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王妃様の副業  作者:
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状況把握 3

苑王の怒りの篭った声にも堪えた様子を見せず彪流たけるは軽く肩を竦めて受け流す。その態度に苑王の顔が表現できないぐらい怖いものに変わり、彼ら二人を除く全員の顔色が一気に悪くなった。

確実に気温が二・三度は下がった。発生源である苑王はもはや我慢ならんとい言った感じで先ほどまでの冷静さを投げ捨てたように感情をむき出しにしていた。


その横顔を見ながら凪は何か言いようのない違和感に首を傾げた。


どこがどうとハッキリとは言えない。言えないのだが妙な違和感を今の苑王から感じるのだ。

彪流が来た事により地が出ている、そう、見える。凪だってそのせいで違和感を感じていると最初はそう思った。

だけど、違う。理由は分からないが先ほどまでの苑王と今目の前にいる苑王とは何かが「違う」と理屈ではなく本能が囁いていた。


「う~~ん?」と唸る凪をよそに彪流は笑いの残った顔のまま部屋の中に入ってくる。


「はぁ~~~笑った笑った」


ニヤニヤと笑いながら部屋に入ってきた騎士は不機嫌そうに睨みつけてくる己が主にやはり楽しそうな笑みを浮かべ、地面に伸びかけていた楼に苦笑いし、そして凪の隣にいる少年を見てヤレヤレとやはり苦笑い。そしてベットに眠る少年に目をやり………。


「………」


信じられないぐらい冷めた目で見つめていた。見ている凪がぞっとするぐらい冷たい視線だった。すぐすぐに視線を逸らし、幻のように冷たさは消えてしまった。


「…………お話は聞かせていただきました。いいじゃないですか。王妃様にこちらの子供たち、面倒見てもらいましょう」


「!彪流、おまえ!」


あっさりと凪の言い分を認める発言をした彪流に苑王が目を剥く。凪の方もどうして彼が味方をしてくれるのか分からず思わず彪流を見る。

だが、笑う彼から何の思惑も読み取ることができなかった。

彪流はゆっくりと言い聞かせるように言葉を続ける。


「何か問題でもありますか?王妃さまは外向きは病気療養で外に出られていない。それに………今、王妃の間で生活はされていない。『お飾りの王妃さま』が現在住まわれている部屋でなら子供二人ぐらい世話できますよ?」


まぁ、色々誤魔化しは必要でしょうけどと呟く彪流の胸元を苑王が掴んだ。燃えるような怒りがその美しい顔に浮かべつつ拳に血管が浮かび上がるぐらい強く彪流を掴み上げる。彪流の顔がかすかに苦しそうに歪んだ。


「っ!」


「落ち着いて!」


息を飲む凪と静止の声をかける少年を無視して苑王は射殺さんばかりの目で彪流を睨む。

殺気すら篭ったその眼差しに彪流から笑みが消え、真剣な表情に変わる。


両者はしばし睨み合った。


「彪流、お前………何を考えている」


低く、怒りを堪えた苑王の声に騎士は軽く目を細め冷たく言い放った。


「貴方こそ何を抗おうとしているのですか?」


「っ!俺は!!」


痛い所を突かれたのか苑王が辛そうに顔を歪めた。


「抗ったところで「変えられない」ものがあることを理解してらっしゃるはずです」


悔しげに苑王が黙り込む。するりと腕が解け、力なくたれた。




シリアス全開の二人のやり取りに取り残された人々はひそひそと小声で語り合っていた。


「………えっと、何でしょうね、このドシリアスな空気は」


「お子様達を王妃さまが面倒見るってだけの話なのに無駄にシリアス空間作ってますよ。あの二人」


「あそこまで深刻になる必要がある話題?これ?っていうか別の話題も混じってそうだけど……」


「私がこの子達の面倒を見ることのどこにシリアス空気を生成する話題が混じる要素が」


凪と楼と少年がひそひそひそと小声で隣に形成されたシリアス空気について語り合っているが残念ながら話し合う声が丸聞こえである。


証拠に彪流は再び面白そうに三人を見守り、苑王に至っては先ほどとは別種の怒りに満ちた表情で拳を震わせていた。


「…………おまえら………」


「「「ふぇ?」」」


見上げれば口元を引くつらせ、拳を振るわせる苑王の姿。これはやばいと全員が思ったが時はすでに遅かった。



苑王の特大雷が落ちるまであと三秒。


シリアスブレイカ―が潜んでいたようです。変なオチですいません。

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