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黒髪と白銀の剣舞

「珠依 桔梗さん、私と勝負してくださいませんか?」


その一言に場は静寂を帯びた。

丁寧な言い方であったがその言動はどこか、品格があり、別物に思える感じがしていた。


「はい、いいですよ」

桔梗の承諾に今度は静寂を破るかのように歓声が沸き起こった。


「〝炎の巫女〟と〝学院最強〟の勝負か。これは面白い組み合わせだな」

アキトは興奮じみた声で言う。


「剣士たる者、そんなんでいいのか」

「悪い、男としてはこの組み合わせは捨てがたい」

アキトの言葉にシノトはやれやれと肩をすくめた。そして、ふと、視線を感じて感じる方を見ると白銀の生徒会長と目が合った。

白銀の生徒会長は何者をも魅了する笑顔で微笑んだ。シノトは一瞬、ドキッとした。すると今度は桔梗から鋭い視線を浴びせられた。そして、顔は少し拗ねているようだった。

なぜ?とシノトは思わずにはいられなかった。

その後、授業は、中止となり、二人の決闘を見学する事になった。

体育館からグランドに移し、二人は向かい合っていた。回りからはたくさんの声援が響くが二人の耳には何も入ってこなくなっていた。

「ごめんなさい、いきなり挑戦なんかかけちゃって」

「い、いえ、私の方が答えた事なので、むしろ、光栄な事です」

「そんなに、畏まらなくていいのよ。私はこう見えて、普通に接してもらった方が嬉しいのよ」

「は、はあ……」

さっきまでとは違う生徒会長らしくない言葉に桔梗は思わず呆けてしまった。


「しかし、如月会長、一つ、聞いてよろしいですか」

「まだ、ダメか・・・で、何かしら?」

最初の一言に言いたい事はあったがあえて堪えて本題を聞いた。


「なぜ、〝真剣〟でやるのですか?」

そう、今、二人が持っているのは真剣であった。しかも、ただの真剣ではなく、それぞれの家からその者のために造られた刀を持っていたからだ。

総称として〝護身刀〟と呼んでいる。霊力の高い家系では、ある時期が来るとその家の子供に自分の身を守らせるその子供に相応しい剣を造る。それらの事を言うそして、当主などに選ばれた者はそれ以外にその家に代々受け継がれてきた〝剣〟をもらい受ける場合もある。その剣の事は、名称は様々である。

そして、二人の少女の場合は、護身刀を腰に差していた。

桔梗の場合は、黒塗りの鞘に納められた日本刀。

如月の場合は、彼女の特徴でも白銀の髪を表現したような白色の鞘に納められた日本刀であった。

まさに、黒と白の戦いである。


「うん、君の本来の実力を知りたいからよ」

如月会長は、刀を抜く。その姿は、どこか、絵になっていた。

「ならば、その言葉に答えさせてもらいます」

桔梗は腰を沈め刀に手を添える。

「我、刃に灯る炎よ今こそ、我、敵を切り裂け」

一拍置く。

「炎斬!」

抜刀とともに炎の斬撃が如月にむかい直撃した。

如月の姿を直撃した衝撃で起きた砂煙が隠す。

しかし。

「すごい!いきなり見せてくれるね!」


そこには無傷で嬉々として笑う、如月生徒会長が立っていた。










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