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幽ノ坂 冬火、仲間と戦う。


「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ」


誰もが喉が潰れるように叫んでいた。





ミゼリア王女は、百の黄金強兵と宝大槍を持つクリスタルの将軍を即座に出現させ、


オパールの蛇巨竜の体にまとわりつかせるように一斉攻撃させた。





私とラシ、ミゼリア王女は、魔氷の壁とバリアを重ね合わせ、さらにバフで強化し、スタミナ急速回復も出来る安全域を作り上げて、全力でバックアップする。





アルメヒは、竜に対しては全能力が大幅にアップするらしく、爆塵と鮮やかな火炎纏う黒いかぎ爪大剣を持ち、オパールの蛇巨竜に真正面から戦いを挑んでいる。


魔法陣を蹴って宙を舞い、圧倒的なスピードと驚異的威力の斬撃を奴の顔に食らわして、仲間への攻撃を許そうとしない様は、まるで炎竜が憑依したようだった。





スピードタイプの、シュカ、リチェ、ドアドラ、ゲイドは、黄金強兵達と共に、オパールの蛇巨竜の背に乗り、ブレスを避ける位置にいながら、羽など薄い鉱石の部位を全力で砕いている。


かなり硬いらしく、なかなかダメージが通らないみたいだが、オパールの蛇巨竜はそれをとても嫌がり、冷静な動きが出来ていないようだ。


特に、ゲイドの魔術を組み合わせた体術は、内部に威力が直接届くらしく、偶にオパールの蛇巨竜は大きな呻きを上げている。





しかし、奴の生物としてのエネルギーは理解出来ない程凄まじく、暴れ回ってうねるだけで、何をも寄せ付けぬ絶海の荒波みたいであり、今まで相手して来たどんな相手より強力な威力を放ってくる。


連発する破滅的威力のブレスに関しては、私達が最大限で作り上げた絶壁をも即座に潰しかかる程で、潰されてはすぐに修復しなければ、一瞬で砕け散りそうだ。





ただ、それの同一の場所への集中攻撃を防いでくれているのはルヌの千の目を持つ粘竜で、器用にオパールの蛇巨竜の目の部分だけに巻き付き、視界を阻害してくれているのだ。




ソレイは、アークデーモンに命じたのか、オパールの蛇巨竜の両手とその鋭い爪が、仲間を掴もうとした時、マグマの火柱の魔術で完璧に阻止させている。





私達の、余りの様々な攻撃に憤怒したオパールの蛇巨竜は、壁に沿ってぐるぐると飛行し出し、乗っている者達を一斉に振り落とそうとしていた。





シュカ、リチェ、ドアドラ、ゲイドや黄金強兵達、クリスタル将軍は、壁に挟まれぬよう移動してしがみついている。





「まずいですっ!!!」


私はミゼリア王女に叫んだ。




ミゼリア王女は、何も出来ないこの状況に苦い顔をしている。







その時だった――




アルメヒが、反対側から同じように、壁を蹴って超速で周り出し、体自体も大回転させがら凄まじい火炎纏う黒大剣で奴に突撃する。


アルメヒはギリギリで逸れ、オパールの蛇巨竜の腹部一直線に超一閃を決め込んだ。




オパールの蛇巨竜は悲鳴のような呻きを上げ、地に落ちる。




すかさずクリスタルの将軍が、黄金強兵達に何かを命令すると、黄金強兵の軍勢は集団魔術を唱えだし、クリスタルの将軍の宝大槍は激しく煌めきだした。




オパールの蛇巨竜は危機を察知し、再び飛ぼうとする……




が、その神々しい槍は、弓の様に勢いよく放たれ、二枚の翼膜を豪快に貫き、飛行不可な程に激しく損傷させた。




再度、オパールの蛇巨竜は轟音を立てて地面に落ちる。




その瞬間シュカが、十字の残光が現れる居合を全身にくまなく連撃で浴びせかけ、末端の尾に、風の閃光が光る特大十字居合を最後に決めて、尾を切断した。




オパールの蛇巨竜は苦しみながらも足掻きだし、口の中に最高出力のブレスを溜める。




しかし、ゲイドがフルパワーのアッパーカットを決め込み、獅子の牙のような波撃が喉辺りに食い込み中断される。




さらにゾディがフロアを駆け出し、溜めに溜めた暗黒属性の特大の塊を、オパールの蛇巨竜の腹部に投げつけた。




その衝撃に、オパールの蛇巨竜の体は激しく後方の壁まで吹き飛んだ。




上空を見れば、アルメヒが超必殺のような構えをし、琥珀色のオーラで竜の影を作っている。




「今しかない……」


私はボソッと呟いた。




「行って冬火!!!」


ミゼリア王女が私に叫ぶ。




しかし、ここから私が離れれば……




「冬火!!!」


ラシも大声を上げる。




やるしかない……




私は今までの人生の中で一番速い速度で駆け、オパールの蛇巨竜に術が当たる位置まで行く。




そして……




「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




体の全ての細胞から魔力を総動員して、極氷の巨大な手を作り、オパールの蛇巨竜の胴と顔を抑え込んだ。




「アルメヒさん!!!!!今です!!!!!」




アルメヒは頷くと、至極鋭い炎を剣に纏わせ、大きな円を描くように回転し出し、超巨大竜の爪のようになり、そのまま三連撃、オパールの蛇巨竜に叩き込んだ。




斬撃の箇所は直視出来ない程の鋭い閃光が起こった。


直視した頃には、怪獣が引っ掻いたような、大きな爪痕が三つ刻まれていた。




……




フロアに静寂が訪れた。




そして、オパールの蛇巨竜は次第に淡く光る。


それは終わりを意味し、ゆっくり姿を消しだす。


その一部が、アルメヒの体へ入って行く。


宝箱は無かったがフロア中央に、黄金の粒子の柱と共に、いにしえの宝剣が現れる。




そして、最奥の棺が音を立てて開いた。




みんなは本当に出来たんだと唖然とした顔をしている。




そんな中、ミゼリア王女が一番に泣きながら声を上げた。


「皆さん!!!!!私達はとうとうやったのです!!!!!試練の大迷宮は私達によって、今、この瞬間、完全に制覇されました!!!!!」




その声に一同は、やっと目の前の出来事を理解し、全員が歓喜の声を上げ、手を高く掲げた。

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