夜の街で
真夜中の街。道の街灯が街を明るくする。そんな道を風を斬るような早さで走る人がいた。巫女装束に似た服装に狐の面をつけ、幻想的な黄色や茶色が混ざった髪をなびかせる人。
笛吹き狐こと狐空 志野飛である。
今日も仕事を終えて、逃亡の途中である。
しかし。
シノトは走りながら背後を伺っていた。
気のせいか?
立ち止まり、振り向く。
しかし、視界に入るのは街灯に照らされた道だけ。
やっぱり、気のせいか・・・・。
そう思ってシノトはそのまま夜の街を走っていった。
次の日。
教室では昨日の事件でもちきりになっていた。そのほとんどは笛吹き狐についてが多かった。
シノトが仕事を始めて二週間が断った。その期間で仕事をした数は昨日の事件一件だけでである。世間から見たら、あまり盛り上がらないものであるが、シノトからして見れば
仕事が昨日のだけというのは平和である証拠だ。
そんな風に考えながらクラスの話に耳を傾けた。
しかし。
それと同時に昨夜の事を思い出していた。
昨夜の帰り。確かに誰かが自分を追う〝気配〟を感じた。だけど、少ししたら追う気配がなくなった。
シノトは頭の中で様々な推測を浮かべた。
相手は剣警隊の〝隠密〟か・・・・。
剣警隊の中には様々な場所に潜入し内部の調査などで動く特別な調査隊が存在する。それを総称して隠密と呼ばれている。しかし、存在が知られてはいるが実体そのものは闇の中となっており知っているのは剣警隊の隊長クラス以上の者しか知らないと言われ、ある人は剣警隊が〝日の正義〟なら隠密はその逆で〝影の正義〟だ。と言っている。
さすがに考えすぎかな?
自分の考えにおもわず苦笑した。
他にも考えたが、思考はそこで止まった。
「狐空さん」
そこに桔梗が声をかけてきた。
今では、シノトにとって学院で数少ない話し相手となった少女である。
「あ、はい、なんしょう?」
「そろそろ、授業がはじまります」
「え!?」
壁にかけてある時計を見ると。
授業開始五分前であった。
慌ててシノトは教室を出た。
そんな様子に桔梗は苦笑した。




