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首を括った先は、デュラハンでした。  作者: from_Uta
始まり

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エピソード5

あーどうして僕には頭がないのか、

かっこいい面を拝みなかったぜ。

さぞイケメンだっただろうに、、、。


水面がゆらゆらゆれていて時々よく見えない。

動物たちの水飲みの波のせいだ。

隣では今も変わらずぺちゃぺちゃと顔を突っ込む勢いだ。


ゆらゆらの中で僕は代わりにモヤモヤした空気のような物が頭部分にあるような気がした。


気がするだけだった。


いや、待て、

波が大きくなってきた。

どこから?


川の奥から波がやってくる。

視線を先に走らせるとピカピカと光る何かが迫ってくる。


あ、これ多分よくないものだ。


ね、なんかくるよ、

隣に眼をやるともうすでに3匹は離れて臨戦体制だった。


水面が盛り上がった。


ざばっ――!


何かが飛び出す。


反射的に身構えた。


……魚?


銀色の身体。


僕の腕ほどはありそうな大きさの魚が、水面から高々と跳ね上がっている。


いや。


一匹じゃない。


ざばっ。


ざばっ、ざばっ!


次々と魚が水面を飛び出す。


陽の光を受けて、鱗がきらきらと輝いていた。


……綺麗だ。


なんて呑気に思ったのも一瞬だった。


魚たちは跳ねているんじゃない。


逃げている。


川下へ。


何かから逃げるように、猛烈な勢いでこちらへ向かってきている。


「きゅっ!」


折れ角の兎が低く身を伏せる。


もう一匹は、その後ろ。


狼は二匹より前に出ていた。


さっきまで耳を垂らしていた奴と同じとは思えない。


頭を低く。


牙を剥き。


僕たちを背に庇うように立っている。


「グルルルルル……」


その喉から響く唸りに、空気が震えた――ような気がした。


……やっぱり、こいつ強そうだな。


でも。


お前、腹減ってるんだろ?


無茶するなよ。


狼の横に並ぶ。


その瞬間。


川の奥。


魚たちが逃げてきた方向の水面が――割れた。


ぬうっ。


最初に見えたのは、濃い緑色の何か。


水草かと思った。


違う。


鱗だ。


巨大な頭が、ゆっくりと水面から現れる。


魚……?


いや。


魚にしては口が大きすぎる。


その口の端から、細かな牙が何列も覗いている。


頭から背中にかけて苔のようなものがびっしりと生え、そこから小さな水草まで垂れていた。


大きさは――


狼より、ずっと大きい。


そいつは逃げる魚には目もくれず、


ぎょろり。


黄色い目をこちらへ向けた。


…………。


僕?


いや。


視線が少し低い。


僕の隣。


狼だ。


「グルル……!」


狼の毛が逆立つ。


その後ろでは二匹の兎が寄り添っている。


なるほど。


よく分からないけど。


敵意はあるらしい。


さて、どうする。


そう思って身体を動かしたとき。


――ガシャン。


まただ。


さっきから何度か聞こえていた、腰の辺りからの音。


水面へ視線を落とす。


そこに映った自分の腰。


古びた黒い鞘。


そして、その中に収まっている一本の剣。


…………。


あ。


俺、剣持ってたんだ。


巨大な魚のような何かが、


「ゴォォォォ……!」


水を震わせるような声を上げた。


狼がさらに姿勢を低くする。


僕は――


とりあえず。


剣の柄に、手をかけてみた。

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