逃亡中の会話
銀行の裏口から出た集団は誰にも気づかれないように建物の裏を進んでいた。
「上手くいったな」
一人が言った。それが伝染するように次々と集団の人達が喋り出した。
「ああ、まさか、こんなに上手くいくとは思わなかった」
「だが、まさか、剣警隊の奴等が何人か中にいるとは思わなかったがな」
男が話しているとおり、剣警隊は万が一のため、腕利きの隊員を何人か銀行内に潜ませていたのであった。
そのため、銀行内では多少の小競り合いが行った。その時、集団の何人かは負傷し剣警隊の方はさすが精鋭とでもいうのか負傷者はいなかった。しかし、集団の方の機転により逃亡を許してしまっていた。
「しかし、方法がばれてしまいましたね」
「そうだな。だが、かなり稼げた。当分は楽しめるぞ」
「ああ」
そんな会話をしながら男達は夜の街を走っていた。
しかし。
「しかし、今日はやけに冷えるな」
男の一人がそう言い出した。
「当たり前だろ。夜は昼間と違って気温が下がるんだからよ」
「で、でも、そのわりには〝寒すぎ〟ませんか」
男の言葉に他の何人かも異変に気付き始めた。
「た、確かに」
「ちょっと。寒くねえか」
「ああ、まるで、・・・・」
男が次の言葉を言おうとした時。
「冬みたいでしょう」
「「「「「な!?」」」」」
男達は驚愕した。何故なら、ここには居ないはずの少女の声が聞こえたからだ。
逃走経路を塞ぐかのように少女はそこにいた。
如月 雪奈。
学院の生徒会長であり、風紀組の総隊長である少女が。




