公園での攻防
やってくれるわね。
内心で毒づき雪奈は相手を見る。
「なかなか、やっかいな魔法剣技だ。危うく圧死するところだ」
「にしては、平然としてるじゃない」
雪奈から見て男は普通にしていた。
雪奈の魔法剣技、〝雪埋め〟は、相手を自分が放った雪で埋め、そのまま圧死させる技だった。例えその雪から脱出ができても今まで雪によって体温を奪われ闘える状態じゃなくす。
しかし、相手の男は、凍えている様子はなく、最初にここに現れた時と同じであった。
「いや、この刀が無ければ、今ので終わっていた」
男は、自分の持つ、邪気を纏った刀を見せる。
「やっかいなのは、それよね。私のこの愛刀、〝白鶴〟(ハクツル)は、一応霊刀だけど、邪気は流石に困るわね」
「さて、ここまでだ。早くその腰の物をよこせ」
「残念だけど、それは、お断りよっ!」
一閃。雪奈は、下段から右切り上げする。
すると、後から氷が現れ壁を作り出す。
「うんっ!」
しかし、男は、動じることなく、氷の壁に突きを放つ。刺さった切っ先から中心にヒビが入っていき、砕けた。
そして、男は、刀を左手に持ち横に振るった。
ガギンッ!
金属の音が響いた。
「上手くいくと思ったのに、」
「よくある戦法だ。学院最強とは、そんな事も分からないのか」
雪奈は、直ぐ様距離をとる。
しかし、男は、それを追うかのように雪奈に接近する。
再び、刀と刀がぶつかり合う。
そして、男が追撃し、雪奈が捌くといった攻防が続く。
(このままだと、不利よね。けど、負ける要素は、何一つ無いわ)
雪奈は、刀を交えながら相手の動きをうかがった。
男の持つ刀の刀身からは邪気が溢れていた。そして、その邪気は、煙となって公園に立ち込めていた。
他にいた男の仲間達は、邪気の影響を逃れるためなのかいつのまのかいなくなっていた。そして、そんな邪気の立ち込ませた原因の男の近くにいる雪奈は、徐々にであるが邪気の影響を受け初めていた。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
額に水滴が付き、荒い息づかいになっていた。
(まずいわね。思っていたよりも邪気の影響が大きいわ)
「いい加減にあきらめろ。そして、おとなしくそれを渡せ」
再びくる男からの申し出。
しかし、
「渡せるわけないでしょう」
断った。
「なら仕方ない。苦しんでもらおうか。如月雪奈」
男が再び雪奈に近づいていった。
再び、刀と刀がぶつかった。
今度は、鍔迫り合いへとなった。
しかし、戦況は、男の方にあった。
「どうした。さっきより勢いがないぞ」
「っ」
雪奈の顔に動揺が浮かぶ。
邪気の影響を受けた雪奈は、通常よりも力を出せないでいた。しかし、男と闘えるのは、邪気に対する耐性があるのと負けないという気迫が雪奈を支えているためであった。
雪奈は、体を横にずらして男の力を受け流した。そして、再び距離をとった。
「やって・・ハァ、くれ・る・わね・・本当に」
「思っていたよりもしぶといな。だが、これで終わりだ」
「まだ、私が倒れてもいないのに何故それら事を言うのかしら」
「その言葉通りだ。」
男が言った瞬間。
雪奈は、その場に倒れた。




