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第四章新しい家族 第六節「笑顔という宝物」
どれほど時が流れても、笑顔は人の心を温めてくれる。
四人で笑い合えた、その時間こそが、何よりの宝物だった。
「いや、それは……、やっぱり、今、作ってくれるなら、出来立ての方がいいよ」
僕が、慌てて、取り繕うように言うと、みんなが大笑いした。
テーブルの上の蝋燭の炎が、笑顔をやさしく照らす。
「もう、しょうがないんだから。これから出来立てのおいしい料理を、たくさん作ってあげるわね」
その、冗談めかし、過剰な抑揚が付けられた言葉から、アナスタシアの優しさと温かさ、嬉しさが伝わってきた。
二十八年の歳月を越えて……。
「うん」
僕とアンナとエリナの三人が、声を揃えて言う。
僕につられて、アンナとエリナまで思わず返事をしたので、みんなそれに気づいて、また、大笑いした。
その笑いが、夜のトビリシの静けさに溶けていく。
家族の温かさが、僕の心の奥に、じんわりと沁みていった。
何気なく笑い合える時間こそ、何より大切な宝物なのかもしれません。
次回、二十八年越しの想いを込めて、四人は未来へ乾杯します。




