圧倒
物語に厚みを持たせるの難しいですね
「「「「「「顕現せよ!!」」」」」」
数多の神々が同時に叫び、辺りが光に包まれる。
数瞬後、光がやんで行き、目の前にいた神々は神々しい鎧に包まれており手には各々の武器を構えている。
それに対して零は焦りもなく冷静にその武器を見据える。
「神器。神々にのみ許される権能の武器化。まさしく神の器といったところかな?」
神器。稀に人間どもが使っているが、あれは本来神々にのみ許されるものだ。故に人間が扱える加減は、せいぜいが1割といったところ。まぁ、稀に例外もいるが。
とはいえだ。神器ってのは神々の権能をそのまま武器に置き換えた一種の錬金術だ。
その権能を一つの固体に凝縮するということはつまり、その権能がより濃く世界に顕現するということ。
つまり神器とはその神すらも超えるものであり、それと同じ権能を同時使用すれば、その時の威力は1000倍ですらすまないだろう。
「しっかしまぁ壮観だな。500を超えるの神による神器解放。威圧感が半端ないな。冷や汗が止まらないぜ」
どの口が言う。神々の心境は皆これで収まっていたと思う。
事実、零の存在はそれだけで神々を震えさせるほど恐ろしいものだった。
そんなことつゆ知らず。零は、凄惨に口の端を吊り上げ右手を目の前へと突き出す。
それを見てウラノスたちはすぐさまこちらに突撃してきたがその判断は少し遅い。
やるなら、解放した瞬間が正しかった。そうして、僕はその名を叫ぶ。
「顕現せよ!破滅刀 阿修羅!!!」
直後、黒よりも尚黒い漆黒が辺りを包み込み、その漆黒が俺の身を羽衣の様に覆い、俺の手には黒刀が握られていた。
それは、桜先輩に見られてしまった刀。
けれどもその刀から発せられる威圧感はあの時の比ではなく、神々でさえも思わず足を止めてしまうほど。
これでまだ鞘に収まっているってんだから恐ろしい。
「鬼神流 我の太刀 三千世界」
それは3000の刃を放つ神速の剣技。
その時の速度は刹那すら超え涅槃寂静の域まで加速し相手を切り刻む、いわば光速すら超える正しく神速の刃。
その速度はどのような存在であろうとも捉えることなど叶わない。
———例えかのウラノスであろうとも。
そして3000の刃を放ち終え、周りを見れば、まぁ恐ろしい。
建物は半壊しもはや原型すら留めておらず神々は皆地に倒れ伏している。
まさしく圧倒。神器を解放した神々を一瞬で倒すバランスブレイカー。
生態系の頂点と呼ぶに相応しいその力。
神々の奥の手など知るかと一蹴し。物語の盛り上がりなんて関係ないと吐き捨てる。まさに作者泣かせのキャラ。
それが、零が創り上げた最強キャラ。
しかし零は神々を滅ぼす気など毛頭ないゆえ時空支配からもう一つの刀、廻天刀 帝釈天を取り出しそれをぐるりと回る様に振るう。
さながらそれは演舞の様に。
そうして剣が通った箇所から青白い光が生まれそれが一人でに神々へと向かい降りかかる。
すると神々はみるみる回復してゆき全員が意識を取り戻した。
俺は目覚めたウラノスに向かって一言文句をいう。
「はぁ、いくら僕を試そうったって神器はやりすぎだぞ」
僕は呆れ半分でそう言う。するとウラノスは悪びれもなく
「いやー、神々の全力にすら耐えきれない奴に世界は託せないからねー。仮にも原初の星、その原初の大陸を託すんだ。これぐらいは難なく超えてくれないと話にならない」
飄々とした様子でウラノスは言うが、僕の苦戦する相手なんてそれこそワールドシステム本人か、ユニバースシステム本人。
つまりウラノス達程度苦戦するまでもない。
それに、あくまで苦戦するだけで、負けることは無い。
「まぁ、それだけ最強の二つ名は軽くないってことだ。そういや、僕以外に力に目覚めた奴はいるのか?」
正直、世界を俺一人で守るのは、流石に骨が折れる。物理的に。
ウラノスはうむむと唸り俺の問いに答える
「いないことは無い。解放した者も何人かいる。だとしても君は異常なんだよ。零」
僕が、異常?考えられる解放が早すぎるか、もしくはーー
「解放条件なしで受け取った瞬間からなんて、おかしいんだよ。零君」
やはりか。いくら解放条件があったとしてもこれほどの力だ。
相応の対価は支払うべきだろう。
けれど、俺の力は対価なんてなかった。
強いて言うならあの痛みだろうが、それすらも最早気にする余地はない。
さらに解放条件が痛みにしてもこれは明らかに異質すぎる。
つまり本当に対価がないのか、あるいは後払いなのか。
「まぁ、大方ユニバースシステムが関与してるんだろ」
この世界が僕の作った世界と同期したのなら、同期した瞬間にワールドシステムとユニバースシステム二つが作動して何かしら施した。
けれども一つわからないことがある。
なら、それを同期したのは、誰なんだ?まぁ、ここで考えても仕方ないか。
僕は思考のピースを脳内のゴミ箱へと捨てると中学に帰る準備をする。
どうせ今考えても必要なピースも足りない状態だ。それに、この設定作ったのて今言うもんじゃないけど小学生ぐらいなんだよな。
そのせいで何個か覚えてないこともある。
つまるところ、今考えたところで無駄である。
「それじゃあなウラノス。また遊びに来るよ」
「あぁ、その時は是非お茶でもしようじゃないか」
あぁ。と僕は返し体を元の形へと変えていく。
そして完全に戻った時、服がないと気づいた。
流石に服無しはやばいよな。
僕は創世で新しい道着を創ってそれを着ると時空支配を使用して中学へと戻る。
空間に歪みが発生しそこを潜ると俺の中学校のグラウンドだった。
そのグランドは俺が八つ当たりついでにケルベロスへと放った炎によって燃やされた地面がガラス化を通り越してなんかやばいことになっていたが、まぁ後でスキルで直せば問題ないだろう。
見れば、いまだに茫然自失としている柔道部の面々が見えたので、少し彼らを鑑定してみることにした。
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名前夜咲桜
種族人間
職業学生
レベル1(封印中)
筋力 3300(半封印中)
防御力 4763(半封印中)
魔力 13296(封印中)
魔法威力 12365(封印中)
魔法防御 11539(封印中)
速度 3026(半封印中)
知力 10544
運 12
魔法適正(封印中)
影、重力、機械、焔
スキル
ユニーク
影lv1(封印中)
炎lv1(封印中)
空間ノ眼lv1(封印中)
源初スキル
鬼人流(封印中)
アクティブ
テイムlv1(封印中)
種族スキル
パッシブスキル
並列思考lv1(封印中)
魔力操作lv1(封印中)
存在耐性lv1(封印中)
魂魄耐性lv1(封印中)
筋力強化lv1(封印中)
加速lv1(封印中)
脚力強化lv1(封印中)
視力lv1(封印中)
直感lv1(封印中)
再生lv1(封印中)
柔道lv1
アクティブスキル
威圧(半封印中)
気配察知(封印中)
隠密(封印中)
称号
異端、再臨者
加護(封印中)
生命神の加護
全能神の寵愛
死神の加護
闘神の寵愛
封印解放条件
・吸血鬼化する事
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僕はスキルの中の全知のおかげでこの世界に適応される異能の条件も把握している。
そしてそれは、異能を与えられる人物に縁のある能力、あるいはイメージに合うものが与えられるっていうものだ。
けど、どう考えても桜先輩のこれはイメージとは合わないし、縁もないだろ。
僕は顎に手を当て考え、とりあえず他のメンバーの異能も確認しようと前を向いた時。
何故か僕の方へと桜先輩が走ってきた?あれ?なんで走ってんだ?
桜先輩は拳を握りコースクリューブローの勢いで俺の鳩尾にクリーンヒット!
こちら側のダメージ0!向こう側のダメージ100!桜先輩痛そう!
……何してんだこの人?
「いったぁぁ!なに?零は体鋼出てきてるの!?」
「いや、何してんすか」
手を必死に摩って涙目を浮かべている桜先輩。馬鹿だろこいつ。なんで………
思わず自身の頭を殴る。割と強めに。
自分の考えた、クソみたいな思考を消すために。
「ど、どしたの?」
驚愕に染まった顔に、僕は笑って
「大丈夫ですよ」
と返す。今の感情を、悟らせないように。
話題を変える為に、僕は一つ彼女に質問する。
我ながら今考えると。なんでこんなこと聞いたのかわからないけど。少なくとも今、聞いた方がいいって思ったんだ。
「桜先輩。貴女は、戦う力が欲しいですか?」
この質問が、彼女の人生を大きく狂わせることになるのだとこの時の俺はまだ知らない。
感想、評価、ご指摘など。どうかよろしくお願いします




