫抱き――お姫さま抱っこ――する。

 姫抱きされたことによって、果実みたいな甘酸っぱいフェロモンが濃く香り始め、古代ギリシャ服越し、圧倒的な豊かさの胸が手の甲に触れて、ドキドキが延長してしまう。






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