第26話:課外授業1日目の終わり
「おぉ。焼けてきた!」
『おいしそうだね~』
俺は第4チェックポイントに着いて、そのまま休むことにした。
一人だと安心して野宿はできない。
川で魚を獲って、パンとチーズと塩をチェックポイントで買う。
ゲーム内で料理要素があるから、どの魚が食べられるかも事前に知っている。
焚火をしながら魚を焼きつつ、チーズを炙って溶かす。
前世で一時期やっていたキャンプを思い出す。
『なんかすごい食べ合わせだね。』
『こういうのは食べたいものを食べるのがいいんだよ。』
この世界にも米はあるんだが、残念ながら飯盒の使い方がわからなかった。
小学校の林間学校以来見たことないな。
「いただきます。」
焚火でちょっとトーストしたパンに、炙って溶かしたチーズ。
あとは塩をかけただけの魚。
シンプルだが、こういうところで食べるとごちそうに感じるな。
『おいしいねー』
『あぁ、そうだな。』
特にロイと話をしてなかったから知らなかったのだが、ロイと俺の五感部分は共有らしい。
さすがにかわいそうなので、これからは食事には気を使ってあげよう。
勝手に召喚された身とはいえ、体の主導権が今こちらにある状態なわけだし。
その後は静かに食事を済ませ、後片付けをした。
『今日はさっさと休んで、明日はすぐにここを出よう。』
『そうだね、リュウジ達と勝負しているわけだし。』
『…お金のためにも、負けるわけにはいかないしな。』
正直なところ勝負の勝ち負けの結果はどちらでもいい。
ただリュウジ達の動向を知るために、早めに第5チェックポイントにたどり着いておきたい。
最悪の選択肢さえ取らなければ、それでこの課外授業の目的は果たしている。
後は無事に終わりさえすれば、リュウジのハーレムルートへの道は順調に進んでいることになる。
俺は寝袋に入る。
この世界のテントを使ってみたかったが、チェックポイント内の方が危険が少ないことと単純な経費削減である。
一日くらい寝袋で過ごしても大丈夫だろう。
「おぉ~!星がきれいだな!」
見上げたら幾千もの星が目の前にある。
『そんなに感動するものなの?』
『俺たちの世界では、夜でも明るくて星が見えにくいからな。』
田舎に行けばそんなことないのだろうが、都会だときれいには見えにくい。
『なぁロイ、この世界にも星座はあるのか?』
『…?あるけどどうして?』
『知りたいだろ、教えてくれよ。』
世界が違えば、見える星も違う。
『右の方に見える赤い星の周りがヘルハウンド座だよ。』
『あるんだ…ヘルハウンド座。』
このゲームでは知らないことはないと思ったが、この世界に来て新しく知ることが多い。
『じゃああの星はなんていうんだ?』
『寝るんじゃなかったの?』
『いいだろ、こういうのも醍醐味ってやつだ。』
この時は色々なことを忘れて楽しんでいた。
そうやって、ロイと会話しているうちに俺は眠りに落ちていった。
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翌日。
日がまだ昇りきっていないが、俺は目を覚ました。
『おはよう。』
『あぁ、おはよう。』
まだ眠気はあるが、早めに準備をして出発することにする。
できるだけ早く第5チェックポイントに向かって、とあるエリアの入り口まで移動したい。
あとは課外授業の時間ギリギリまで待機する予定だ。
リュウジ達がそこを通らなかったらそれでいい。
通った場合はどうするかまだ迷っているが。
『行こうか』
『うん。』
課外授業二日目がはじまった。




