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最強召喚のはずがレベル1の俺でした~でも課金スクロールでボスを倒したら追い返された件~  作者: あおおに


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マップの真骨頂

 またも、ノノのパーティーと行動する日がやって来た。

 これが終われば、ノノからセルティの情報がもらえる筈だ。

 彼女の美し過ぎる顔を思い出す。鈴を転がす様な心地良い声を思い出す。俺をかばおうとしてくれた細い背中を思い出す。

 恋心なのかは分からない。

 ただもう一度、彼女に会わなねばならなかった。


「アイスボルトの事、喋って良いんだな?」

 ノノが確認して来る。

「ああ。その方が、動きやすい」

 俺は、盾役とスカウトの二人にも、アイスボルトの件を伝える事にした。既に習っていたものがレベルが上がって使える様になったという話は、ちょっと不自然かも知れないが、これでパーティー戦に貢献出来る様になる筈だ。


 場所は、前回とは違うダンジョン。

 前回のダンジョンは、まだ変異種の調査中らしい。

 やはり岩肌にぽっかり開いたダンジョンに、俺たちは入って行く。なんとなく言葉数が少ないのは、変異種の恐怖を忘れられないからか。

 中は、高さも幅も四~五メートルある洞窟状の通路で、時折分岐のある、ダンジョンの典型的な形だった。出て来るのは───。


「足音。一つ!」

 スカウトの少女の声の後に現れたのは、体長二メートル程のトカゲだった。

「気をつけろ。毒を吐くぞ!」

 ミラの注意を耳にしながら、俺はアイスボルトを発射した。

 顔面に命中した氷弾に、怯むトカゲモンスター。そこにミラが踊りかかり、首に剣を突き立てる。

 トカゲモンスターは身を仰け反らせると、光の粒子となって消え去った。


「魔法使いと組むのは初めてだけど、こんなに楽になるのか……」

 盾役の男がつぶやく。

 本来なら、毒を受けるのを覚悟して、盾役がトカゲを抑えないといけないところだ。それが、魔法一発で動きを止めてしまった。盾役としては、肩透かしを食らった気分なのだろう。

「いつも、今みたいに上手く決まるとは限らない。油断はしてくれるなよ」

「ああ」

 ミラの言葉に、盾役の男は頷いた。


 次に現れたトカゲも、俺のアイスボルトを胴体に受け、動きが鈍ったところをロロが切り刻んで倒した。

「もしかして、ローテーションを組んでトドメを刺してる?」

「ああ、そうだ。そうしないと、レベル差が広がってしまうからな」

「ちなみに、みんなのレベルはどれぐらい?」

「みんな、レベル十をいくつか超えたぐらいだ」

「うわー、まだみんなの半分以下か」

「しかも、レベル八ぐらいから上がりにくくなるぞ」

「うへぇ」


 ロロの次は、盾役の男、そはの次はスカウトの少女、最後に俺がトドメを刺した。俺はレベル六になった。乱戦になったら、ローテーションは気にしなくて良いらしい。

 パーティーは調子良く奥に進んで行く。

 俺のMPも、一戦にアイスボルト一発程度だと、問題なかった。移動中に自然回復して、ほぼ満タンを維持出来ている。

 進んだダンジョンのルートは、スカウトがしっかり把握している様だ。俺のマップもあるので、これは二重に安心である。


 と、そのマップに変な表示が出た。

 まるで、壁の向こうに通路が繋がっている様な───。

 俺は、何の変哲もない通路の壁を見つめて、足を止めてしまっていた。

「リョウマ、どうした?」

 気づいたミラが鋭い声を飛ばして来る。

「あ、いや、なんか、ここが変な気がして……」

 さすがにマップの事は明かせないので、上手く説明が出来ない。俺はあやふやな言葉を紡ぐしかなかった。


 が。

「どれどれ」

 ロロが即座に出て来て、壁を調べ始める。

「こいつのカンは馬鹿に出来ねぇよ。もしかしたら、隠し通路が───」

 と言ったところで、ロロの動きが止まる。

「───本当にあったかも」

 その手が壁の何かを触ると、ガコンという音とともに、壁が横にスライドした。


「え、嘘だろ。こんな浅層で隠し通路だと」

「あったもんは、しょうがねぇ。ミラ、行くだろ?」

 そう言いながら、ロロの目は俺を見ていた。また、ツッコまれそうだ。

「各自、装備の点検をしろ!」

 ここで闇雲に飛び込んで行かないのが、ミラの良い所である。

 みんなの点検が終わると、ミラを先頭に隠し通路に入った。


 恐らくは、誰も入った事のない通路だ。

 どんなモンスターがいるのか分からない。また、変異種の事が頭に浮かぶ。背筋をイヤな汗が流れる。

 が、マップの表示は、五十メートル程で行き止まりになっていた。赤い光点もない。

 しばらく行くと、マップ通りに通路はただの壁に行き当たった。

 が、その行き止まりに───。

「宝箱か、これ!?」


 木製だが、造りの美しい箱が一つ置かれてあった。

「は、初めて見た」

「こんな物が残ってるなんて……」

 ロロとスカウトの少女が箱を調べる。

「鍵はかかっていない。罠もなさそうだ……開けるぞ?」

 いつも斜に構えているロロの声が、微妙に震えている。

 俺の心臓も、バクバクいっていた。


 箱の蓋が開かれる。

 中に入っていたのは、青い液体の入った小瓶が一本───だけ。

 なーんだ……。俺の胸中に失望が湧いた。

 しかし。

「これ、中級ポーションじゃないか?金貨五~六枚は、するぞ」

「えぇっ!?」


 マップ君、大きな当たりを引いてくれた様である。

 

 

読んでいただいて、ありがとうございます。

こんなお話でも面白いと思って下さったら、『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしてポイントを入れてもらえたら嬉しいです。

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