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期末テストへ勉強会

お久しぶりです……!長らくリアバタ等でこちら更新止まっておりましたが、ちょこちょこと再開させて頂きます(*´ω`*)よろしくお願いしますー!

学園は二期制。よって長期休みは夏休みと春休みのみ。試験はそれぞれの学期末のみで、学期ごとに習ったこと全てが試験範囲となる。大学と一緒でかなり試験の範囲の対象が広いのだ。試験時期1ヶ月にはもう学生は皆勉強に追われ、修羅場と化しているらしい。


学園に入学し、初めての試験を迎えるセリーヌもその経験をする。試験があと数週間で迫りくるため、生徒たちの授業の態度も真剣で、教室や自習室、図書室などで勉強する学生もちらほら多く見られ始めた。なんとなく、教室がピリピリしていると感じる。

そんな中、一方セリーヌだが、転生前のチートをここで発揮。国語、数学、理科についてはなんの問題もない。少し問題を解いて勘を取り戻せばほぼ満点を狙えるレベルだ。なんと言っても試験問題は高一レベル。ただ心配はやはり地理や歴史だった。どうにもこればかりはチートを使えない。カタカナの羅列にうんざりだし、それに歴史上の国同士の争いも複雑で、覚えにくい。そもそも自分は理系の人間だ、といっそ開き直る。


「ああ……やっぱり全然覚えられないわ……」

「セリーヌ、歴史が苦手なのね。……もしよかったら今度の休みの日、勉強しに私の家に来ない? 歴史ならうちの書物庫にわかりやすい本があったはずだから」

「……えっ! 本当、ラン!?」


教室で項垂れるセリーヌに声をかけてきたのはラン。あれからだいぶ仲良くなって、ついに互いを名前で呼び合うようになり、敬語も取れた。クールビューティーで誰にも靡かない孤高の様な存在であったランとこんな風に友達になれたなんてとセリーヌは感動していたが、それは周りから見たセリーヌも同じ印象だろう。彼女からのお誘いに目を輝かせる。彼女も中々の成績で学園に入学しており、才色兼備。手を差し伸べてくれる姿は女神に思える。

そして早速、週末にルミエール伯爵邸で勉強会を行うこととなった。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「――ようこそ。ルミエール伯爵家へ」

「こちらこそお誘い頂きありがとう」


邸宅へやって来ると、ランが出迎えてくれた。格式ある伯爵家の邸宅は、古めかしくもクラシカルで洗練された美しさが光る。庭園の花も見事で、来るまでの薔薇のアーチはとても綺麗だった。


家長に挨拶をと思ったが、伯爵は不在のようだ。セリーヌはそのままランに勉強会をする部屋へと通される。通された部屋は壁一面に本棚が置かれ、まるでちょっとした図書館のようになっていた。新しいものから、背表紙が少しくたびれたものまであり、歴史的な古書も多そうだ。思わずセリーヌは感嘆の声を漏らす。


「祖父が蔵書が趣味でね。専用の部屋まで作って、今では色々な種類の本が集まってるわ」

「すごい……! 流石ルミエール伯爵家ね」

「歴史書もかなり種類があるはずだから、読みやすいものをチョイスして勉強するといいわ」

「ありがとうラン!」


そうして二人は机について黙々と勉強を始める。ルミエール家の蔵書は堅苦しい歴史書も勿論あったが、わかりやすく噛み砕いた子供向けの歴史書もあったりと実に種類豊富だった。

中には絵本もあり、興味本位で見ていると、セリーヌの背後から影が落ちる。


「ほう……『王と約束のものがたり』か、懐かしいな」


すぐ真後ろからの声に驚くと、絵本を覗き込むように、セリーヌの後ろに髪色が誰かによく似たレモンイエローの非常に整った容姿の背の高い男性が立っていた。


「兄様。何をしにいらしたのですか」

「お茶を出しに。お前に友人ができて連れてきたというからな」


ランが冷たい目で見やると、彼はそう言って持っていたティーポットとティーカップが乗るトレーを持ち上げて見せる。一方彼がランの兄だと知り、セリーヌは慌てて挨拶をする。


「申し遅れましたわ。私、セリーヌ・ランヴァートと申します。本日はお邪魔させていただきありがとうございます」

「ああいい、ゆっくりしていってくれ」


そう言って優雅に無駄のない動きで美しく紅茶を注ぎ、セリーヌとランに出す。


「ランの兄のミエルだ。よろしく、セリーヌ嬢」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


それにしてもランもだが、ルミエール伯爵家は美形揃いだ。お兄様もとても美しい。


「勉強の邪魔になるので戻ってくれますか」

「ああ、そうするよ」


邪険にするランに、大人しく引き下がった兄だが、セリーヌの方をちらりと見て、ああ、と思ったように口にした。


「それを真に受けて勉強しない方がいい。子供用に柔らかく湾曲された話だからな」


流石にセリーヌも、絵本を勉強材料として使いはしない。はは、と引きつりかける笑顔を向けて、去っていくミエルを見送った。一方ランは聞いてすらいない。もうノートに向かっている。悪意は全く感じられないのだが、兄妹合わせて、なかなか少し癖のある人達のようだ。冷たいようなクールな姿はとてもよく似た二人だった。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


いつの間にか辺りはすっかり日暮れ、部屋に差し込む光がオレンジ色に傾いていた。しかしルミエール家の蔵書のお陰でかなり歴史については整理して覚える事ができ、すごく充実した一日だった。セリーヌは改めてランに感謝を伝える。


「今度、夏休みは是非│ランヴァートうちへに遊びに来て。目一杯のおもてなしをするわ!」

「ありがとう。でも今回の夏休みは難しいんじゃないかしら?」

「え?……どうして?」

「知らないの? 王子の婚約者の16のこの年は、夏に妃教育で王宮で過ごす事が決まっているじゃない」


は? そんなの聞いていない。

セリーヌは固まる。まさか本当に知らなかったの? とランは怪訝な様子で眉を顰める。どうやら遥か昔から、この国の伝統で決まっているらしい。

誰だ。そんな決まりを作った奴は。

今度こそ長期休暇は家に帰ってゆっくり羽根を伸ばそうと思っていたのに!

残念ながらここで、セリーヌの夏休み終了のお知らせをされたのだった。

Twitter(更新情報&裏話等)⇒@lululu_mi_k

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