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首を括った先は、デュラハンでした。  作者: from_Uta
始まり

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11

・・・


クスクス

なんかところどころで声が聞こえる。


「だめだよ、起きちゃうよ、」

「大丈夫だって!さっさとやっちゃおうよ!」


妖精たちが僕の鎧に何か葉っぱを万年筆のようなものを当てようとしてるのがわかった。


おーイタズラかー、、、


どうしてやろうか、

外は夜明け、段々と紺色から青空へと変わってくる頃。

皆はまだ僕と同じようにスヤスヤとしている。


眼には眼を。歯には歯を。

イタズラにはイタズラを笑


下をぺろりとしてニヤニヤしながら葉っぱをはしらせようとしている妖精たちの筆が鎧にあたるその瞬間。

これまでのスローモードをよりスローにさせながらその刹那を狙った。


わぁーーーーー!


妖精たちが肩だけでなく身体をビクつかせ、何人かはもう目が白くなっていくのが見えた。


「きゃああああああああっ!!」


妖精たちが一斉に飛び散った。


文字通り。


一人は真上へ。


一人は後ろへ。


一人は持っていた葉っぱの筆を放り投げ。


そして一人は――


「…………」


その場で完全に固まっていた。


羽だけが、ぷるぷる震えている。


あ。


やりすぎたか。


「…………」


僕も動かない。


固まった妖精と見つめ合う。


いや。


目はないんだけど。


「…………ふぇ」


あっ。


まずい。


泣く?


ごめんごめんごめん!


慌てて両手を振る。


冗談!


冗談だから!


ほら!


大丈夫!


「…………」


妖精の目がじわぁっと潤む。


やばい。


どうしよう。


抱っこ?


こんなちっちゃい子、どうやってあやすんだ。


恐る恐る手のひらを差し出す。


妖精はそれを見る。


僕を見る。


また手を見る。


そして――


「……っぷ」


…………?


「ぷっ……あはっ……あははははは!」


笑った。


「びっくりしたぁ!」


おい。


こっちがびっくりしたよ。


「やられたー!」


逃げた妖精たちも戻ってくる。


「ずるい!」


「起きてたの!?」


「いつから!?」


わらわら。


あっという間に囲まれた。


いやいや。


そもそもお前らがイタズラしようとしたんだろ。


「仕返しだー!」


「やっちゃえー!」


え。


ちょっと待て。


話が違――


「きゅ?」


騒ぎに気づいたのか、すぐそばの草むらから長い耳が一本。


続いてもう一本。


眠そうな顔のうさぎが、ひょこっと頭を出した。


「きゅぅ……」


折れ角の子もいる。


その向こうでは狼が薄く片目を開け――


…………。


また閉じた。


おい。


助けろ。


「いまだー!」


妖精たちが一斉に襲いかかってきた。


葉っぱの筆。


花粉。


花びら。


なんか赤い実。


待て待て待て。


それ何に使うつもりだ。


一人捕まえる。


「きゃー!」


もう一人。


「捕まったー!」


右手に一人。


左手に一人。


よし。


これで――


「上ががら空きー!」


…………。


上?


ぺちゃ。


首元の黒いモヤに、何かが落とされた。


昨日の赤い実だった。


すっ。


消える。


…………。


「食べたー!」


「やったー!」


「もう一個!」


いや、餌付けじゃねえか。


騒ぎはどんどん大きくなる。


うさぎたちまで完全に起きて、僕らの周りをぴょんぴょん跳ねている。


鳥たちも木々から顔を出す。


狼だけは寝たふり。


そして。


泉のほとり。


あの大鹿が、ゆっくりと頭を上げた。


こちらを見る。


しばらく見て。


「…………」


ふいっ。


また頭を下ろした。


……。


なんか。


呆れられた気がする。


朝焼けが木々の間から差し込んでくる。


昨日まで名前すら知らなかった生き物たちの声で、森が少しずつ目を覚ましていく。


その真ん中で。


僕は妖精二人を両手に捕まえたまま――ふと思った。


……。


あれ。


俺。


寝てたのか?


それとも。


さっきのは――


夢だったのか。

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