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秋の型

笛を吹きながら狐の面をした人は男達の前で止まった。

「どこへいく気だ」

狐の面の人は男達に問く。

「どこへ行こうが俺達の勝手だ」

「確かに」

男の言葉に狐の面は 納得したように呟く。

「しかし、お前達を行かせるわけにはいかない」

しかし、その言葉を否定した。

「何だと!?」

「行かせるわけにはいかない。特に、金を盗むような奴らはなおさらだ」

その言葉に俺達は警戒心を強く持った。

「てめぇ、何者だ」

「あ!こいつ、笛吹き狐だ!最近話題になっている」

男の一人が叫んだ。

「ほお、お前さんが噂の狐か」

リーダーの男は自分の腰から得物である剣を抜いた。そして、左手には雪奈に対して使った閃光弾が握られていた。

狐の面の人はただ、男の様子を見ているだけであった。

そして、男は狐の面に向かって動いた。

しかし狐の面はまだ何もしない。

男はそれを好機と見たのか剣を横凪ぎに振るった。

剣が空気を切り裂く。

しかし、剣の刃は狐の面にはとどいていなかった。

狐の面は男が振るう寸前に後ろに動いたのであった。

男は舌打ちをして後方にバックステップした。

その瞬間、今度は狐の面の方が男に接近した。男は後方にバックステップした状態のため身動きが制限されていた。

しかし、男はそんな状況で笑っていた。その理由はすぐに出た。左手に持っていた閃光弾を投げつけたのだ。

爆発し、光が闇を照らす。

「もらったぁ!」

男は着地と同時に地を蹴り再び剣を振るった。

しかし、男の剣は、再び、空気を斬った。

「なっ!?」

男は驚愕した。

閃光弾は、狐の面の目の前で爆発したからだ。普通なら目をやられて動きができない状態になり自分の剣の餌食になるからだ。

しかし、男の前には、誰もいなかった。

「くそっ、どこだ」

「ここだ」

男は上を見上げた。

狐の面は空中にいた。

あの時、寸前に跳んで閃光弾を避けていたのだ。

狐の面は落下しながら構えていた。

男も落下してくる狐の面に対して剣を構えた。

二人は己の剣を振るった。


次の瞬間。男の持つ剣が砕ける音が響いた。

その後、男の体に衝撃が走りその場に崩れた。

残った狐の面は小さく呟いた。


「四季創剣流 秋の型〝秋水〟砕」


男達は何が起こったのか理解することができなかった。

ただ、わかっていたのは自分達のリーダーが敗北したという事であった。

「姑息な手で、女性を斬る剣など、私には通用しない」

狐の面は、倒れたリーダーの男にむかってそう言い放った。

四季創剣流 秋の型。

この流派は格闘を主に重点をおいた型である。そのほとんどの技は素手で繰り出すものが多い。先程繰り出した〝秋水〟は言葉の意味を体現したように研ぎ澄ました刀の如く切り裂く手刀である。その気になれば人ですら切り裂くことができる技である。そして先ほど放ったのは秋水の派生技で主に武器を破壊する時に用いる技である。

その技を放った狐の面は何事もなかったように立ち残った男達の方を見た。

男達もは驚愕としていたが自分達の武器を抜き狐の面に向かって走り出した。

再び、狐の面も男達の方に走った。


ここに狐の面と悪党達との第二幕が始まった。








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