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女神に騙され異世界へ!貰ったチートは欠陥品の詰め合わせでした。〜雑魚い俺には努力が必須ですが、大成するのは間違いなさそうです〜  作者: ゴローさん
第三章 女神復活(神国編)

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第54話 2回目

「ええ〜〜!武器スキルだけぇ!!?」


テンションの上がりきったゾフィーが、駄々をこねるように言い放つ。


「当たり前だろ!なんで料理せなアカンねん!世界滅びるぞ!滅亡3分前クッキングか!?バカ!」


「ぶー!!」


「可愛くしてもダメ!!」


『………そろそろいいかしら?話の続きだけど。』


「話?はなし?どこまで話したっけ。」


『アンタのスキルはちゃんと強いわよってところかな。素振りに限らず、アンタに蓄積された経験はウソをつかない。モンスター倒して得られる経験はムリだけど。』


「それはなんで?」


『……そこまでするリソースが無かったのと、邪神にバレたくなかったから。もう手遅れだけど。』



……うーん?


「……つまり女神様は、アキーラ君に出来るだけ目立って欲しくなかったのさ。静かに、しかし確実に強くなるように設計したかったんだろう。」



「そうなん?」


『べ、べつにアンタが好きとかじゃなくて、死なれたら困るだけだから!』


俺なんも言ってないよ?

まー、死なれたら困るんだろうけどさ。


『……とにかく、邪神にバレた以上、一刻の猶予も無い、と思うんだけど……。』


けど?けどなんだ?


『正直、意外と余裕あるんじゃないかとも思うのよね。アイツの性格的に、完全に遊びだと思ってる。実際アイツはここで負けたって、滅びる訳じゃない。』


「なるほど、今邪神の力は、女神様、あなたの分の力も含めて、まるまる2柱に近い。つまり一度負けたくらいどうということは無い。」


『そゆこと。ナメてんのよアイツは。』


まぁ千年勝ち続けてきた相手になら舐めプもするわな。


でもそれは、こっちにとってはチャンスってことだ。

ならそれを活かさない手はねーな。


「じゃあその隙を狙って……。」


『そうね。』


「アキーラ君強化週間開始だね!!」


ゾフィーさん?世界のピンチだよ?




「で、実際のところだけど。何すりゃいーの?てか、どうすりゃ勝てるわけ?」


『………正直わからない。』


「まぁ1回も勝ててないもんな。」


『うるさいわね!………でも、そうね。神のスキルは全部100なのよ。』


「…………は?」


『神のスキルは全─』


「いやいや、わかった。……無理じゃね?勝つの。」


「そうだねぇ。無理だろうねぇ。……普通は、ね。」


『そうね。普通は無理でしょうね。』


「なんで二人で納得してんの。ちゃんと言ってくれ。」


「アキーラ君なら、何とか出来るんじゃない?君はこの世界の常識に染まっていない。邪神は千年、こっちの世界でドンパチやってるんだ。その裏をかけるとしたら、アキーラ君しかいないと思うな。」


『そうね。……ま、ワタシはどっちにしても、ずっと前からアンタに賭けてるから。』


おいおい、こいつら……。

自分の命掛かってるてのに。


……いや、違うか。


俺に、賭けてくれてるんだな。


だったらよぉ!

ここでやらなきゃ、男じゃねぇなぁ!!!


「しゃーねぇ!やってやるよ!」


『っ!アキーラ!!』


「邪神だかなんだか知らねーが!俺を見逃したのが運のツキだ!もう悪さする気が起きないように、ぼっこぼこにしてやんよ!!」



俺がそういった瞬間、時が止まった。

さっきまで俺を応援してくれたゾフィーも、見守っていたフレイも、皆、凍ったように動かない。

この感覚、前に覚えがある。

『あいつ』だ。



「うふふ、男の子って、やっぱり素敵ね。ほんのちょっとのきっかけで、ここまで変わるんだもの。」


全身に怖気が走る。


ここにいるはずがない。


いてはいけないはずの姿。


聞くはずのない声で、『あいつ』は話しかける。


「やっぱり、あの時見逃したのは間違いじゃなかった!私、こんなに楽しみなのは本当に久しぶりだわ。……ねぇ、アキーラさん?私、あなたにボコボコにされちゃうのかしら?」


邪神の手が、俺の胸を撫でる。

慈しむように、愛おしむように。


虫も殺さないような笑顔で。


本当に、楽しみなんだろう。


動かないといけないはずなのに、指の1本すら動かせそうになかった。

でも、フレイヤは違った。


『アキーラからぁ、離れなさいよ!クソ邪神!!』


激しい光の奔流が、邪神の肩を、腹を、全身を貫く。

どう考えても致命傷なのに、顔色一つ変えずにニコニコしている。


今はそれがとても気持ち悪い。


「いやだなぁ、女神フレイヤ。こんなところで始めちゃうの?私たちが本気を出したら、アキーラさんが死んじゃうわよ?」


『っ!!……クソッタレめ!』


「あはは!怖い怖い。……それじゃあアキーラさん?もっともーっと!私を楽しませてね?信じてるからね?……わかった?」


「………ちょっと待ってろよ。ちゃーんとボコボコにしてやるからよ。」


「うふふ。ようやく見てくれた。あなたは、私のお気に入りなのよ?ちゃんと、相手してね?………逃げたら、許さないから。」


それを最後に邪神は姿を消した。

と、同時に固まっていた時間が動き出す。


瞬間、息をするのを忘れていたことを思い出す。


「はっ、はっ、はっ、ふ、ふ……へへ。何あれ。あんなやばいの?」


『……アキーラ、あれがアンタが倒さないといけない相手よ。今見られて、良かったわね。』


「…?アキーラ君、どうしたの?凄い汗だよ。大丈夫?」



今の俺には、ゾフィーに返事する余裕なんて、欠片も残ってなかった。


思わず、胸を触る。

気持ち悪い感触がこびりついていた。

───逃げ場は、初めから無かったみたいだ。



第三章、完

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