↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強召喚のはずがレベル1の俺でした~でも課金スクロールでボスを倒したら追い返された件~  作者: あおおに


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/37

再びの隠し通路

 それからも、俺は一人でレベル上げに邁進した。

 ノノから声がかかれば、ミラのパーティーにも参加したが、基本はソロだ。その方が魔法や魔剣技を使いやすいし、経験値も入りやすい。

 そして、とあるダンジョンを一人で攻めていた時───。

 俺は、またも隠し通路を発見した。


 思わず、辺りを見回す。

 人影はない。

 マップには地形とモンスターの位置が表示されるが、人間の位置までは表示されないのだ。

 ロロがやっていたみたいに壁を叩いていると、手応えの違う箇所があった。そこをいじると、ガコンという音とともに隠し通路が口を開く。

「来た来た」

 前回は、パーティーで山分けをして、金貨一枚もらえたのだ。今回はソロなだけに金貨五~六枚はいけるかも知れない。


 それに、ショップで安物の指輪でも買って、一緒に出た事にすれば、金貨十枚とかも狙えるんじゃなかろうか。

 俺は捕らぬ狸の皮算用をしながら、隠し通路を進み始めた。

 マップには、赤い光点がいくつか見えている。

 他のパーティーが通路に気づく前に、モンスターたちを殲滅して、宝箱を開かねばならない。


 隠し通路の中は、思ったよりも広かった。

 人ひとりがやっと通れる抜け道、みたいなものを想像していたのだが、実際には普通の通路より少し狭い程度で、天井も高い。壁にはうっすらと青白い鉱石が埋まっていて、松明がなくても進めるぐらいには明るかった。


「いかにも宝箱ありますって感じだな……」

 などと呟いた直後、マップ上の赤い光点がこちらへ近づいて来る。

 現れたのは、氷をまとった狼のような魔物だった。 フロストウルフ。 数は二体。

 今の俺なら、正面からでもやれる。


「アイスボルト!」

 指先から放たれた氷の矢が、一体目の顔面に突き刺さる。 怯んだところに踏み込み、俺は剣へ魔力を流し込んだ。

「ブレイド!」

 剣身の周りに、半透明の刃が重なる。 実際の刀身より一回り長い、魔力の刃だ。


 フロストウルフが跳びかかって来た瞬間、俺は横へ半歩ずれながら剣を振り抜いた。 手応えは軽い。  けれど、魔力の刃は確かに狼の胴を裂いていた。

「よし!」

 続けて二体目。 こちらは距離を取ろうとしたが、逃がすつもりはない。


「アイスボルト、もう一発!」

 足元を狙って撃ち込む。 氷が弾け、フロストウルフの前脚が凍りついた。 そこへ駆け寄り、ブレイドを展開した剣で首筋を叩き斬る。

 モンスターは黒い霧になって消え、小さな魔石を残した。


「ふう……。だいぶ慣れて来たな」

 実際、俺は少しずつ強くなっていた。 魔法も、魔剣技も、戦いながら使えるようになって来ている。

 もちろん、調子に乗るつもりはない。 この世界で本当に強い奴がどれだけいるのか、俺はまだ知らないのだ。


 通路の奥へ進むと、さらにスライムや小型のゴーレムが現れた。 スライムはアイスボルトで核を撃ち抜き、ゴーレムはブレイドで関節を狙う。 真正面から力比べをすれば厳しい相手でも、弱点が見えていれば何とかなる。

 そうして赤い光点をすべて消した頃、俺は通路の突き当たりに辿り着いた。


 そこには、石台の上に宝箱が置かれていた。

「……来た」

 思わず喉が鳴る。

 前回の隠し通路で出た宝は、かなりの値段になった。 今回は独り占め。 しかも、うまくやれば水増しも出来る。

 俺は慎重に宝箱へ近づき、罠がないか確認する。  


 剣の鞘で軽く箱を突き、反応がないことを確かめてから蓋を開けた。

 中に入っていたのは、小さな布袋。 その中には、指輪が一つ収まっていた。

「指輪か……!」

 鑑定能力があるわけではないので、効果は分からない。 だが、こういう宝箱産の装飾品は高い。

 ゲーム通りなら、能力値を上げる指輪の可能性が高い。


「……二つ出たことにしよう」

 メニューを開く。 ショップ機能。 そこに並んでいる初心者向けアイテムの中に、銀貨一枚で買える安物の指輪があった。

 力+1の指輪。

 ゲーム開始直後なら、ちょっと嬉しい程度のアイテムだ。 この世界でどれほどの価値があるかは分からないが、少なくとも普通のアクセサリーよりは高く売れるだろう。


 俺は銀貨一枚を消費し、その指輪を購入する。

 手のひらに現れた二つ目の指輪を見て、思わず口元が緩んだ。

「宝箱から指輪が二つ。うん、自然だな、自然」

 自分で言っておいて何だが、かなり怪しい。 けれど、宝箱の中身なんて確認した者はいない。 隠し通路を見つけたのも、宝箱を開けたのも俺一人だ。


 問題は、欲をかきすぎて目立つことだが……。

「まあ、金貨十枚ぐらいなら許容範囲だろ」

 そんなことを考えながら、俺は指輪二つを懐にしまった。

 その時だった。

 背後の通路の方から、複数の足音が聞こえて来た。



読んでいただいて、ありがとうございます。

こんなお話でも面白いと思って下さったら、『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしてポイントを入れてもらえたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。