第3話:連休一日目の朝
「ふわぁ…」
春眠暁を覚えずと聞くが、この時期は本当に眠るのに最適過ぎる。
大型連休一日目にして、いつもより遅く起きてしまった。
『…おはよう。』
『おはよう、ロイ。
いい朝だな。』
『もう昼前だよ…』
眠りすぎてロイに呆れられた。
課外授業で頑張ったんだから多少はのんびりさせてほしい。
『せっかくの五連休なのに、ぐうたらしてていいの?』
『そういってもなぁ…』
前世の世界から、『いつしぬ』の世界に来て悩んでいることは多々ある。
目下の悩みは、休みの過ごし方がわからないことだ。
ゲーム、漫画、アニメ全ての趣味を取り上げられている状態で、果たして何をすればいいのだろう。
映画もないようだし、読書しようにも俺はこの世界の文字が読めない。
つまり暇だ…
課外授業前までは準備に奔走していたからよかったが、こういう時、何をすればよいのだろう。
『休みの日の過ごし方がわからない…』
『えぇっ…そんなことあるの?』
困ったことにあるんだなそれが。
『ロイは休日何をするんだ?』
やることが思いつかないので、ロイの意見を参考にしよう。
もしかしたらこの世界での楽しみ方を教えてくれるかもしれない。
『えぇっと…魔法の勉強とか読書とか…』
聞いた俺がばかだった…
『引きこもりみたいな趣味じゃん!』
『寝て過ごすよりかはいいだろ!
君の世界ではどうだったのさ!』
『うん?ゲームだろ?漫画だろ?アニメに…』
よく考えたら、ロイのこと言えないじゃん。
むしろ勉学に励んでて偉いじゃん。
だったらしかたないか…
『ロイ、これから図書館でも行こう。本屋の方がいいか?』
『うれしいけど、どうしたの?急に。』
ロイが訝しんでいた。
『せっかくだし、ロイがやりたいことをやろうと思って。』
『…いいの?』
『もちろんだ。』
元々ロイの体だし、これからゲームのシナリオが進むにつれて、俺が占有することの方が多いだろう。
こういう時くらいロイがやりたいことをやらせておきたい。
俺はやること思いつかないしな。
『うん、じゃあ学園の図書館に行きたいな。
いろんな本があるって聞くし。』
『了解、ついでに食材を買っておくか。』
『え?料理するの?』
『あぁ、せっかくだしな。』
前世では節約のために自炊をしていたが、どうせなら料理を楽しんでみるのもいいかもしれない。
『善は急げだ、行くぞ。』
『うん。』
俺は身支度を整え、部屋から出た。
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