第20話:幕間:課外授業に向けて
「そろそろ来ると思ってましたよぉ、ロイスロット殿ぉ!」
空き教室につくと既にスケーブが俺を待っていた。
特に示し合わせてなかったが、ちょうどいい。
「その呼び方はどうにかならないのか、クラスメイトだろ?」
「いえいえ誰であっても敬意を払うのが、商人でございますから。」
そうやって下品な笑顔を浮かべる、何とも胡散臭い。
「それにロイスロット殿にはだいぶ稼がせてもらいましたからなぁ~感謝しておりますよぉ~」
「ん?そんなにホノカのスリーサイズの情報って高く売れたのか…?」
『この学校の風紀はどうなっているのさ…』
ゲーム世界の民度も、なんというかあれだな。
「まぁそれもありますが、どちらかというと先日の決闘ですねぇ。
賭け事も裏で行われておりましたし、それでがっぽりですよぉ。」
決闘していた当事者はかなり危険だったんだが、裏ではそんなことしていたらしい。
まぁ儲けてもらったなら好都合か…
「スケーブは学園外から物資を調達できたりするのか?」
基本的に学園生は学園から出ない、行けても王都くらいだ。
「もちろん将来のためにそういうこともやっておりますよぉ。何がお望みで?」
スケーブはニヤニヤ笑いながらゴマをすっている
見た目だけなら、本当に悪徳商人だな。
「そうだな…次の課外授業までに用意してほしいものがいくつかある。」
俺はゲームで知っているアイテムをいくつか、スケーブに伝えた。
「まぁ使い捨ての魔法スクロールは用意できますが、ロイスロット殿には不要では?」
スケーブは怪訝そうな顔をしている。さすがに不自然だったか?
「まぁ色々あるんだよ。」
正直学園の成績には興味ない、だが今回の課外授業は来る時のために力を温存しておく必要がある。
「それにもう一つは使うんですかい?そこそこの値段しますぞ?」
「あぁ、それもできるだけ用意してほしい。」
『これは何に使うの?学園に来るときにお金はあまり持ってきてないけど。』
『課外授業の当日に使うかもしれないって保険だ。
だが貴重なお金だから使わないほうがいいならやめておく…』
『…まかせるよ、借金はやめてほしいけど。』
『その予定はないから安心しろ。』
元はロイのお金だから心苦しくはある。
「わかりました、ロイスロット殿ならお友達価格でお譲りしますぞ。」
「あまり持ち合わせがないからそうしてくれると助かるよ。」
「これも投資の内ですよ、また儲け話がありましたら御贔屓に。」
とても悪い笑顔を浮かべていた。
課外授業でリュウジ達がどういう行動をしても、あの5人でグループを組んだ以上シナリオに影響はしないーー
だが、一点だけ懸念点がある。
その懸念事項をリュウジ達が引いてしまった際、どう転ぶかわからない。
ゲームだと最悪セーブ&ロードでなんとかなるが、この世界にはそんなもの存在しないだろう…
リュウジもヒロイン達も幸せにする、その道中で死なれるわけにはいかない。
課外授業まであと数日、やれることはやっておく。




