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調査、侵入

その夜。

シノトは再び夜の街を徘徊していた。しかし、シノトはある所に向かっていた。夜の街道を進み、時には建物の屋根から屋根へと飛び移っていく。

それから少しして、シノトはある屋敷の門の前にいた。

「この屋敷か」

シノトがいるのは辻斬り達が逃げこんだ屋敷であった。

「さて、始めますか」

シノトはそう言うと屋敷の塀を飛び越えていった。

立派な日本庭園を通り過ぎ屋敷の見張りを掻い潜ると屋敷の中に入り、今度は屋敷の屋根裏に上がり進んでいく。

「うわっぷっ!?」

シノトの顔に蜘蛛の巣が引っ掛かった。

「うあー、ひどいなあ」

シノトは巣を取りながら嘆いた。

掃除して欲しい。という愚痴をこぼしながら進んでいく。


「だけど、この服はなかなかいいな」

シノトが着ている服は黒色の忍び装束であった。祖父から調べにいくならこれでいけと言われて手渡された物だ。かつては祖父もそして父も同じものを使っていたらしい。

しばらく、屋根裏を進んでいくとシノトは下から聞き覚えのある声を耳にした。

声のする方に進んでいくと天井になっている木の板に耳をあてると二人の男の話し声が聞こえてきた。


「上手くいったな」

「はい、これで安心ですね」

満足げな二人の声が部屋をつつむ。

「だが、ぬかりはないか」

「はい、辻斬りに関する情報を教えてやった新聞記者は言いくるめてあります。万が一の時はぬかりはありません」

「よしよし」

部下とおもわれる男の言葉を聞き、男は満足になりあぐらをかいた。

「で、そいつの扱いは?」

「はい、それは・・・・・」

部下は男に近づき耳打ちをした。

(やっぱり、聞こえないか)

さすがの妖狐であるシノトの聴力でも聞き取ることはできなかった。

シノトは収穫なしとみてその場をあとにした。

屋敷の塀を再び越えて着地する。

それと同時に。

屋敷の門が開いた。

慌ててシノトは物陰にかくれた。

屋敷の門から出てきたのは一人の男であった。男は剣警隊の制服を着ていた。しかし、男の様子がおかしかった。辺りを警戒しながら歩きだしたからだ。

(何か変だな?よし)

シノトは意を決するとその男の後をつけていった。

後をつけていくと、街の西側にある一軒の家に入っていった。

シノトも家の庭に侵入するとちょうど話しはじめるところであった。

シノトは急いで家の中の話に耳を傾けた。

「今回の礼だ」

「へい、ありがとうございます」

「他言は無様だぞ」

「へい、わかっております 他言は致しません」

うやうやしく答える男の声が聞こえてきた。

話はそれで終わった。

それからすぐに追っていた男が家を出て、再び、街の中に消えていった。

家の中からは満足げな笑い声が聞こえてきた。

一部始終を聞いていたシノトは怒りで拳を握りしめながら呟いた。

「もう、好き勝手にはさせない」


シノトの調査はこれで終わった。

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