表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い百合  作者: 森本有介
第五章時を埋める

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/36

第五章時を埋める 第四節「満月の夜」

二十八年という長い時を越え、ようやく二人の想いが重なります。

幸せとは何か――その答えが、静かな満月の夜にありました。

そして僕は、幸せだ。


本当に、今、人生で一番、幸せな感じがする。


アナスタシアに、アンナに、エリナ、みんな大好きだ。


この幸せが、ずっと続いてほしい。


死ぬまで続いてほしい。


何万回生まれ変わっても、続いてほしい。




神様、お願いです。僕の、この、小さな願いをかなえてください。




そんな、取り留めも無いことをずっと考えていると、アナスタシアが戻ってきた。


僕の左隣に座る。


白いシルクのパジャマを着て、ほおを紅潮させている。



化粧は、きれいに落としているが、その美しさは、変わらない。



いや、むしろ、この方が美しい。



僕だけにしか見せない、特別な顔。



本当の顔。



確かに、昔と比べ、肌はくすみ、目尻に小じわも出来てはいるが、それでも尚、美しい。


いや、それさえもいとおしい。




世界で一番、好きな顔。




アナスタシアは、僕の手を取り、自分の唇に近づけ、そっと僕の手の甲に唇をあてた。


そしてそのまま、僕の指を自分の頬にわせた。




「好きよ、ゆうちゃん。もう、あたしを一人にしないでね」




その夜、僕たちは、二十八年ぶりに夜を共にした。



窓の向こうには、美しい満月がのぞいていることも知らずに。



第五章「時を埋める」も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

次章では、新しい家族として歩み始めた四人の日々を描いていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ