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第二話 名前を知った朝



〈心蝕を用いた襲撃事件。討伐機関が関与した女を処刑〉


仕入れの荷物と一緒に届いた新聞を、開店前の机で広げていた。この頃は、心蝕による事件も珍しくない。

心蝕は、魔力暴走の一種だとされている。身体の外へ異常な力が現れ、ときには本人にも制御できなくなる。

近年の多発について、神殿ギルドは魔王の残滓が人々の魔力に干渉しているためだと発表していた。

不調があれば神殿へ。暴走や、心蝕を使ったテロ行為への対処は討伐機関へ。そのために、人命を奪う判断まで認められている。

紙面をめくりかけて、小さな顔写真が目に入った。

髪型も、頬の様子も記憶とは違っていた。それでも、何度も夢に見た顔だった。

「あのときのお客様……」

私は記事へ目を戻した。

神殿ギルドで保護を受けていた女性が、街で起きた襲撃事件に加担した。心蝕によって通行人を負傷させ、討伐機関が出動したという。

記事の最後には、女性を処刑したと書かれていた。

写真の下に、名前があった。

私が初めて知ったその人の名前は、襲撃者として載っていた。


「エルナ。」

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