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天破創源

今回は少し長く書けました

         天破創原


「戦う、力?」


 小首を傾げる桜先輩。まぁいきなり力と言われてもわからんわな。


「簡単に言うとこんな感じで火を出したり水を出したりする力ですよ」


 言いながら両の手のひらからそれぞれ火と水を出す。


「へぇ〜」


 感心したように僕の両手を眺める桜先輩。

 目線を上げ少し小首を傾げながら桜先輩は僕に質問する。


「そういえば、零って今日力が使えるようになったんだよね?」


「えぇ、まぁそうですね」


「でもまるで長年扱ってた体みたいに使いこなしてるけど、何かコツでもあるの?」


 コツ、か。まぁ、原作者だから力の使い方は分かるって言っても魔力なんて超物質、いくらなんでも原作者ですら1日ではマスターできない。

 これに関してはいくつか仮説はあるが、どれも確証は持てない。


「さぁ?僕も気付いたら使えていたので」


 そして桜先輩は数秒何かを考えた後に口を開いた。


「私は、力が欲しい。自分の身は、自分で守りたい」


 覚悟の決まった目をした彼女は俺をまっすぐに見据える。この歳の少女にここまで出来るのは、流石だな。けれども。


「桜先輩。少し目を閉じてください」


「へ?」


「いいから」


「わ、分かった」


 困惑を浮かべながら僕の言う通りに目を閉じる桜先輩。俺はその頭に手を乗せ莉乃先輩の深層に迫る。


《原初の眼起動》

《完全情報開示》

《真実の眼起動》

《情報を開示します》


 瞬間、脳裏に提示される桜先輩のあらゆる情報。


 今日の朝ごはんは何を食べたのか。憧れは誰なのか。


そんな他愛もない情報の中に一つ、異質な情報がある。


 それこそがステータスプレートに隠されている本来の表示。本来の異能名 


夜咲桜 異能名『シリウス』


……やはりか。さっきの覚悟、明らかに桜先輩以外の誰かの覚悟も感じた。その予想通りそういうことだったが。


 これはダメだ。これは、桜先輩を完璧に縛る鎖になる。


———こんな鎖は、僕だけで十分だ。


「書き換え」


 事象を操る事象演算を発動し桜先輩に宿った異能を強制的に変更する。


 すると、原初の眼を通して桜先輩の脳内に入っているであろう情報が入ってくる。


《異能変質 対象者 夜咲桜》


《第三者の介入を確認。ワールドシステムに救援要請》


《第三者のスキルに世界の敬愛を確認》


《ユニバースシステムへと救援要請》


《emergency。宇宙の盟友を所持していることを確認しました》


《異能変質を許可します》


《異能名 《後継者》》


《後継者選定》


《選定対象 天守零》


《これにてシステムの通知を終了します》


《貴女の道行に幸福が在らんことを》


……どうやら何故か僕の後継者に認定された様だ。


 僕は思わず天を仰ぐ。そしてその天より振りたる物体を見て僕は咄嗟に桜先輩を抱えて横に飛ぶ。


「きゃっ!?」


 その際お姫様抱っこになってしまったのは申し訳ないが緊急事態だ。

 

 見れば先程まで僕達がいた場所には巨大な窪みが出来ており砂塵の隙間から見えるその姿を睨み付けながら僕はそいつの名を呟く。


「予言竜、ニーズヘッグ……!」


 その鱗は全てを飲み込むと錯覚してしまう様な黒色をしておりその強靭な爪と牙は思わず死を覚悟するかの様な鋭さがある。


 その威風堂々とした巨大な両翼はその巨体を空中に浮かせる姿を容易に想像させた。 


 その目は血色に染まっており死を覚悟する巨大な牙をのぞかせる口からは涎が垂れており正気がないことが窺えた。


 また体の周りからは紫色のオーラのようなものが溢れ出ていた。


 そのオーラはねっとりと絡みつく様な不気味さを孕んでおり生理的に嫌悪する類のものだった。


 予言竜ニーズヘッグとは予言とある通り世界が破滅に巻き込まれる時ワールドシステムが送り出す一種のシステムの様なものだった。

 

 人々を守り助ける姿はまさに竜神そのもの。けれども極魔大罪神王アマルという存在がニーズヘッグのシステムに干渉し邪の僕になってしまったという設定だ。


 人々を救うための希望が世界を絶望させるために生きるとはなんと皮肉なことか。


「そんな皮肉を作り上げたのは僕なんだがな」


 ぼそっと俺が呟くのを桜先輩は首を傾げながらこちらを見上げる。この角度可愛すぎんか?


 いやまて、この現状でそんなこと考えてる場合じゃない。


 てかこんなのんびりとニーズヘッグの外見を事細かに語ってる場合じゃない!


『グギャァァァァアア!』


 その雄叫びによって校舎は崩壊していく。何よりその雄叫びは、悲痛に満ちていた。

 腕を振るえば斬撃が地を切り裂き、口を開ければ巨大な火球が地を焼いた。

 一応被害が出そうな場所や柔道部の面々のところには結界を貼ってあるため無事だが学校の被害は甚大だ。


 まぁ、学校は別に。ねぇ?なんとかなるの精神でいこう。最悪直す。


「生み出した以上、俺が終わりを告げないとな」


そして俺は桜先輩を地面に下ろすとニーズヘッグへと歩みを進める。


「さて桜先輩。貴女は一応僕の後継者となった訳ですが、戦うと決めてしまった以上最終点ぐらいは見据えておかないといけませんよね」


 俺は笑みを浮かべながら桜先輩に語りかける。


「な、何を言って……?」


「いえ何、貴女が辿り着く最終地を、先に見せるだけですよ。俺の最大火力を」


 瞬間、世界を包み込んでもなお余りある魔力の渦が俺を中心に吹き荒れる。


 ただしこのまま外に魔力を放出すれば世界がぶっ壊れる。


 流石に困るというか普通にダメなので学校全域に最高位の結界を張って桜先輩と柔道メンバーのところにも同程度の結界を構築する。


 それと同時に俺も耐えられるよう自分専用の装備を装着した。


 まぁ、装備の見た目は黒コートに黒インナーだ。某黒の剣士を想像してくれると楽だと思う。


 閑話休題


 俺は魔力を練り上げる。幻想的な粒子が宙を舞い、可視化出来るほどの力の奔流が柱となって天を貫く。


「滲み出る混沌 定める秩序 幻想する狂気の脈動 肯定も否定も力も尽くを滅し それを為し得るは原初の神」


 ニーズヘッグの頭上に巨大な幾何学模様が出現しそれはいくつも重なり合い回転を始める。


 それは赤や黒といった数多の色をしていて、それを見たニーズヘッグは焦ったように幾何学模様を壊そうとする。


 俺が扱える最も強力な力。

 世界を支える根源と始原を合わせることで編み出した究極の呪文。


 本来魔法を打つときは無詠唱の方がいいのだがオリジナルとなると話は別だ。レディーメイドではなくオーダーメイド。


 世界が認識していない物を強制的に放つのであれば世界へと命令を、言霊を発するのは至極当然である。


「絶えず滅し絶えず生み出す常世の主 黄昏より暗く薄明より明るき存在 


 矛盾を孕みし偉大な汝の名において我ここに裁きを執行する 


 地に伏し己が無力さに苛まれながら絶望せよ 


 宇宙記録(ユニバースメモリ)最終章 天破創原」


 瞬間幾何学模様が眩いほどの光を放ちそれが一気に収まると思うと、極大のレーザーの様なものが魔法陣を通して放たれ世界が光に包まれた。


 そして数瞬後、この世から放たれたかとは思わないほどの轟音が鳴り響いた。


 その余波でさらに校舎が崩壊するが、どうせ重要書類などは全部俺の時空支配に収納しているから壊れたのは校舎だけである。

 それに校舎は作り直せるから問題はない。

閑話休題


 見ればニーズヘッグのいたところは底が見えないほど穿たれておりそのニーズヘッグは跡形もなく消滅していた。


 けれども、それで終わらなかった。破壊された場所からは黄色く輝く粒子が飛び散りそれが陸希へと吸い込まれたかと思うと今度は真っ黒な粒子が陸希の掌から勢いよく飛び出していった。


 その粒子は徐々にドラゴンの形へと姿を変え残った粒子は穴を埋めるように満ちていった。


「さぁ、蘇れ。ニーズヘッグよ」








 その日、日本は壊滅的な被害を受けた。後に魔物と呼ばれる存在が各都道府県に2体以上出現し各庁は大混乱。


 その時運よく覚醒したものたちが掃討したが被害は相当だった。


 逆にほとんど被害が無かったのが大阪と沖縄、東京。そして北海道だ。


 そして政府は後に異能者と呼ばれるものたちの育成に精を出した。


 これにより中学校以上の学校は通常の授業の他に異能の授業が取り入れられたらしい。


 また、政府が把握した中でも高位の異能力者は政府が新たに設立した対魔物殲滅用特殊能力部隊。


 通称、特務に所属することが決定した。


 対魔物とついてはいるが今現在発生している異能による犯罪も取り締まる。


 各都道府県の優秀な異能力者が集められているためその権限は総理の次に強い超巨大組織になっている。


 ひとまずは各都道府県に出現した魔物を討伐した者達が選ばれているのだが、大阪府だけは誰が討伐したのかは分かっていないらしい。


 周囲にいた人たちからは中学生が討伐したと証言があったが混乱していたのとそもそも中学生が討伐できるわけがないと判断し大阪の異能者を捜索することを決めた。


 この全てを短期間で終わらした政府の判断力と行動力には驚かされるが実は理由があったらしい。


 災厄の日。この事件はのちにそう呼ばれるようになったが、実はこの日より丁度30年ほど前。この日が来ることはすでに予測されていたらしい。


 その未来が伝えられた時、魔皇玉と呼ばれる真っ白な玉が機械音と共に渡されたらしくその内容は、


『第零次元第零宇宙第零世界太陽系第三惑星、アースにおける各国の王に通達する』


『魔皇玉の譲渡を開始』


『成功しました』


『これより30年後、この星に怪物が出現することになりました。これより30年間、しっかりと準備して、備えるように』


 こんな内容だったらしい。そしてこの魔皇玉の効果は、人々の本質的な異能を表示するというものだ。さらに封印の解放条件もわかるらしい。


 そしてこれを聞いた各国の首脳陣はすぐさま内密的な国際会議を開催。


 直ちに対策案として新たな組織の設立、そして魔皇玉の研究を進めた。


 さらにその魔皇玉を各国の軍部における大佐や隊長、総司令官など重要職に使用して異能を解放。訓練で力を磨き各地に潜んでいた。



 それによって被害は最小限に抑えられそれと同時に特務が急速に出来上がったと言うカラクリだ。


 また、このアナウンスにもある通り世界でも同じような被害が確認された。

 一部ではこれはテロなのではないかという声も上がっていた。


 俺からしたら魔物使うテロできるなら世界とっくに壊れてるよって言いたいんだがまぁそれはいい。


 またさらに新たな大陸が出現した。場所は北太平洋のど真ん中あたり。現在ではその土地権をめぐった政争や、その大陸の調査などが進められている。


 ここで俺は考えた。もし異能封印なんて異能持ちが、敵になった場合。

 おそらくだが今の人類じゃまず間違いなく滅亡する。この世界は元となる異能。そしてそれを元にステータスを作成している。

 つまり、異能自体を封印された場合、ステータスはなくなる。というより一緒に封印されるのだ。


 だから俺は、自分の異能を一時的に封印した。封印期間はおよそ1兆年。


 多分、小学生ぐらいじゃないか?こんな頭悪い時間を考えるの。


 だが残念ながら俺は正気だ。


 俺に残ったのは、絶対に退化しない体と無限の体力を備えた肉体、そして限界のない肉体。


 要は努力する分だけ強くなれて努力は一生できて年齢を重ねても力は衰えない。


 異能なしでの元の肉体を限界を超えて鍛えることで異能なしでも戦えるようにしようと思ったからだ。


 ちなみにこの肉体は神様からのプレゼントらしい。器が強制的に書き換えられていた。


 閑話休題。


 まぁ、封印する前にやることはやったんだがな。


 俺が把握している知り合いの異能で、解放条件が恐らく今の人類じゃ到達できないものに関しては先に神々に協力を要請しておいた。


 ちなみに解放してもらう理由としては、普通に異能使えないとなるといじめが起きる可能性があるからだな。


 まぁ、身近にモンスターが現れた時の対処っていうのもあるんだが。


「最悪お前がいるしな。ニーズヘッグ」


 現在は俺の自宅。時刻は夜の9時。ケルベロス襲撃に神々との乱闘。それからニーズヘッグの襲撃だ。


 これが一夜に起きたんだからまぁ恐ろしい。今はあの日から既に1週間ほど経っておりリビングでテレビを見て日本の情勢を確認していたところだ。


 あの戦闘の後。救急車のサイレンの音で一同は正気に戻りすぐさまこちらに駆け寄ってきた。そこで始まる質問の雨霰。


 答えられる範囲は答えたつもりだ。

その時桜先輩の顔が少し赤かったが熱でもあったのだろうか。


 その後。救急隊によって簡単な身体検査を行い外傷や内傷は特になく、警察と一緒に家に帰った。一応の安全対策である。


 みんな思うことでもあったのか神妙な面持ちで家に帰っていたことは記憶に新しい。


 そういえば、俺の見た目は異能をもらう前の肉体へと変化していて親からは魔物のことは聞かれたけど学校の時のように肉体に関してのことは触れられなかった。


 異能を封印したから当然ではあるが。


 後、親は泣きながら抱きついてきた。まぁ、子供が死ぬかもしれないのだから親からしたら肝が冷えたどころの話ではないだろう。


 ちなみにニーズヘッグは生物とは言ってもシステムの一部なので存在を見せる相手を選ぶのなんて造作もないことだ。


『ふん、全く。ワールドシステムの一部である我をテイムするとは、貴様のテイムスキルはどうなっているのだ?』


「フルカンストプラス覇王の称号で全部overload」


『………なるほど。我は端から勝ち目はなかったというわけか』


「そういう事だ」


 まぁ実際はテイムスキルだけではないのだが、面倒だから別に訂正しなくてもいいだろ。


 今日は本来なら学校があるのだがあいにく校舎がボッロボロになってしまった為1ヶ月ほど休校ということになった。


 けれど学校の重要書類は校長先生の家の部屋に置かれていたらしい。いやー、不思議なこともあるもんだねー。


 その為ここから1ヶ月は完全に修行漬けで行くことにした。


 あー後。1ヶ月の間はダミーの俺でまかなう。バレないか心配だけど。まぁ大丈夫だろ。

 

「それじゃニーズヘッグ。頼む」


「承知した」


 瞬間、空間がわずかに揺れ動いたかと思うとパキリっとひびが入り人1人が入れるほどの穴となった。


 そこに俺は1兆年分の食料と水と言いたいところだがそんなことできるわけない。


 そのためニーズヘッグが用意した異界には無限に食糧、お菓子、飲み物が出る冷蔵庫に巨大な風呂などの設備が置かれている。


 もちろん筋トレセットもな。


 俺はヒビの中へと身を投じ視界が一瞬光に包まれ反射的に目を閉じる。


 そして数秒後には光が収まり目を開けるとそこには真っ白な部屋が広がっていた。


 何もないただの四角い部屋。


 この空間では時間の流れが外界とは異なる。



 ここで俺は現実世界での1ヶ月。異界時間で1兆年もの月日の間、鍛錬を積む。



 封印期限の終了ジャストまでずっと鍛える。一応ニーズヘッグには魔物が再出現した際には教えてくれと頼んである。



 なにより、俺以外にも異能に目覚めたものはいるだろうし、俺は自分の鍛錬に集中できる。


 こうして俺の、地獄の鍛錬が始まった。






1日目

 とりあえずアップがてらこの異界を一周しようと思う。距離はフルマラソン一周程度。


 ちなみに無限に体力があるのにこれをする意味は無限でも引き出せるものには限りがあるからだ。


 いわば引きだすための下地作りだな。


 その後は腕立て、腹筋、スクワット。その他諸々を200回を5セット。

 時間が余ればこの一連の流れを繰り返す。


2日目

 この肉体の便利なところに気づいた。

 なんと、寝たら昨日の筋トレの成果が全てつくのだ。


 本来なら数日置くものを数時間で完遂させられる。


 これは思った以上に早く次のステージへ進めるかもしれない。


 7日目


 今日から少し負荷を増やそうと思う。


 腰に2リットルペットボトルを左右計4本ずつつける。

 さらに腕と足に重さが10キロある重りを装着。これによりさらに力がつくだろう。


 今はフルマラソン10周、腕立て、スクワット、ベンチプレス、ハンマーカルやらその他諸々2000回を5セットやっている。


 常人ならすでに死んでいるな。


それと同時に脳のリミッターを解除するのとそれによって筋肉を壊し再構成することも忘れない。


 

5億5000万年と4ヶ月12日目


 ようやく下地作りが終了した。


 この下地作りのおかげで、拳でマッハを出しても壊れないようになった。

 これより先は今やっている筋トレにプラスして戦闘の練習をする。


「彩色拳。赤式乱舞」


 その瞬間、荒れ狂う赤き拳。その拳は音速を超え、空気摩擦で火がついていた。まさに炎の拳。


「彩色拳。黒式絶拳」


 音速を超え、光速へと足を踏み入れた拳は相手の肉体強度など関係なしに容赦なく貫く。


 まさしく必殺の拳。そのため溜めが必要。



「彩色拳。紫屍殴滅」


 外ではなく内を。外傷ではなく内傷を喰らわせるためだけの技。


 掌底や体の芯に響く技を中心に構成されている。ちなみに音速には普通に届いている。



 こうして型を確認しながら、柔道やさまざまなパターンに対する対応策や反射神経などを鍛えていった。


 と、ここまで技の解説をしたがこれが僕の考えた流派、彩色拳。


 敵を倒すために作り上げた、武の極地だ。 

 

 まぁ、極地なのかはわからないがな。



 そして、1兆年の月日が流れた。


 この1兆年で最初の1日以外一睡もしていない。する必要がないからだ。


 あれから鍛錬だけじゃ足りなくてニーズヘッグに偽の魔物まで用意してもらったからな。


 この世界はあいつが作成したものだからこの空間じゃあいつは神も同然だ。


 そのため魔物を用意するぐらい造作もないことだ。


 そして俺は最後の課題をクリアするために壁の前へと立っている。


 この壁は僕が異能を用いて全力の半分も出さないと壊せないほどの強力な強度を持っている。


 つまりこれを破壊できれば、少なくともゼロの半分の力を手に入れたと思って間違いではないだろう。


 僕は拳を握り締め左足を前に右足を後ろに引き右拳を思いっきり引いて、腰を捻り遠心力も、今まで培った全ての技術を結集していま、奥義を放つ。


「彩色拳 天虹軍雄」


 それは、不思議な拳だ。遅くて速い。まるでその拳の時間だけが引き延ばされているような不可思議の時間。


 そしてなにより、その拳が重なって見えた。まるで万の軍が、同時に拳を放ったかのように、無数の拳が重なって見えた。


 そしてその拳が壁に触れた瞬間、ヒビが入る暇などなく、消滅した。文字通り、消え去った。そして、この世界は光に包まれた。

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