表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
13/25

幽ノ坂 冬火、連携の大事さを知る。


その日は快晴だった。


私達は四人は、やっぱりパーティーの連携って大切だよねーと、宿屋の近くの料亭で女子会みたくゆるく喋り、そのままギルドでモンスター討伐の依頼を受けた。




今回の討伐モンスターは、草原に潜む荒くれ者のスタチューと言う、魚類と巨大獅子を組み合わせたようなC級モンスターらしい。報酬は銀貨七枚だ。


どうやって混ざったの?禁断の恋じゃんとか思ったなら君は友達。




名前の響だけで、ラシがこれが良いと気に入ったので私達は、まぁラシが喜ぶならと、なんとなく頷いた。


手配書をよーく見ると、受付のお姉さんの手描きの可愛らしい絵柄だが、ホホジロザメと化け物獅子を混ぜたような、えげつない凶暴さが垣間見えたので、内心、心臓がバクバクいっている。


もはや、言い過ぎてボクって言ってる。私は心臓のボクっ子かもしれない。




私達はパーティーではあるんだけど連携性は今の所ほぼ皆無だし、むしろ不連携過ぎて個々の能力が下がる可能性もあるなって、実は心配してる。




どうしたことかな……


仲良しだから、騒ぐ方のパーティーは得意っぽいんだけど。




後、スタチューって名前変えようよ、誰もが可愛いの想像して油断するって。


あの絵柄も相まって、欺かれて破滅した冒険者絶対いまくりでしょ。


幸いにも私は、なんとなくこの狂気に気づいてるけども……




なんだよスタチューって……


今度、おばあちゃんにスタチューって言って見よ、反応気になるわ。


きっと野菜とかの名前に聞き間違えるに金貨1枚。




あ……




私、もう帰れないんだった。








いにしえの都市外れの草原――




「きおっちぃなー」


シュカが、相変わらず露出度の無駄に高いカラフルな忍者装束で伸びをした。




「なんて言ったんですか?」


ゾディは、金髪の長い髪とパッツンに切り揃えられたその前髪を、懐かしい匂いの風に揺らしながら真面目にツッコんでいる。




「おっちいって言ったのよゾディ」


ラシも桃みたいな色の髪を風に揺らしては、草原の遙先を見る遠い目で答える。


相変わらず優しいなラシは。


バカクソ天然だけど。


おっちいって、草原でいきなり言う奴なんかいないよ。




「そうですか……おっちぃ草原ですね」


ゾディは、勇者みたいな剣を風にくゆらせながらそう言った。




もしかして、全部おかしいって思える私マトモ?




「みんな今回の報酬は何に使うの?」


私は地面の小石を拾って遠くに投げながら言う。




いや、青春映画すぎるだろ。空も青くて広いわ!




「タコ食べたい」


シュカはスタチューって名前にやられたな。




「新作の本が発売したのです。なんと、男同士の恋愛らしいんですよ!」


ゾディ、ちょっと危ない路線だよ。先輩からの忠告。




「貯金かな?あ、それとみんなにクッキー作る材料買いたい!」


ラシ……将来絶対一緒に住もうね。




「冬火はなんなんだ?」


シュカが私の尻を触ろうとしながら言った、勿論可憐に避けたが。


やっぱりこいつ確信犯だ……一瞬片方の口角にぃって上げて意味ありげに笑ったし。




「私は、炎の化身のランプかな。市場の骨董品店に売ってたんだ。高かったから詐欺かと思ったけど、なんか気になって。店主曰く、山を吹き飛ばす程の魔力があれば封印が解けるらしく、解いたら良い事があるらしいんだ……」


ひとりだけ、真剣に言ってちょっと恥ずかしい。




「え!超面白そう!私も金出すよ」


シュカはエメラルドの瞳を輝かせて小躍りしだす。


言い方もうちょっとどうにかなんない……?




「なんかやばそうな気もしますけど……」


ゾディは相変わらずバブだから怖がりだな。




と言うか、遠くの丘にいるのスタチューじゃないか。


空に向かって大口開けてるあのトラウマ級の怪物。




「冬火らしいね、私も協力するわ」


ラシは私の肩を抱いて、顔をスリスリーっと寄せてくれた。


前の世界でラシみたいな友達いたらよかったな……


放課後とかも街で遊んだりして……




みんなも、既にスタチューを凝視している。




「競争だ!!!ノロマはおいてくぜ!!!」


シュカは、刀を両手に構え、疾風の如く草原を駆ける。


もう……個人プレー。




「あっずるいですよ!シュカさん」


ゾディは、子供剣士みたいに後をついて行く。


受付のお姉さんは、ゾディ強いって言ってたけどホントかなぁ……




「ラシ、スタチュー超凶暴そうだから、私の後ろから絶対離れないでね」


私は、強い眼差しで言う。




「うん、ずっと離れないよ」


二人になった時、こういう事を結構言ってくれる……






そして私達は、大型バイク並みに駆け足が速い、スタチューの躍動に驚いて、一斉に踵を返す。




「スタチューやばいっ!!!一旦退避!!!悪霊たいさーーーん!!!」


シュカは尚適当な事を言って、一人だけ木によじ登る。




「うわああああ、いやああああ」


ゾディは言葉をなさず、ただ叫び声を上げて剣を振り回しながら私達の方に突撃して来る。




「おいおいおいゾディっ子前見て!」


私は、錯乱してるゾディに呼びかける。




「見てますよぉー!!!でも、あれ怖いですぅーーー!!!」


剣士にしては可愛すぎるんじゃないかと思う程のスカートをふわふわ揺らし、泣き出すゾディ。




スタチューはもう目の前まで来ている。




「お姉ちゃん助けます!あああああ!!!」


ラシはボロボロッの杖を掲げて、スタチューに突進し出した。




「ラシ約束!!!」


私はすかさず後ろから走って追う。




もう!!!どんなけ命知らずなんだよ。


スライムみたいに濡れるだけじゃ済まないよ?




そして、シュカが叫んだ。


「冬火!!!後ろ!!!」




私が振り返ると、そこには小さな子供スタチューがいた。


「うわぁ!!!なんじゃこれ!!!目クリクリじゃん!!!」




しまった!ラシ!!!




ラシはあろうことか無意味なラシアタックを百獣の王×ホホジロザメ様に決めようとしていた。




「ラシ!!!!!」


私はイメージする……


白く燃える氷が……




が、しかし……




スタチューは、ラシにほとんど興味を持たず横をすり抜け、頭を抱えて蹲るゾディを飛び越え、子供スタチューと一緒に草原を駆けて行った……




あ、これあれだ。




モンスター討伐失敗のやつだ!!!!!




「ちくしょう逃げられたか、こっから飛び乗ってやろうとしたのに」


シュカは陰湿なサルみたいな事を言った。




「えーーーい!えいえいえい!!!きゃあっ」


ラシは目を閉じて杖を振り回し、ゾディに躓いて転んだ。




「うわーーーん。スタチューに蹴られましたーーー」


ゾディは勘違いして泣いてる。




このパーティー……最弱じゃん……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ