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魔法の杖のテスター 〜それは憧れから始まったことなの。魔法使いの彼女への〜  作者: 夜朝
第6章 会えない二人、新しい出会い

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6-14

 半熟のスクランブルエッグが良かったなぁと思ったが、土地が変われば食事も変わるものだ。


 何もせず上げ膳据え膳なんてぜいたくなかなかできない。


 リッコはありがたくぺろりと平らげた。


 ちょっと脂が強かった。


 少し胸やけするのを柑橘のジュースで中和して、考えるのはこれからのこと。


「……ソイ。教えて? 手始めに、風の便りの魔法から」


 紅茶のカップを持ち上げていたソイは一瞬目を見開いたが、その後、ふふ。と笑ってうなずいた。


 それはそれはうれしそうな──彼のことをよく知る執事の目から見ると、彼が魔法使いになってから初めて見せる、心の底から幸せそうな笑顔だった。


 * * *


「慣れないうちは集中するために目を閉じたほうが良い。

 それから力の流れを意識してごらん」


 リッコはソイの前に姿勢を正して立ち、両目を閉じた。


 体内を循環する魔力の流れを意識して右のこめかみから右腕、右脚、左脚──そこから左腕に上がるイメージがどうしても上手くいかず、渋面を作って目を開ける。


「力がうまく流れてくれないの」


「リッコちゃん。循環させるのは順序がある。

 まず右のこめかみ、右腕、左脚、右脚、左腕、左のこめかみ。

 その場合はヘソで交差させる。

 ただし、力の循環が必要なのは精霊を体内に入れる際だけなんだ。

 それ以外は右のこめかみから左の踵まで一直線でいい。

 君に足りないのは理論だけだ。

 風に撫でられるようなイメージで試してみてくれ」


 イメージトレーニングは何度もやってきたけれど、流す順番が違っていたとは思ってもみなかった。


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― 新着の感想 ―
ソイの教え方は理路整然としていて、まさにリッコが知らなかった理論を丁寧に教えてくれる感じですね。 リッコの言葉を聞いて、嬉しそうで幸せそうなソイの笑顔がとても印象的です。続きも楽しみに、これからも読…
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