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アラサー中年冒険者ランクEのオレに、自称ランクBの少女が突然に妻となり、困り申した  作者: えん@雑記
二章

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034 妻は男装をする……

 劇的な再会をしたマルク達は、お互いの情報を交換するために馬車を移動させた。

 森の街道から、トットマ達が今朝まで居たという野営地の場所へ。

 馬車は合計三台である、トットマ達が二台、マルク達が一台だ。

 それぞれ馬車を止め大きく踏み慣らされた広場へと降りる。


「とりあえず、色々話したい事があるんですが、お昼を先にしませんか? 一緒に食べましょう」

 喋るのは金髪のリーダー、トットマであり、マルクもそれに賛同した。


 簡単に作られた石カマドの上に鉄製の網を置き、肉や野菜を焼いていくミイナ達。

 その匂いで、思わずラーミもよだれが出る。

 次に、マルク達も網の上に残っていた食材を乗せていった。

 その間にミイナ達女性人が、馬車から酒を出し全員分のコップへと注ぎ手渡してきた、全員の手に酒とジュースの入ったのを確認したトットマは、代表して喋る。


「とりあえず、再会記念に」


 全員がコップを軽くぶつけ合う。

 トットマ達が持ってきた酒を皆で乾杯したのだ。

 マルクは、トットマの隣へ行き、話したい事というのを聞いてみる。


「オレ達に用事があったのか?」

「ええ」


 トットマは他のメンバーを見た後にマルクへと顔を向ける。

 他のメンバーはそれぞれに昼食を取り始めていた。

 ミィ姉さまー、お肉何個焼きますー。

 トット、炭はどこに置いた?。

 ミイナ。ユリと連れて水汲みにいってくるわねぇ。

 などなど。


「俺達は、数日間子供達と、薬草採りをしてました。

 マグナに帰ると、僕らの泊まっている家にギルドマスターの使いの人が来ていて――」


 トットマ達がギルドマスターのファに呼ばれた。

 何事かと思い直ぐにギルドへと行くと、ギルドマスターの部屋で一枚の命令書を見せられた。

 内容は、ラーミを保護し速やかに護送する事。

 マルクの冒険者資格を剥奪した事。

 マルクは誘拐の容疑で手配した事。

 ギルドマスターのファに対する不信任案を提出した事などが、書かれていた。


「それは、凄い怒りようで……。

 ギルドマスターが、直接殴りに行くぐらいの剣幕でして。

 でも、『私がこの命令書を作った奴を殴っても解決しないだろう』って、代わりに謹慎処分を解除するから俺達を送ったんです」


 マルクが驚いていると、トットマはもう一つと、喋りだした。


「シスターアンの家の子の事ですが、違う冒険者をつけると言っていました。

 人選はギルドマスターらしいので大丈夫と思いますよ」


(あのギルドマスターの言いそうな事だな……。こちらの事情を知っているなら話して大丈夫そうだ)


 マルクは、ミイナ率いる女性人から野菜も食べなさい攻撃を受けているラーミを見てから話し始める。

「では、ラーミは忙しいみたいだから、オレが話そう――」


 ムツナイでの仕事内容は明かさず、旅の旅費を作るのにムツナイで仕事をして、王都へ着いたまでを話す。

 そこで、突然捕らえられたが、ラーミが切れて逃げた事、そして逃げた先でトットマのパーティーと合流した事を話す。


「そうでしたか、ではまだ街には……」

「ああ、入れてない」

「話は終わりましたかっ?」


 口をもごもごさせたラーミがマルクの隣へと戻ってくる。


「大体終わった。

 トットマ達はギルドマスターの命令でオレ達を助けに来てくれたらしい」


 トットマは直ぐに意見を言う。


「命令じゃなくてもきますけどね」

「すまない」

「なるほど、なるほど。

 では、私達が王都へ入る作戦もあるとっ。

 馬鹿みたいな事をいう奴をぎったんぎったんに殴りたいですね」

「ええ、まぁ……」


 それまで自信たっぷりに話していたトットマが歯切れが悪くなった。

 マルクとラーミの周りには、いつの間にか女性達がいる。


 守る事が得意な長身の女性、短髪赤毛でぶっきらぼうな喋りのアケミ。

 槍が得意で、胸が大きく、肩まであるピンク髪のマイコ、今はベタベタとマルクの背中を触っている。

 弓が得意な青髪のユリ、先ほどから一言も喋らずにマルクの服を小さく掴んでいる。


(嫌な予感がする)

「な、何をするんだ……」

「あの、私のほうにも近寄ってくるんですけど……」


 そういうラーミの所には、黒髪の魔法少女AとB事双子のハルカとナッチ。

 それとマルク達に家を提供してくれた、透き通る銀髪のフォーミンが、ラーミを囲んでいる。

 それぞれ、マルクとラーミを捕まえ離そうとしなかった。

 

 トットマが申し訳なさそうに喋る。

「マルクさん、俺は一応反対はしたんだ。

 その、我慢してくれ……」


 トットマの悲しい発言に、ミイナがクスクスと笑う。


「じゃ、皆頼んだわよ」


 二人を逃がさないようにしている六人が元気いい返事をすると、それぞれの馬車へ二人は引っ張られた。

 マルクもラーミも、わけもわからず連れて行かれる、わかる事は二人のために何かをするという事で、逃げようにも逃げれない事だけである。

 トットマがその馬車を可哀想な目で見ていると、中からマルクの悲鳴やラーミの悲鳴。

 さらには、笑い声やあえぎ声なども聞こえてきた。


 トットマは成るべく聞かないようにして、ミイナと食事をはじめた。

 暫くすると、馬車の中が静かになった。

 それぞれの馬車から出てくる六人。

 ラーミはマルクの姿をみて、腹を押さえて笑うのを我慢していた。


「ラーミ、いっその事声を出して笑ってくれたほうが助かる」

「で、でもですねっ。

 ごめんなさいっ、あっはっはっはっはっ」


 マルクの今の格好は、長い黒髪のカツラをかぶった女装した男になっている。

 顔の伸びてきた髭や無駄毛をそり、肌色の化粧をした後に、赤い口紅をしていた。

 服装も、スカート付きの大きなワンピース、胸には大きなクッションを詰め込んだブラジャーまでもしていた。


「ラーミのほうは、案外似合っているな……」

「ひ、酷くありませんそれ? 男装ですよ、男装っ」


 褒めたつもりが、ちょっと不機嫌になったラーミの格好はというと。

 髪はこちらもカツラで短髪の黒髪だ。

 胸を丈夫な布で締め付け布の服、その上から革の軽鎧を来て長剣を腰に差す。

 小さいが剣士に憧れる見習いの男の子といった所だ。


 女装したマルクが、アケミへと質問する。

「本当にこの格好じゃなきゃだめなのか?」

「マルクさん、街中ではボロが出ないように余り喋らないほうがいい」


(ぐ……。この格好でなければだめなのか、下半身がスースーして違和感を感じるし、これでは走れないではないか)


 ミイナは、マルクをみて頷くと、大人組みのほうへ顔を移す。


「アケミ、もう少しピンクの口紅なかった?。

 あと、手足も無駄毛が見えてるし……、やり直しっ。

 私も調整に入りますね」

「なっ。ま、さらに……?」


 マルクの隣にいたアケミが、マルクの肩に手を置く。

「悪いね、ミイナは一度言い出したら聞かないからね」


 ミイナは直ぐにマルクの手を親しげに引っ張る、行き先は先ほどの馬車。

 普段のラーミならそれを見て、やきもちをしそうになるが今回は可哀想という気持ちしか、出てこなかった。 


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