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【第一章完結】人はいつか死ぬ。だから主人公たち、頼むからハーレムエンドになってくれ! ~悪役貴族に転生した俺の全員生存計画~  作者: 水無口 晶紀人
魔法実技大会:5月編

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第1話:怪しい魔道具

「待っておりましたよぉ~ロイスロット殿。」

 スケーブが下品な笑顔を浮かべて待っていた。

 もはやこいつと空き教室で落ち合うのが恒例になりつつある。


「わざわざそっちから呼び出して何の用だ?」

「ただの交渉ですよぉ~、私が仕入れた商品の紹介をしようと思いまして。

 気に入らなかったら、スルーしていただいても構いません。」

 スケーブがニヤニヤ笑っていた。

『なんかやっぱり胡散臭いね…』

『そういうな、本人は本当に商品紹介をしたいだけなんだと思う。』

 どう見てもぼったくり商品を押し付けられる流れな気がするが、この男は商売において信用を最優先しているらしい。

 だから、言葉通り俺に勧めたい商品があるようだ。

 この見た目で悪徳商人じゃないのは逆に詐欺ではないだろうか。


「それで、何を紹介してくれるんだ?」

「今回紹介させていただきますのは魔道具でございます。

 ただの魔道具ではございませんよぉ~

 なんと!東方の穀物、米が自動で炊ける魔道具でございます。」

「…」


 それって炊飯器じゃ…

 いや、魔法で動いているから魔道具なんだろうが。

 逆にそんなピンポイントなものがこの世界にあるのか。

 たしかに欲しいのだが、なぜそれを俺に?

 何か俺について知っているのか?

 別の世界から来ていることがバレていたとしたら…


「そんなに怖い顔しないでくださいよぉ、ロイスロット殿。」

「…なんで俺にそれを勧めるんだ?真意はなんだ?」

 ビジネスの関係であれば、信用におけると思っていたが…

 どうすればいい?


「すみません、ロイスロット殿。少々あなたのことを調べさせていただいて。」

 もしかしてこいつ俺が別の世界から来たと本当に勘づいている?

 だとしたら、目的はなんだ?

 何を要求してくる?

 そして必要になったら俺は…

 色々な考えが頭をよぎる。

「…課外授業でお米を所望されたという情報をお聞きしたのですが、

 やっぱり探られるのは気分が悪かったですね、申し訳ございません。」


 そう言って、スケーブは俺に深く頭を下げた。

 え?そういうこと?

 いや、課外授業で何を買おうとしていたのかを知っているのは驚いたが。

「え?いや、なんでそれを…」

「貴族の方々の購入傾向などは貴重な情報ですので、調べさせていただきました。

 飯盒の使い方がわからず、米の購入を諦めたとも聞いております。」


 えっとつまり、

「本当に炊飯器を売りたいだけってこと?」

「スイハンキというのですか?この魔道具?

 だとしたら、是非ロイスロット殿に購入していただきたいと考えております。

 なにせ王都はパンが主食でございます。

 ロイスロット殿が米を所望したとあれば、なにか使い道や布教方法があるのではないでしょうか。」

 スケーブは細長い目を見開いて俺を観察している。


「なるほどな、面白そうだから仕入れたのはいいけど

 売れなくて困っているから、俺に紹介したと。」

「…まぁそうでございます。」

 スケーブが照れて頬をかいていた。

 こういう仕草は年相応だな。

 どうやらスケーブに他意はなかったようだ。

 前世のことまで見抜かれたと思って、内心ヒヤッとしてしまったが、それだったら協力できそうだ。

 なんせ、炊飯器があればアレを作れる。

 そろそろ前世の食事も恋しくなってきたからな。


「わかった、スケーブ。

 その炊飯器を売ってくれ。」

「!?いいのですか!」

 お前が買ってほしいって言ったんだろうが。

「あぁ、使い道は結構あるからな。」

 米料理は色々あるし、単体でも食べれる。

 使い方は無限だ。


「でしたら、お一つ差し上げます。」

「いいのか?」

「えぇ、実のところ結構仕入れておりまして…」

 在庫を抱えて困っているのか。

 とはいえ無料でもらうのは申し訳ないし、ただより高い物はないと言う。

 これからスケーブに頼ることがあるだろうから、もらうのはやめておきたい。

 課外授業でモンスターの素材は結構手に入ったから、そこそこ手持ちにも余裕ができたし。


「提案してくれて申し訳ないが、ただは気が引ける。」

「え?そうでございますか。」

「あぁだから友達価格で売ってくれ、代わりに2個売ってほしい。」

「!?いいんですか、ロイスロット殿!?」

 別の用途で使うから、もう一個欲しいからちょうどよかった。


『そんなのいるのかなぁ…』

 ロイが心配しているが、無視する。

 絶対にいる。

 この世界に来てまた新たな楽しみが増えた。


ここまでお読みいただきありがとうございます!


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