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放浪魔女ソ・ウンジェ  作者: ソ・ウンジェ
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016 OLIVE YOUNG

「入った」


アプリで口座残高を確認したソ・ウンジェの口元に、笑みが浮かんだ。


「五百万ウォン!!!」

「待って」

「何?」


ナビの深刻な口調に、ウンジェはまた何か問題が起きたのかと不思議そうな顔をした。


「対策を立てよう。登録者は何人?」

「五百くらい?」

「広告で稼ぐには千人と、他にも条件がある。まだ待つ必要があるね」

「それで?」

「バイトもプランBとして考えるが、もっと大事なのは支出を減らすことだ」

「何???」


ウンジェの表情がひどくゆがんだ。


「これ以上、何を減らすのよ?」

「まず配達とスクイーズを禁止する」


ウンジェの表情は、ゆがむどころではなくなった。


「ね、猫のくせに、何様!!」

「放っておけば金を使い、太り、何も残らず、肉体を取り戻すどころか、社会に一ミリも役立たないデブの引きこもりになる君。その運命を切り開く、尊い道案内様だよ」


引きこもり。

デブ。


重い事実のミサイルがソ・ウンジェを直撃すると、ウンジェはその場に座り込んでしまった。


「ひどすぎる……」

「いくつか規則を守れば、残高も健康も守れる」

「規則?」


ナビはその場で規則を書き、ウンジェのカカオトークに送った。


――カトーク!


「こんなこともできるの???」


そこには五つの生活規則が、びっしりと書かれていた。


――毎日走る。距離は体力に合わせる。

――食事は一日一食。献立はナビが決める。

――配達は土曜に一度だけ。

――玩具購入は禁止。動画が一万再生を超えたら一度許可。

――その他の支出も、事前にナビの承認を得る。


「あ、あなた……何様! 受け入れると思う?」

「拒否すれば、デブの引きこもりになる時期が早まるだけだ」

「独裁者の猫め……」


そのあと、ウンジェの口答えを伴う反乱の試みが長く続いたが、結局はナビの定めた規則に従うしかなかった。


「人生の意味が消えた」

「これだけで生活費はかなり浮くし、健康も守れる」

「頼んでないけど……」

「自分の体でなくても、大事にしよう」


しょげているウンジェを見て、ナビは別の話を切り出した。


「他にも計画がある。五百万で投資を試す」

「投資?」

「経済の複雑さが、チャンスかもしれない」

「スクイーズは駄目で、あなたは五百万使っていいの?」

「ある。確信。株、債券、コイン、デリバティブをずっと分析していた。自動売買を構築し、収益を最大化するアルゴリズムを作れそうだ」

「何の話?」


ナビは笑うように、にゃあと鳴いた。


「五百万が五千万になるかもしれない」

「魔法で????」

「これこそマジックだよ」


------


「でも今日、お金を使わないと」

「何?」


ナビの耳が後ろに倒れた。生活規則を決めてから、まだ十分も経っていなかった。


「ウニョンとソヒに会う。着る服がない」

「今のは?」

「寝間着」

「昨日のは?」

「ジャージ?」

「走った服は?」

「気高い乙女の約束に、パーカーで行けと!!!」


ナビはしばらく言葉を失った。


「出かける気さえあれば、何でも外出着じゃない?」

「じゃあ何で毛を舐めるの。埃まみれで生きれば?」

「全然違う」

「まったく同じ!」


ウンジェはクローゼットを開けた。数本のハンガーが頼りなく揺れた。叔母が買ってくれた服と、ネットで注文した楽なジャージのズボンがすべてだった。


「二年ぶりなんだよ。生きてるのはニュースで見たし、実物も元気だと見せなきゃ」

「それはそうだけど」

「よし、承認」


ウンジェはナビが次の言葉を口にする前に、ダウンを手に取った。


------


〈服を買うんじゃなかった?〉


ウンジェがOLIVE YOUNGの入口で足を止めると、あとからついてきたナビのテレパシーが聞こえた。


「見るだけ」

〈そう言って手ぶらで出たことある?〉


ウンジェは答えずにガラス戸を押した。明るい照明の下に、化粧品がびっしり並んでいた。入口の割引案内を見た瞬間から、ウンジェの歩みは速くなった。


ナビは店内までついていかず、ガラス窓の外に座った。


〈目つきが変わった〉


ウンジェは両耳にAirPodsをつけた。


「電話のふりするから、話していいよ」

〈買わずに出ればいい〉

「日焼け止めは必要。毎日外へ走りに出ろって」

〈家のは?〉

「ない」

〈それは買って〉


ウンジェはすぐに買い物かごを手に取った。


〈なぜ籠まで?〉

「手だと落とす。無駄遣いを防ぐ措置」


日焼け止めを一本入れたウンジェは、自然に隣の棚へ移動した。手の甲でティントの色を一つずつ試しながら、首をかしげた。


「きれい」

〈唇は赤いのに、なぜ赤を足す?〉

「足裏があるのに、なぜ靴を履く?」

〈何というたとえ……〉

「完璧だよ」


いつの間にか、手の甲には六本もの赤い線ができていた。


〈全部同じ色だ〉

「コーラル、インディアンピンク、ドライローズ」

〈なぜ薔薇を干して唇へ?〉

「無知な猫だな」


ウンジェは二つ手に取ったが、値札を見て一つ戻した。少し考えてから、戻したほうをもう一度取り、もう片方を戻した。ナビは窓越しにその一部始終を見ていた。


〈一つなら認めよう〉

「二つで二千引きだよ?」

〈一つなら八千節約できるだろう〉


ウンジェの手が止まった。


「唯一の家族の金銭感覚が、こんな程度とは……」

〈一つ〉


ティントを一つかごに入れると、ウンジェは隣にあった、頬につける商品を手に取った。


〈何?〉

「チーク?」

〈何に使う?〉

「頬を赤く」

〈走れば赤くなる〉


ウンジェは黙って商品を戻した。反論する言葉が見つからない自分が悔しかった。


そうしてようやくレジへ向かいかけたウンジェが、また立ち止まった。小さな化粧品の横に、手のひらほどの人形がついていた。


「ナビ」

〈駄目〉

「まだ言ってない」

〈聞かなくても分かる〉

「化粧品を買うと人形がつくの。玩具を買うんじゃない」

〈化粧品は必要?〉

「人形が必要」


ナビは答えなかった。ウンジェも、それ以上は言い張れなかった。


会計を済ませて出てきたウンジェの手には、小さな袋が一つあった。ナビは袋とウンジェの顔を交互に見た。


「いくら?」

「三万ちょっと」

「日焼け止めだけだったろう」

「ティントも買うって言った」

「服はまだだし」

「心が煮干しのふんほどしかないね」


------


服屋の前に着くと、ウンジェはナビに指を一本立ててみせた。


「ここでは必要なものだけ」

〈さっきも言った〉


ウンジェは入口に掛けられたニットに触れた。柔らかかった。鏡の前で体に当ててみると、色も気に入った。


「どう?」

〈着られそう〉

「かわいいかって」

〈裸よりいいだろう〉

「お金だけ計算してて」


ウンジェはニットを腕に掛け、ズボンを選んだ。今まではいていたものよりウエストが楽なものを探しているうちに、二本が手にあった。


〈一つ〉

「試着するの」

〈ああ〉


試着室に入ったウンジェは、ニットを着て鏡を見た。パーカーを着ていたときとは、確かに違った。髪も手でざっと整えると、なかなか外出する人らしくなった。


ところが、ズボンが問題だった。


「くそ」

〈なぜ〉

「くそっ……サイズ、小さ……」

〈臭い?〉

「ズボンが小さいの! 何言ってる!!」

〈大きいサイズを着ればいい〉

「そんな簡単な問題じゃない」


ウンジェはボタンとしばらく格闘した末、結局ズボンを脱いだ。外に手を伸ばし、店員に一つ上のサイズを頼む声は、さっきより小さかった。


新しいズボンのボタンは、楽に留まった。悔しいくらい楽だった。


「買ったら負けた気がする」

〈誰に〉

「ソ・ウンジェに」


着替えて出てきたウンジェは、ニットとズボンをレジに置いた。二着の値段を聞くと、少し唇を噛んだ。


〈必要な服だろう。それくらい買って〉


意外な許可に振り返ると、店の外でナビが前足をそろえていた。


〈友達に会うんだから〉


ウンジェは少し黙ってから、笑ってヘアピンを手に取った。


〈下ろして〉

「感動が三秒ももたない」


------


帰り道、ウンジェは何度も袋をのぞいた。人の少ない場所に入ると、ナビに話しかけた。


「これなら患者には見えないよね?」

「もともと患者から程遠い姿だよ。太ったんだから……」

「それじゃなくて」


ウンジェは少し歩みを緩めた。


「かわいそうって見られると、むかつきそうで」


ナビはウンジェを見上げた。さっきまでティントの色やズボンのサイズで騒いでいた顔が、少し静かになっていた。


「君を見に来るんだ。服じゃない」

「分かってる。でも」


ウンジェは買い物袋の持ち手を握り直した。


「かわいければ、気分がいい」


ナビはそれ以上追及しなかった。代わりに、ウンジェのスマホから通知音が鳴った。


――カトーク!


[本日の支出]


ウンジェは画面を見て、顔をしかめた。日焼け止め、ティント、ニット、ズボンの値段が、一行ずつ整理されていた。


「わざわざ送る?」

「使った額は知るべきだ」

「会う前から気分を台無しに」

「でも今日は、無駄なものは買わなかったね」


その言葉に、ウンジェは一瞬ためらった。ナビも足を止めた。


「何?」


ウンジェは買い物袋の奥から、小さな包みを取り出した。レジの横で手に取った、猫型のヘアピンだった。


「似てるね」


ナビが目を細めた。


「ばか。下ろせと言った」

「会計してもらおうと出したら、下ろせって。だからレジに下ろした」

「ふざけるな!!」


ウンジェは笑いながら、ヘアピンを耳の横に留めた。


「かわいい?」

「返品して」

「あなたの顔なのに」

「じゃあ肖像権料を払って」


ウンジェはヘアピンを留めたまま歩みを速めた。ナビがそのあとを追った。


「肖像権料」

「口座もないくせに」

「君の口座で受け取ればいい」


ウンジェは呆れたように振り返った。


「いかにも猫の発想。自分の口座にお金を入れるのは、貯金と呼ぶことにしたんです」



[お知らせ]


フィクション

洗脳

誤解


https://www.youtube.com/@WESTEUNJAE

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