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笛吹き狐と乙女達第三幕

シノトは、自分の〝刀を抜いた〟。

刀身が光に反射して煌めく。

(できれば抜きたくなかったけど)

シノトは面の下で内心でそう呟いた。

(抜いた!?)

桔梗達はその行動を見てこれまで以上の警戒をした。

「やっと抜いたわね」

「はい」

「どうしましょう?」

美穂は気弱な声で訪ねてくる。

「決まっています。ここで彼を捕らえます」

桔梗は強く言った。

「さすが、珠依さん。私も賛成」

雪菜も構えながら賛同する。

「素晴らしいですね。いや、実に勇ましい」

シノトは声色を変えて笛吹き狐としてのしゃべり方で言う。

「実に勇ましい。何者にたいしても怯まないその気迫、気持ち、実に素晴らしい」

「何が言いたいのかしら?」

「しかし、できればここで納めていただけませんか?」

「何故ですか?」

「あなた方を〝斬りたくない〟」

「えっ?」

桔梗はその言葉に一瞬、驚き、おもわずまの抜けた声をあげてしまった。

慌てて、桔梗は構える。

「あら、随分と優しいのね」

「女性を斬るのはしのびない」

狐の言葉に三人の乙女達は少し驚いた。

狐の意外な言葉。

男達を簡単に倒していた姿。

言葉と行動のギャップが三人を驚かしていた。

「あなたの信条は嬉しいのですが。私達も引けません」

「どうしても」

「はい」

桔梗の覚悟の言葉に狐は。

「わかりました。あなた方の覚悟に答えて相手しましょう」

狐が改めて構えた。

桔梗達も構えた。

しかし、桔梗の内心では一つの引っ掛かりができていた。

(今の言い方、どこかで)

桔梗の内心とは関係なく再び、笛吹き狐と乙女達がぶつかろうとしていた。

そして。

雪奈が地を蹴り。

上段に振るう。

今度は鉄と鉄がぶつかり合う音がその場に響いた。

ギィン!ガキッ!


「やるわね」

雪奈が下段から刀を振り上げる。

シノトは紙一重にそれを避ける。

「後ろが空いてます」

直ぐ様、桔梗が刀を振るってくる。

しかし、これもシノトは避けた。

シャッ。

避けることはできたが桔梗の刃が掠り右の袖が少し裂けていた。

「ああ、気に入っていたのに」

「次はそれでは、済みません」

「でしょうね」

桔梗の姿を見て狐は面の下で苦笑

その時。

再び背後から気配を察知して狐は後ろを振り返る。

次の瞬間。

二つの刃が襲ってきた。

ギィン!ギィン!

狐は何とかその猛攻を防ぐ。しかし、徐徐に後ろに下がらされていた。

(油断した。まさか、この人がこれほどの実力を持っていたなんて…)

シノトはすさまじい剣技を繰り出す少女を見ていた。

天塚 美穂。

幼さを漂わせる顔は別人のように真剣な顔立ちで両手に持った小太刀を振るってきていた。

(これは、本当にまずいなあ)

シノトは改めて危機感を感じているのであった。

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