肉と少女
誤字脱字等あれば教えていただけると嬉しいです!
「〇△□✕%※」
「食べるか喋るかどっちかにしたらどうだ?」
「〇△□✕%※」
「………………」
あれから洞穴へ入って焚き火をつけ、現在夜ご飯を食べている。
よほどお腹が減っていたのか肉を口いっぱいに頬張りながら何かを伝えてくる。
油で手も顔もベタベタだ。何を言っているのかも全くわからない。
父は聞きたいことがあるようで、女の子が食べ終わるのを待っているようだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「んぐ、ふぅ……ごちそうさま。」
「あい、お粗末さん」
ひとまず腹の虫は収まったようだ。女の子は器用に水を出して油まみれになった所を綺麗にしている。
どうしてこの子がここにいるのか、何故そこまで器用に神術を使っているのか、知りたいことは沢山ある。
父もおなじ気持ちだったのか、質問を投げかけた。
「……で、どうしてこんなところにいたんだ?」
父も気になっていたようだ。
女の子は言いにくそうに目線を泳がせながら答えた。
「今日の夜パパが久しぶりに帰ってくるの。だからなにか捕まえて褒めてもらいたくて……」
どうやらこの子は父に渡すプレゼント的なものを探しに来たようだ。
それで迷子になってここに避難していたのだろう。
「今回は俺らが来たらから良かったな、次から気をつけろよ。」
そう言い女の子の頭を優しく撫でる父。
女の子はようやく安心できたのか、父親の手の温もりにホッとしたように目を細めた。
父は頭を撫でながらふと思い出したかのように質問を投げかける。
「そういえば名前を聞いてなかったな。俺はシルト、横にいるのは息子のアトスだ。」
それを聞いて女の子は
「私はクリスティーナ。パパとママからはティーナって呼ばれてるの!」
と花が咲いたような笑顔で答える。
父も元気なティーナを見て満足そうだ。
そこから3人で焚き火を囲みながら談笑を続けた。
どうやらティーナの父は大きな街で商人をやっていて文通が基本であり、1ヶ月に1回しか帰ってこないらしい。今回はいつもより長くて2ヶ月ぶりに帰ってくるのだそうだ。
ちなみに最近9歳になったところらしい。僕のほうが半年ほど年上だった。
1度ティーナは今日は親に会えないことを不安そうに
「パパが帰ってくるから私も家に帰らないと!」
と泣き出しそうになりながら父に言ったが、父が今からは危険だがら明日の朝に出ていこうと宥めていた。ティーナは渋々承諾した。
そしてさきほど父にぶつけたり、自分の手や顔を洗っていた神術に関しては
「ママがお花に水かけてるの真似したらできたの。」
どのことだ。
ある程度誰でも使える神術とはいえ、ただの『真似事』で神術をここまで扱えている事実に父は驚いている。
その後父は少し馬鹿にするような口調で言った。
「おいアトス、お前もティーナちゃんを見習ったらどうだ?ぶっちゃけ今の段階だと多分お前より強いぞ?」
「うるさいな……、そんなこと言われなくてもわかってるし……。」
「ま、精進するこったな」
父は面白そうに笑いながら、僕の頭を雑にぐしゃぐしゃと掻き乱してくる。
うるさいとはいったものの、内心その通りだと思ってしまう。
母親が見せた神術の真似事で父を吹き飛ばしてしまうティーナと違って、僕は神術も闘気も扱えない。
思わず考え込んで俯いてしまった僕の顔を見て、ティーナが何かを察したのか身を乗り出してきた。
「アトスはお水出せないの?
じゃあ私がアトスにたくさん教えてあげる!!」
どうやら気を遣ってくれたようだ。
ただ、僕は適性が分からないので神術はおそらく使えないのだが……。
もしかしたら闘気のコツを掴めるかもしれないし、今度教えてもらうことにした。
「……うん、じゃあ今度教えてもらおうかな。」
「うん!まかせて!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次の日はティーナの親も心配してるだろうということで早めに出発をした。
早朝に出発したためか野生の動物などもおらず、来た時よりもだいぶ早めに山を降りて帰ってくることができた。
どうやらティーナと僕の家はそこまで離れていなかったようで、僕の家から歩いて10分程度の距離だった。
娘の失踪により生きた心地のしていなかったであろうティーナの両親は、父とティーナの姿を見るなり何度も頭を下げて感謝と謝罪を繰り返した。
その後、ティーナは両親からかなりの説教を食らっていた。
あの泣いている様子なら、もう十分反省しただろうし、もう二度とひとりで危険な場所へは行かないだろう。
ちなみに持って帰る予定だった肉はどこかの小さい少女が食い尽くしたため残っていなかった……。
入学後の話をいっぱい考えていたのに、その前がなかなか難しくて格闘中です……。




