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「まったく、とんでもないのに狙われてたな。珠依さん達」
桔梗達の治療を終えその場から立ち去った笛吹き狐ことシノトはある程度離れた所で仮面を外して重たい息を吐いた。
「でも、あの男が振るっていたのは明らかに邪気を纏っていた。相手もなかなかの使い手だった」
シノトは考え込む。そして、いくつかの疑問が浮かぶ。
何故、風紀組を襲うのか。そして、どうやって学院でも実力のある生徒を倒したのか。
さらに、何故、珠依さん達を狙ったのか。
「疑問が浮かぶ一方だな」
シノトは深いため息をついた。
暫くその場で考えていたが自分の寮へと走り出した。
次の日。
「おい!シノト!シノト!」
「なんだよ。揺さぶって。安眠妨害だよ」
「何、安眠妨害をする程のネタを提供しよう」
そう言ってアキトは今日の新聞をバッと広げた。
そこには昨夜の事件が載っていた。
「この風紀組が襲われたって言うところか」
「そ、それで昨日襲われたっていうのがなんと、我らがアイドルとも言うべき一人。珠依さんと天塚さんだ」
「もう一人は同じクラスじゃないだろ」
「始めに指摘するのそこっ!?」
「でも、大丈夫だったのかな?その二人は」
「二人、ときたか。なかなか抜け目ないなお前は」
「どういう意味だ」
「いや。こっちの話」
アキトが変な笑みを浮かべているのでシノトはその視線から外れるように新聞に目を通した。
(でも、昨夜治療しておいたから大事には至ってないだろうけど)
新聞に目を通しながら昨夜の事を思い出していた。
その日、桔梗は、欠席した。
シノトは、その原因が昨夜の事だと察した。しかし、事情をあまり知らない生徒達からは驚きの声と憶測の話を周囲でし始めた。そして、それと同じくらいに驚かす事が起こった。
それはクラスの担任がシノトに言った一言だった。
「シノト君。今日の放課後。生徒会長のところに来てほしい。だそうだよ」
クラスの人達は驚いたが、それ以上に驚いたのは本人であるのは言うまでもなかった。
(一体、何の呼び出しだろう?あの生徒会長さんは)




