↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一章完結】人はいつか死ぬ。だから主人公たち、頼むからハーレムエンドになってくれ! ~悪役貴族に転生した俺の全員生存計画~  作者: 水無口 晶紀人
みんなとの出会いと課外授業:4月編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/45

第5話:入学式、そして…

 一夜明けて入学式になった。

 寮から学園までは徒歩5分もかからないが、早めにでることにする。

『なんだか緊張するね。』

『そうか?』

『僕は幼年学校も通ってないからね、初めてなんだよ。』

『初めてなら仕方ないな。』


 前世では小・中・高・大それぞれ経験している。

 まさか5回目があるとは思わなかった。

『問題はその後だ、クラスメイトに向けて自己紹介することになる。』

『それは憂鬱だね…』

『全くだ…』

 実のところただの自己紹介なのはいい、とある理由で憂鬱な気もちになっている。


「おはよ~、ロイくん」

 背後から背中を叩かれる、振り返るとホノカがいた。

「おはよう、ホノカ。」

「今日もいい天気だねー」

「あぁ、絶好の入学式日和だな。」

「えぇ~なにそれ~」

 とりとめもない会話をしながら一緒に歩く。


「これからの学園生活楽しみだね~」

「そうだな」

 好きなゲームの世界で生活をできる喜び半分、これから始まる使命への緊張が半分だ。

 遊びに来ているわけじゃない。


「なんか難しそうな顔してるね?」

 不思議そうな顔でホノカが覗きこんでくる。

 どうやら表情にでていたらしい。

「何か悩み事でもあるの?」

「いや…その…」

 なんでもない、心配してくれてありがとう。

 というべきなのは頭では分かっているが、ホノカに嘘をつくことをためらってしまった。

「うん?」

 小首を傾げている、かわいい。

 天使かな?

 とはいえ、どう返答しようか。


「ホノカさんですか!?ワーデンノール家の!」

 思案していると、後ろから声が聞こえた。

「え?」

「わぁ!本物だ!」「噂以上に美しいですわ」「これから一緒の学園に通えるなんて光栄です!」

 瞬く間にギャラリーが増えた。

 女子だけでなく男子も多い。

 さすがは作中人気No1ヒロイン。

 そのままギャラリーに囲まれ連れ去られていく。

「あれ~!?ロイ君!また後でね~」

 あの状態で俺を気遣う余裕があるのが恐ろしい。


『これが巷で聞くオタクに優しいギャルというものか…』

『なにそれ?』

『俺たちの世界に存在する幻想上の生き物さ。』

『幻想上なのに存在するってなにさ。』

 言っておいてなんだが、ホノカの見た目は言うほどギャルじゃない。

 そもそもギャルってなんなんだろう。

 と立ち止まりながらロイと会話していると、不意に背中に衝撃が走る。


「痛い…」

 振り返ってみると、女の子が転んでいた。

 どうやら俺が立ち止まっているのに気づかずぶつかったらしい。


「すまない、大丈夫か?」

「うん、大丈夫。」

 俺が手を差し伸べると、彼女も顔を上げて俺の手を取った。


「ありがとう…」

「え?」

 目の前にいたのは、『いつしぬ』のヒロインの一人『サラ・ウィンドホーク』だ。

 ふわりと短めの髪に感情を読み取れないミステリアスな表情、磁器のように白い肌。

 そしてエメラルドのような瞳が俺を見つめていた。


「えっと、ごめんなさい…」

「こちらこそ立ち止まって申し訳ない…」

「…」

 お互い沈黙する。

 元々彼女は口数が多くなくこちらも何を話せばいいかわからない。


「サラ!ここにいたのか!遅刻するぞ!」

「お姉様…」

「君はサラの友達か?すまないが、急いでいるんだ申し訳ないが失礼する。」

 そうやってサラを引きずっていく。


「あっ…」

 サラは俺の方を見て何か言いかけていたが、そのまま行ってしまった。

 お姉様と言われた子はたしか、サラの姉のレンだったか。

 攻略対象ではないキャラもちゃんと動いているんだな。

 当然だと思うかもしれないが、ゲームファンとしては感慨深い。


「やばい!遅刻!遅刻!」

 そう言って俺を通り過ぎていく男がいた。

 振り返ると目に入ったのは、『いつしぬ』の主人公『リュウジ・カグヅチ』

 リュウジは俺を気にも留めず走っていった。

「お兄ちゃん!待ってよ~!」

 遅れて女の子が俺の脇を通り過ぎる。


 色素の薄い髪に腰まで伸ばしたツーサイドアップ、小さいながらも制服越しでもわかる丸みを帯びた体。

 リュウジの義理の妹にしてヒロインの一人『ニーナ・カグヅチ』だ。


 兄を追っているため俺の存在は目に入っていない。

 だがあんなに好きだったゲームのキャラクターたちが生きていることを感じられて、俺は胸がいっぱいだった。


『なんだか初日から騒がしいね。』

『そうだな…』

『そろそろ僕たちも行こう、本当に遅刻しちゃうよ。』

『さすがにそれは勘弁だな。』

 俺は学園へと歩き出した。


 ------------------------------------------------------------------------

『残念ながら、入学式というものはどの世界でも同じものらしい。』

『そうなの?』

 学園長の挨拶やら来賓挨拶やら、明日には忘れてそうな話ばかりされる。

 退屈ではあるが、必要なことだ。

 それに…

「新入生代表挨拶。」

「はい。」

 彼女の出番があるからだ。

 ふわふわとした薄紫色のセミロングの髪に人形のような整った顔立ち。

 そしてまるでこちらの考えを見透かすような目。

『いつしぬ』のヒロインにして魔法の才女『ミズキ・オーヒュードル』

「暖かな春の日差しがふりそそぐこの良き日に~」

 小さいながらも姿勢がよく、自信に満ち溢れた表情で読み上げている。

 相変わらず綺麗だな。

 ゲームでも読み上げられた挨拶を聞きながら俺はまどろんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。