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(仮)総長

「オラアアアァァァ!」


 ボコ、ドカ、


 おお、やっぱり魔法で(いた)めつけるよりも拳で殴る方が良いね。手に感触が伝わってくるから爽快感が違う、スカっとするよ。ハハハ。


「うっ・・・う・・・すみばぜんでじあ」


 ボロボロになった男は抵抗することを止め、地面に額を擦りつけて土下座する。服は汚れ顔も汚い。


「ハハ。もう遅いよ。だって君は俺達を裏切ったんだからね。いや、正確には裏切ったんじゃなくて元からスパイだったのか。」


 ボコ、ドゴ!


「うっ」


「おいグレイ。その辺にしとかないと死んじまうぞ。」


 壁にもたれかかり、興味なさげに見ていたキルビーがめんどくさそうに言う。相変わらずクールな奴だ。


「ああ、それもそうだね。それじゃあどうするコイツ?」


 一応この場にいる4人に意見を求める。っていっても壁にもたれてるキルビーは答える気が無さそうだし、ラージはそもそも考える脳みそが無い。脳筋っていうのかな。俺の言うことだけ忠実に従うからいい奴ではあるんだが、頭の悪さがたまにキズ。


「見せしめにパァーっと燃やしとく?ゲヒャヒャヒャヒャ。」


「デルタはもうちょっとマシなこといいなよ。それに笑い方が下品なんだよ。いつもいつも。」


「なんだって??先にシットから燃やしとくか。ゲヒャヒャヒャヒャヒャ。」


「顔が近いんだよ!ただでさえ体毛が濃くて暑苦しいんだから僕に近寄らないでくれ!」


 こちらの2人は仲が良いんだか悪いんだか・・・笑い方が下品なのがデルタで、文句を言ってるのが童顔のシットね。まあコイツらからまともな返事が聞けるとは思ってなかったけど・・・


「はあ~まあいいや、考えるのもめんどくせえ。コイツは今いる3階から放り投げとくってことで。それなら死にもしないだろうし見せしめにもなんだろ。ラージ!」


 ドシドシドシ。


「オラに任せとけ。」


 2メートル越えの大男が、床にうずくまってる男を片手で持ち上げ、窓ガラスに向けてぶん投げた。


 ガシャーン!バリンバリンバリン。


「「あ~~~~~~」」


「ハッハッハッハッハ!」

「死んだ?死んじゃったんじゃないの?ゲヒャヒャヒャヒャ!」



 いやぁ~綺麗に吹っ飛んでったな。指示した俺が言うのもなんだけど、躊躇なく実行しちゃうラージは危険だよね。まあスパイする奴が悪いからあんな奴どうでもいいけど。ていうか見つかる時点で無能すぎるしな。






 ガシャーン!バリンバリンバリン。


「「あ~~~~~~」」



「え?」

「「ええぇぇ~!」」


 なにごと!?いきなり窓ガラスが割れたかと思ったら・・・・人が降ってきたんですけど!!このまま落ちたらケガするよね!?キャッチ?キャッチすればいいんだね!?今こそ中高6年間、野球部のベンチを温め続けた実力を解放する時だ!


 オラーイ、オラーイ、オラーイ・・・・


 バリバリバリ~


「ぎゃああああ!目があああ目がああああ~!」


 窓ガラスの破片がぶっ刺さるううううぅぅ~!


 ・・・


 ・・・って・・・そういえば俺の目はドラゴン仕様なんだった。ハッハッハ、焦って損したわ。落下物をものともせず余裕で男をキャッチする。鈍い音と衝撃が体に響いた。う~む全身がボロボロだが喧嘩でもしていたのだろうか?


 校舎の上を見上げると窓ガラスが割れている。それだけではない、そこから人が笑いながら覗いているのだ。しかもその人物は見たことがあった。確か入学式で新三年生の代表、(仮)総長として挨拶していた人だ。それ以外にも2,3人いることが確認できる。


 ふむふむ・・・これは・・・事件ですね!


 不幸なことに目が合ってしまった。どうやら俺がキャッチしてしまったことが不満らしい。


「おい、レオ!あんまり目を合わさない方がいいぞ。あいつらは3年の総長一派だからな。」

「知ってるのかダックス?」

「逆に知らないのかよ!」

「ああ。」

「総長を筆頭に4人の幹部がいて2年と3年の半分以上を従えてるんだ。何をしでかすか分からないヤバイ奴らって噂だよ。」

「ふっ。だがレオナルドにもたくさん傘下がいるじゃないか。数ではそんなに変わらないんじゃないか?」

 シェイクスが言う。


「うん。でも前にルークも言ってただろ?1年と3年じゃあ戦闘力が全く違うんだ。下手に関わらないほうがいいよ。」


「それもそうだな。」


 3階から人を放り投げる感覚の奴らだもんな。頭がいっちゃってるよ。









「おい、アレって1年の首席じゃないか?」


 入学式で俺の後に新入生代表として挨拶してたもんな。


「ギャハハハハ、キャッチしちゃったよ。つまんね~な~。あ~そういえばアイツ1年全員傘下にしたとかしてないとか。まあヒヨッコなんて何人いても意味ないと思うけど。」


「それだけじゃないよ。アイツの母親は光の勇者のフローラ様って噂になってる。なんでも最近この学校に教師として赴任してきたらしい。」


「へぇ~デルタとシットは情報通なんだな。俺なんて興味無かったから全然知らなかったよ。母親が光の勇者ね。そりゃすごいけど、どうせ名前が独り歩きしたパターンだろ。あまり調子に乗らないように脅かしとくか。俺が覇権を取った後に抵抗されてもめんどくさいしな。誰かここから一発かましてくれ。」


「俺がやろう。」


「!?どうしたんだ?いつも見てるだけのお前が珍しいな。」

「いや、ちょっとな。」

「・・・そうか?まあ、なんでもいいけど。」


「水弾!」


 詠唱を終えたキルビーの指から小さな水の球が連射される。相棒が使える魔法の中でも殺傷能力が高い魔法だ。


 おいおい、ちょっと脅かすだけのつもりだったのに、これじゃあ体がハチの巣になっちまうじゃね~か。お前は俺の次ぐらいに天才って言われてんだから手加減ぐらいしろよ。さっき俺を止めたのはどこのどいつだよ・・・。


「ギャハハハハ、キルビーやるうぅぅ!」


 しかもほぼ真上から撃ち下ろしてんだ、水蒸気で何も見えなくなっちまったけど、こりゃ後始末がめんどくせ~な。オヤジに頼んでもみ消してもらうか。


「え?」

「え?」



 なんでアイツ普通に立ってんだ??思わず二度見してから脳筋のラージと目を合わしちまった。


「おい、どういうことだ?わざと外したのか!?」


「いや、全て狙い撃ちしたつもりだ。」


「・・・てことはキルビーの魔法をいとも簡単に防いだと?」


 そんなバカな!ありえないだろ!


「分からない。」


「何かのトリックだろ。じゃなきゃ説明がつかない。っておい!何かこっちにとんでくるぞ?」


 ヒューン!・・・・・ドシャーン!!ベキベキベキ!








 いきなり何すんだこの野郎!いくらドラゴンに準じる防御力とはいえ水弾なんか撃ち込みやがって!!こそぐったいじゃないか!そっちがその気なら反撃するぞ!これは正当防衛だ!


「水砲弾!」


 水でできた砲弾をお返しとばかりに撃ち込んだ。まあ一発だし爆発するわけでもないから威力はそんなに高いわけじゃないけど・・・


 ヒューン!・・・・・ドシャーン!!ベキベキベキ!



「あれ?」


 下からじゃよく見えないけど天井に穴あいちゃったかも。ハハハハ。また校長に怒られるかも・・・・え?過剰防衛?そんなわけない。


「おいぃぃぃぃぃ!レオ!・・・なにケンカ売っちゃってんだよ~!!」

「え?どちらかというと売ったんじゃなくて、買ったんじゃないか?」

「そんなのどっちでもいいんだよ!問題は敵対行為をとったかどうかだよ!あああ~ここにいる俺達まで目つけられちゃうよ~あ~どうしよう。ってええええぇ誰か降りてきた!」


 ホントだな。てか総長だな。(仮)だけど。あんなところから飛び降りて忍者みたいだ。




「ハハハハ首席君だろ?」

「はあ?なんでしょうか?」

「君、面白いね。魔法を撃ち返してくる奴なんて初めてだよ!おかげで頬が切れちゃったよ。ちなみにさ相手が俺だって分かってて反撃してきたんだよね?目が合ったもんね。」


 お?・・怒ってんのかな?かすり傷程度だけど・・・いや傷の程度じゃなくてプライドの問題なのかな??


「・・・。」

「ハハハハ、まあどっちでもいいや、俺達に敵対したのは間違いないからね。とりあえず落とし前つけてもらわなくちゃ。う~んそうだな。さっき聞いた話によると君には傘下がいるらしいけど、一人でドウラン祭に出場しなよ。一人で。もし言う通りにしなかったら君の大切な人たちがどうなるか保証できないよ。うちは反社会勢力の家系でね。血の気が多い奴ばかりなんだ。じゃあそういうことでよろしく頼んだよ。またね。」


 うおおおおおぉぉぉぉぉ!どうしよう!?


 ・・・あれ?なんでみんな目を伏せてるんだい??ていうか総長が来てから俺と他人のフリしてなかった??シラーっと距離取ってなかった??


 なんじゃこいつら!!



ブックマークポチポチしていただいてありがとうございます!ポチポチ大明神の開祖になろうかと思います。えっへん(@^^@)


もうすぐ総長決めるドウラン祭やります。

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