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百合△から逃げられない!?  作者: りんきり
1話 再び動き出す、わたしのガールミーツガール!
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推し活でストレス解消、これが生きがいなんだよねぇ

 放課後、昼間あった嫌なことを忘れたくてわたしはすぐにライブ会場に向かった。といっても随分前からチケットを抑えてたライブなんだけどね。自宅からそんなに距離の離れていない、キャパ2000人ぐらいのライブハウス。わたしのストレス発散方法はライブやオタ活だった。

 会場に着くと開演時間までに物販で推しのグッズを買い漁った。このときのためにアルバイトしてるようなものなのだから。日々の労働が報われる至福の時間を過ごす。

 ライブが始まると会場はブチ上がり。開幕から盛り上がるロックナンバーで、ボルテージマックスで観客席のオタクたちは沸きまくった。

 今わたしが一番ハマってる、人気急上昇中かつ売り出し中の5人組アイドルグループ『片想いラプソディ』。きっと陽ちゃんだってまだ知らない、わたしだけが知っているグループだ。そのメンバーの1人、櫻咲くれはちゃんがわたしの推しだった。

「最後まで全力でついてきてよねーー!」

 わたしの推しが会場を煽って、ライブTシャツを着た群衆が狂喜乱舞する。

 長い茶髪のツーサイドアップ。穏やかな性格で、綺麗系と可愛い系を両方バランスよくミックスした、万人受けする容姿。まっすぐな意志を感じさせる輝くような瞳。そして時折見せる真剣な表情にギャップ萌え。まさに女の子の理想形、王道の美少女って感じ。

 とてもわたしと同い年の女の子とは思えない、わたしの理想で憧れの女の子だった。

「くれはちゃーん!!!」

 目の前で推しが躍動している姿を見て、いつもだったら絶対に出さないような大声を出してしまった。今はまだセンターではないけど、この子は将来絶対大成する。そんな予感がバチバチに漂っている気がした。

「あい! あい!」

 わたしもノリノリでコール&レスポンスを繰り返し、推しカラーの赤いサイリウムを力いっぱい振りまくる。学校の体育の時間ですらこんなに激しく動かないでしょってぐらい、全身で熱狂する。

 こうして無心でサイリウムを振っている間だけは、もしかしてわたしは陽キャなんじゃないかって錯覚できる。何も考えず、日常の雑念から解き放たれる感覚。誰にも邪魔されずにサイリウムを思いっきり振っている瞬間が一番楽しいかもしれない。

「みんな盛り上がってる~~~~?」

 センターの子も掛け声を入れて、さらに会場は盛り上がる。センターの子の真横で踊るくれはちゃんを見ていると、なんだか幻覚が見えてきたような気が。あれ、おかしいな。目を擦ってみると、推しの背後に光輪ヘイローが見えるんだけど。

 ライブ終盤にさしかかってきて、明らかにメンバーも疲れが見えてきた。それでも彼女たちは、笑顔を絶やさずに歌って踊ってステージで一生懸命咲き誇る。

 観客席から見える推しの笑顔は、スマホの画面越しで見るよりもよっぽどキラキラして輝いていた。実体として推しがそこにいて、わたしの肉眼で確認できて、スポットライトの光がほとばしる汗をキラキラと反射させる。日常では味わえない感動が、たしかにそこにあった。

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