↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一章完結】人はいつか死ぬ。だから主人公たち、頼むからハーレムエンドになってくれ! ~悪役貴族に転生した俺の全員生存計画~  作者: 水無口 晶紀人
みんなとの出会いと課外授業:4月編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/47

第10話:知らないイベント、知っている風景

「よし!皆行こうぜ!」

 昼休みになり、リュウジが男子数名と一緒に教室から出て行った。

 俺は席に立ち、ホノカにアイコンタクトとハンドシグナルを行う。


 ホノカは頷いて、ニーナの方に歩いていく。後は任せよう

 俺もサラの方へ歩いて行き声をかけた。


「サラ、大丈夫か。」

「ロイ…?」

「これから一緒に食堂にいかないか?」

「…どうして?」

「昨日誘っただろ?一人で食べてもつまらないからな。独りぼっち同士ちょうどいい。」

「…わかった。」

 よかった、ここで断られていたらすべてのプランが狂うところだった。

「よし、じゃあ行こうか。」

 サラは小さく頷き席を立つ。

 俺はサラと一緒に食堂へ向かった。


 リュウジと鉢合わせないように、今回は第二食堂を使うことにした。

 俺は適当に料理を持って4人席につく。

『今日はちゃんと食べるんだね…』

『さすがにな。』

 今回はリュウジがいないし、ゲームのシナリオには直接影響はないはず。

 こちらから誘っておいて昨日みたいにいなくなったら、色々気まずいだろう。

「おまたせ…」

 サラも料理を持ってきたようだ。

 菓子パンにケーキにフルーツサンドにパフェーー

 スイーツしかない…


「お前…それでいいのか?」

「うん、どれもおいしい。」

「そういう問題なのか…?」

 偏食というレベルじゃない。

「…あげない。」

 じっと見ていたせいか取られると思ったらしい。


「大丈夫取りはしない。」

 ビュッフェだからほしいのならば、自分でとれる。

「とりあえず座ったらどうだ。」

「わかった…」

 サラは俺の正面に座ろうとする。

「サラ悪いが、俺の隣に座れるか?」

「?」

 サラは不思議そうな顔を浮かべる。

 表情に乏しいけど、よく見るとちゃんと変化は感じられるな。

 あくまで前世でずっと見てきたからだろうけど。


「この後人を呼んでいるんだ。」

「そう…」

 そう言って俺の隣に座る。

「これから来る人はロイの友達?」

「どうだろうな…」

 ホノカは友達だと言ってくれそうだが、ニーナに至っては兄の知り合いくらいの認識しかもたられてないと思う。

 自分で集めておいてなんだが、うまくいくか不安になってきた…


「おーい、おまたせー!」

 ホノカとニーナがやってきた。

 二人とも似たような料理を皿に盛っている。

 パンにスープにサラダに魚料理、デザートにゼリー、何というか普通だ。

 隣にいるサラにビュッフェというものを教えてあげてほしい。


「サラちゃん、すごいねー甘いもの好きなの?」

「…」

 人見知りしたのか、サラは頷くだけにとどめた。


「あのロイスロットさん…」

 ニーナが俺に声をかける。

「どうしたんだ、カグヅチさん。」

「ニーナでいいですよ、兄もいますし…」

「わかった。」

「昨日はすみませんでした、何か失礼なことを言ってしまったみたいで。」


 昨日俺がいきなり食堂で席を立っていなくなったことを気にしていたのか…

 自分の言動に何かしら非があると思ってしまったようだ、気遣いの塊だ。


『どう考えてもニーナは悪くないと思うけどね!?』

 ロイからぐうの音も出ない正論を言われる。


「こちらこそ、すまない急用があって立ち去っただけだ…」

 リュウジやニーナに何かあったわけじゃない、こちらこそ不快にさせてしまったなら謝る。」

「いえ、そんな…」

 お互い気まずい沈黙が流れる。

 何を言えばいいんだろう。


「ねぇ、みんなせっかくだし改めて自己紹介しない?せっかく一緒に食べるんだからさ、ね?」

 ホノカが察してくれたのか話題を変えてくれた。

「ホノカです、社交会でみんなとは何回か会っているけどこれからまたよろしくね。」

「ニーナです、よろしくお願いします。」

「サラ…よろしく…」

「ロイスロットだ、長いからロイで頼む。」


 大好きだった『いつしぬ』のヒロインが三人も目の前にいる…

 プレイヤーとしてはうれしいことこの上ない。


「ロイ君、馴れあうつもりはないんじゃなかったの?」

 ホノカはいたずらっぽい笑みを浮かべてからかってきた。

 本当に人との距離感のつかみ方うまいな。

「若気のいたりだ…忘れてくれ…」

 他の二人も話しやすいようにホノカのいじりに乗っておく。


「えぇと、今日はどういう集まりなんですか?」

 話が見えないのかニーナが尋ねる。

「まぁなんだ、俺もサラも人付き合いが苦手だからな。」

「二人とも話しやすそうだし、この機会によろしくしてもらおうかなと。」

 サラと仲良くしてもらうために、もっともらしい理由を言っておくことにする。


「サラちゃんはともかく、ロイ君は初日からあんな自己紹介してたらねー」

 ホノカが気まずくならないようにするためか、茶々をいれてくる。

「よせやい、まぁ俺はいいんだが。サラはいいやつだし、仲良くしてやってくれるとうれしい。」

 1番は俺抜きで、サラとホノカとニーナが仲良くなってくれることだ。


「えっと、それは大丈夫ですけど、ロイさんとサラさんはどういう関係なんですか?」

 ニーナが不思議そうに尋ねてくる。ゲームの頃と違い、俺とサラは昨日会ったばかりだ。

 果たしてどういう関係だと説明すればいいのだろうか。

「えっと…」

 俺は言葉に詰まる。

「ロイは友達…」

 ずっと黙っていた、サラはぽつりと言った。

 その言葉に俺は感動を覚えた、人見知りのサラがそこまで俺のことを思ってくれていたなんて…

「ラスクをくれた…」

 …儚い友情もあったもんだ。まぁ一歩前進か。

「へぇ、どこで買ったの?」

 ホノカが俺に尋ねてる。


「ラスクは購買だ、近くに喫茶店でケーキも売ってたし、アイス屋もあるぞ。」

「へぇ!おいしそうだね!ニーナちゃんもサラちゃんも放課後空いてる?一緒に食べに行こうよ!」

 ホノカが早速二人を誘う。

「うれしいです、行きましょう。」

「わかった。」


 そこからホノカを中心にガールズトークが始まった。

 好きなファッションや授業のこと、小さい頃の話ーー

 ニーナにもサラにも要所要所で話を振って孤立しないように、回していく。


『すごいね、ここまで話せるの。』

『全くだ。』

 俺の方が前世を含めれば倍近く生きているはずなのに、何故ここまで差が生まれるのだろうか。

 俺もロイもホノカのすごさを改めて実感した。

 最初は弾んでいなかったが、徐々にニーナもサラも言葉数が増えていく。三人とも楽しそうだ。

 そろそろ潮時だな…

「すまない、用事があるんだった。これにて失礼。」

「そうなんだー、残念。ロイ君ありがとねー」

「お疲れさまでした。」


 ホノカもニーナも軽く挨拶して、また会話に戻る。

 ホノカ・ニーナ・サラは作中では良好な友人関係を育んでいた。

 特にニーナとサラは元々人見知り同士で気があうのか、仲良しな描写も多かった。

 だが、そもそもどこで3人が知り合ったのかはゲーム中では描写されてない。

 となると、リュウジのいないところで何かしらのイベントがあったと推測した。

 そしてそれが今日この時なのだと考えられるが、俺が介入してよかったのかどうかはわからない。

「ロイ…」

 サラに呼び止められる。

「ありがとう、またね…」

 軽く手を振り、ホノカとニーナとの会話に戻っていく。

 先のことはわからないが、今この瞬間はこの場をセッティングしてよかったのだと思うことにした。

 願わくばゲーム同様みんな仲良くなることを祈ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。