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首を括った先は、デュラハンでした。  作者: from_Uta
始まり

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13/26

13

いったいどういうことだ?


切れない蔓と切れた木をよく見る。

この蔓、、、。ただの蔓じゃない?

してこの木、周りにはより大きな木もあるけれどこの木も随分立派だ。

切れ味はツルツル。綺麗に切られている。チェーンソーもびっくりだね。


でも、、、。


マジでなんで??


「剣そのものを見てみよ」


大鹿に言われ、手元へ視線を落とす。


剣。


昨日、魚の化け物を斬った剣だ。


刃こぼれ一つない。


むしろ昨日より綺麗になっているような……。


魚の血を吸ったせいか?


「剣ではない」


え?


「お主の手を見よ」


手?


言われるがまま、小手を見る。


……。


何もない。


いや。


よく見ると。


小手から剣へ。


何か――黒い靄のようなものが薄くまとわりついている。


首元にあるものと似てる?


「そのまま、剣を地面へ置け」


言われるがまま剣を置く。


「次は手刀で、蔓を切るつもりで振ってみよ」


いやいや。


剣でも切れなかったんですけど。


僕の手、そんなに強いの?


「よいからやれ。ただし今度は――」


大鹿が一瞬、倒れた木を見る。


「何もない方向へ向けてな」


……。


はい。


ちょっとムカつく。


蔓の前に立つ。


右手を開く。


手刀。


これで?


まあいいか。


軽く。


本当に軽く。


蔓へ向かって――


すっ。


手を振った。


…………。


蔓は切れない。


ほら。


やっぱり。


そう思った直後。


はるか後ろ。


森の奥から。


――ズズズズズ……。


…………。


え。


どしゃあああああん!


鳥たちがまた一斉に飛び立った。


妖精たちも、


「またー!?」


「木ぃー!」


「今度はあっちー!」


と大騒ぎ。


…………。


僕。


何も持ってないよ?


恐る恐る手を見る。


「分かったか」


いや。


全然。


「お主は今、蔓を斬ろうとした」


うん。


「だが斬ったのは、その先にあったものだ」


…………。


なんで?


「お主は力を身体の外へ放っておる。しかも――」


大鹿の目が細くなる。


「肝心の蔓を通り抜けてな」


えぇ……。


どういうこと?


「その蔓は我が魔力で編んだものだ。見た目こそただの蔓だが、そこらの鉄より遥かに強い」


あ。


やっぱり普通の蔓じゃなかった。


ずるくない?


「試しと言ったであろう」


聞いてない。


「言っておらんからな」


…………。


この鹿。


ちょっと性格悪いな。


「聞こえておるぞ」


あ。


大鹿は僕を無視して続ける。


「問題は蔓を斬れなかったことではない。お主は自分の力が、どこまで届いているのかすら分かっておらん」


なるほど。


昨日、魚を斬ったときも。


剣そのものが凄かったんじゃなくて――


僕?


「剣も尋常な品ではない。だが、昨日からあれを見ておれば分かる」


大鹿が僕の身体を見上げる。


「お主は力を使うたび、あまりにも多くを垂れ流しておる」


垂れ流し……。


なんか嫌な言い方。


「だから阿呆だと言っておる」


また言った。


「力がない者より、力がありながら扱えぬ者の方が危険なのだ」


……。


それは。


倒れた二本の木を見る。


確かに。


もしあそこに誰かいたら。


妖精とか。


うさぎとか。


狼とか。


…………。


急に笑えなくなった。


大鹿はそんな僕をしばらく見つめると――


前脚で、例の蔓を踏んだ。


「まずはこれを斬ってみよ」


え。


「剣でも、手でもよい」


いやいやいや。


さっき鉄より硬いって。


「だから良いのだ」


大鹿の角の間に、小さな光が灯る。


「この一本だけを斬れ」


周りの妖精たちが、いつの間にか少し離れた木の陰からこちらを覗いている。


うさぎ二匹も並んで座っている。


狼まで起きていた。


……。


なんか。


訓練みたいになってきたぞ。


大鹿は静かに僕を見る。


「力を強くする必要などない」


そして一言。


「小さくせよ。」

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