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魔法の杖のテスター 〜それは憧れから始まったことなの。魔法使いの彼女への〜  作者: 夜朝
第6章 会えない二人、新しい出会い

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6-20

 はあぁ。とリッコは感心のため息を深めにひとつ。

 すごいのねえ。と彼女がしみじみつぶやくとソイが面白そうに笑った。


「若輩者とはいえ七老人のひとりだからね」


「そうよそれ! 何のことなの?

 ソイって別に年寄りじゃないのに老人なの?」


「七老人というのは……」


「ソイ、若作りしてるだけで本当はもうおじいさんなの?」


「いや、人の話を聞きたまえ!」


 ソイの話によると魔法協会の最高機関を七老人というそうだ。

 魔法の巧みな者を上から順に七人選び出して構成される。

 ただ、魔法が巧みかどうかはどうやって見極めるのかが問題だ。

 今のところは位が下の者から上の者への正式な魔法比べの挑戦は断れないことになっており、ソイは七老人の中でも一番位が低かった者へ挑戦して、それに勝ったのだという。


「その相手ってお年寄りだったんでしょう?

 そんなおじいさんを痛めつけてまで高い位につきたかったのソイ?」


「安心したまえ。

 魔法比べは確かに魔法の打ち合いはするが、相手を傷つけると失格になるんだ」


「そっか。それならいいわ」


 そこで終わりそうになった話を引き留めたのはリッコだった。

 うつむけていた顔をぱっと上げて心配そうにかげった表情でソイを見つめる。


 リッコの異変に気付いたソイは彼女を見守って次の言葉を待った。


「ねえソイ。もしかしてソイのところには今、挑戦者がたくさん押し寄せているんじゃないの? もしかしたら大変なんじゃ……」


「ふふ。さすがに気付くかい? 大丈夫さ。お察しの通り挑戦者は引きも切らずだけれどね、それで負けたら私もそれまでだったということさ」


「今まで何人くらいと戦ったの?」


「さあ。五十人までは数えていたのだけれどね。

 その先はもう面倒になってしまって」


「五十人? ソイったら、いったい何年前に昇格したの?」


 なかなか興味は尽きない。

 リッコが斜め下から見上げるとソイは一度は彼女と重ねた視線をゆっくりとそらした。

 昔のことを思い出そうとしているためだ。


「ええと……あれは魔法使いになって十年目の記念だったから……そうだ、三年前だね」


「えーっ、三年だけ?

 ということは一ヶ月に一回じゃ間に合わないわね」


「そうだね。多い時はひと月に三人とやり合ったこともあるよ」


「うわ。大変だわ。ソイ一番若いんじゃ一番勝てそうだと思われてるだろうし、そりゃ挑戦者もどしどし来るわよね」


 ソイは、ふふ。と笑みをこぼしてそらしていた視線をリッコへ戻した。

 彼は少し身を屈めて目線の高さを彼女に合わせると少し首を傾げて言った。


「同情してくれるのかい。癒しが欲しいな」


「なぁに、肩でももんでほしいの?」


「ぷ。また今度お願いしよう」


 ふき出したソイは背筋を伸ばすと、ひと息ついてからリッコより二歩ほど離れた。


「さて、リッコちゃん。とはいえ選ぶ権利は君にあげよう。

 光と冷気、どちらを先に操れるようになりたいかい?」


「あたしどっちでも──ううん、ソイが構わないなら光が良いわ。

 そう、ほら何となく、分かりやすそうじゃない?」


「ふむ。良いだろう。それじゃこれを持ってごらん」


 ソイはズボンのポケットから取り出した小さな巾着袋をそのままリッコに渡した。


 リッコはそれを大切に両手で持ちながら聞く。


「これは?」


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― 新着の感想 ―
七老人は、挑戦できて入れ替え制なのですね。過去三年で五十人と対戦…それは大変ですが、微笑みながら話すソイにはまだ余裕がありそうですね。 ソイが取り出したものが何か、気になります。続きも楽しみに、これ…
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