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女神に騙され異世界へ!貰ったチートは欠陥品の詰め合わせでした。〜雑魚い俺には努力が必須ですが、大成するのは間違いなさそうです〜  作者: ゴローさん
第三章 女神復活(神国編)

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第48話 神の存在証明

ズキン、ズキン、


心臓が動く度に、激しく背中が痛む。


息をするのも億劫になりそうだ。


「きみのしは、われわれにとってのすくいなのだよ。あきーらくん。」


このクソジジイ!虫も殺しませんなんて顔で、いきなり刺してきやがった!!


「だからって、俺が黙って死ぬと思うぅ?そうはいかねーよ!!」


「だから、こうしてさしたんだよ?いたいだろう?さぁ、らくにしてあげよう。」


どうする?曲がりなりにも教皇サマなんだろ!?ぶっ殺して大丈夫なのか!?


─ガタッ


「──教皇、様?いったい、何を…。」


音のした方を見ると、フレイが目を見開いて立っていた。


ああ、もう!ややこしくなってきたなぁ!!



「教皇様!どうして、アキ様がケガしてるんですか!?アキ様は女神様の!!」


「だからだよ、フレイ君。女神様に目を掛けられる存在だからだ。」


教皇は語る、自身の思いを、この世の現実を。


「この世界は女神フレイヤによって作られた。だが、どうだ?才能のあるなしで人々は差別され、才能無き者の努力には意味がない!誰がこの世界を作った?何故、こんな世界にした?なぜなぜなぜなぜ?誰も答えを知らない。……私はね、気付いたんだ。女神はもう、この世界に興味を失っている。」


あー、それ、マクロのせいだわ。

はは、ほんとにあいつのせいじゃん。


努力に意味が無いってのには、異論を挟みたいけど。


【苦痛耐性Lv1を取得しました】


っ!!はっ、そうかよ。

まだ、頑張れってか?


「彼を殺せば、女神様は我々を見てくれるかもしれない!」


「だけど!!女神様はそんなこと、仰ってません!!」


「フレイ君、認めたくない気持ちはわかる。だが、私は救いを得たのだ。それを君にも教えてあげよう。ふふ、ふふふふふ!!」


教皇はポケットから禍々しい光を放つ石を取り出し、躊躇うことなく飲み込んだ。


「これは、じゃしんさまのおお、おちからお、このみにいいいい」


教皇の体がどす黒く染まったかと思うと、体中が膨張し始めた。


スキルのおかげで多少はマシだが、痛みでまともに動けない俺を尻目に、教皇はどんどん人間離れしていく。


「い、いや、いやああああ!!教皇様ああああ!」


「あ、おい!危ねぇ!」


半狂乱になったフレイが教皇の元に走る。

だが、教皇はさして興味もないように、一瞥した後、巨大化した腕で周りごと薙ぎ払った。


グワァァァァァ!!

バキィ!


激しい音と共に、壁に打ち付けられるフレイ。

気を失ったのか、ピクリとも動かない。


「クソが…。」


「くくくくくるるるるしいいかいいいい?ららららくくににいいい、しててててあげるよおおおおお!」


準備が終わったのか、常人の3倍ほどに膨れ上がった体を動かし、こちらへ走ってくる教皇。


「はぁ、チョー痛いけど、しゃーないか。クソジジイ、今楽にしてやるよ。」


俺は誓いと共に、剣を抜き放つ。


エルザが作ったこの剣は、決して折れず、曲がらない。

生みの親に、ただそうあれと、願われて生まれたから。

どれだけ絶望しようとも、逃げず、立ち向かうことを、俺は課されたのだ。


だから、この剣を抜くときは決して諦めない。

この命が尽きるその時まで、抗って抗って、抗い続ける。

それは無謀ではない。

必ず、生きて帰る。必ず。

ただそれだけを誓う。


「はは、化物退治にゃ慣れてきたが、元教皇ってのは、初体験だ。」


そう軽口を叩く。


背中の傷がズキズキ痛む。

痛みはマシだが、まともには動けそうもない。


恐怖はある。


だが、体は震えても、心までは屈しない。

絶対に。


その時、優しい光が俺を包み込んだ。

……なんだ?背中の痛みが、消えて…。


警戒しつつ周りを見渡すと、フレイが震える手をこちらにかざしていた。


「ア、キ、さま…。逃げ、て…。」


そう言いながら伸ばした手をだらんと下ろすフレイ。


自分だって、辛いくせに…。


はぁ、元々そんなつもり、無かったけどさぁ。


逃げない理由が増えちまったよ。




「しししししし、しねええええええ!!!」


もはや意思ある言葉かも怪しい音を放ちながら、巨大化した両手を振るう。


ただそれだけで、まるで嵐に巻き込まれた木の葉のように、ズタズタになるだろう。

普通ならば。


──心眼


心眼のLvが上がったときに、俺はある事に気が付いた。


周りの動きが遅くなっている。


予兆はあった。

シュタルクガルドのギルド、グリフォン。


相手の攻撃が遅く見えた、間に合わないはずの防御が間に合った。


Lvがあがったとき、それは確信に変わった。


「──悪いけどさぁ、止まって見えるぜ。アンタ。」



荒れ狂う嵐のような攻撃を、躱す、躱す、躱す。

余波で軽く皮膚が切れるが、気にしない。


もはや、剣の腕の問題ではなかった。


相手の拳にそっと添えて、切る。


それだけで、充分だった。


幾度かの衝突の後、大勢は決していた。


「はっ、あっという間に血だるまだなぁ。今どんな気持ち?」


「きききさささまままああああああ!!」


それでもまだ暴れ回る教皇。

おいおい、床抜けちゃうぞ。

諦められないのか、必死の形相で向かってくる。


「悪いけど、邪神関連はぜーんぶ潰すって決めてんだ。恨んでくれるなよ。」


相手の攻撃を利用して切る。

それに、身体強化を乗せる。


相手も必死だ。

力は相手に分があるが。


「──ここは、俺の間合いだよ!」


「おらあああああああ!!!!」


「ぬううううううううう!!」


ズズズズズズッッッ


相手の攻撃に合わせる。

腕を2つに切り裂く。


堪らず膝を突く教皇。


今なら、届く。


──じゃあな。


「お疲れさま、クソジジイ。」

「かみ、さま…。」


スパッ

ドォーン!!


首から上が無くなった教皇は、もう動くことはなかった。



「いてててて、ちくしょう。思いっきり刺しやがった。」


幸い、命に別状はなさそうだ。

フレイの回復魔法のおかげか、血も止まっていた。


「でもこれ、どーしよー…。」



そうやって一人で立ち尽くしていると、外が騒がしくなっている事に気が付いた。


「そーいえばこれ、見方によっちゃあ俺って結構ヤバい?」



血まみれの元教皇。

壁にもたれて気絶する聖女。

剣を持った不審者。


チーン!犯人はリンリンです!!


「おいおいおいおい、勘弁してくれよお。」


そう言いながら扉の方へ、体を向ける。

すでに少しずつではあるが、回復はしている。

なりふり構わなければ、何とかなるかな?


ギッ、ギッ、

あ、扉、カギ掛かってたのね。


そう思った瞬間、

………ドゴオオォォォン!!

扉が爆発した。


煙の中から出てきたのは、見慣れた相棒だった。


「あ!アキーラ君!ようやく見つけたよぉ〜。もぉー!ダメじゃないか!!」

「ゾフィ〜、はぁ助かったぁ。」


そう安心した瞬間、俺は気絶してしまった。

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