朝の新聞
「おい、シノト。起きろって!」
アキトに起こされ、渋々とシノトは起きた。
「どうしたんだよ。こんな眠い時に」
「こんな眠いって場合じゃないんだ!」
アキトのいつもと違う様子にシノトの眠気は醒めた。
「一体何があったんだ」
「昨夜にな。見回っていた。風紀組の一人が襲われたんだよ」
「襲われた?」
「ああ」
「それで襲われた生徒は?」
「命には別状はないって話さ。けど、当分は、体を動かす事は難しいらしい」
後半の言葉にアキトの声は弱かった。仲間が襲われたためだ。シノトは、アキトから感じる悔しさが伝わってきていた。
「今じゃ、新聞にも取り上げられているんだ」
「そうなんだ」
「で、それが今日の新聞さ」
アキトが新聞を渡す。シノトは、その新聞を受け取り、その項目を見た。
『風紀組の一員、襲われる!銀行荒しの復讐か!?』
と書いてあった。
「この銀行荒しの復讐って」
「ああ、最近、俺達が解決した事件は、銀行荒しだったからな。残党が居て、仲間の復讐じゃないかと新聞は、書いているのさ」
「・・・」
シノトは、黙ってアキトの言葉を聞いた。
残党か、シノトは、アキトの言う残党がいる、という話に何かを感じた。自分の直感ともいうべき存在に。
「でも、風紀組に入っている生徒は、学院でも上位なんでしょう。なのにどうして」
「それがさ、話によると〝急に、体が動かなくなった〟らしい」
「動かなくなった?」
「ああ」
「薬による?」
「そ、襲われた生徒からは、痺れ薬が検出されたらしい。ただ」
「ただ?」
「どこから体内に入ったのかがわからないんだよ」
「わからない!!?」
「ああ、わからない」
アキトの重々しい言いようにシノトは、この事件に不安を抱いた。
「お前も、一応、風紀組の一人なんだから気をつけろよ」
「ああ。てっいうか。お前の方こそ気をつけろよ。狙いは、風紀組だけとは限らないんだからよ」
「おい、そんなの御免だよ」
「へへ」
その後は、明るい話題で話は、終った。
しかし、シノトは、気づいていた。アキトの顔が普段と変わらないが不安である事に。
そして、シノトも、この事件について、動こうと秘かに決意するのであった。




