第38話 心眼の真価は
「ええ!?アキーラ君、グリフォンに、会ったの!?いいな!いいな!いいなぁ〜!!」
ゾフィー、通常運転。
アキーラ知ってる。
「ねぇねぇ、どんなだった?強かった?教えて教えて!」
ゾフィーの太ももの上でごろごろしながら答える。
「うーん、強かったよお。気配感知で捉えられない攻撃されたし。心眼なかったら死んでたなあ。」
「あ〜、そうか。アキーラ君、魔力感知持ってないもんね。多分風魔法だろうねぇ。グリフォンだし。…あ!でも心眼なら見えたんだね!?ということは心眼は周りの環境の精密把握だけでなく、魔法的な要素も感じ取ってるってことに…、えー!ちょっとアキーラ君、実験しよう実験!」
ほらきた!やっぱりな!
「うーん、やだ!疲れたから寝る!」
俺はアキーラ・リンリン!俺を縛りたければ、借金でもさせるんだな!!
「え〜、そんなこと言わずにさぁ。すぐ終わるし、終わったら寝ていいからぁ。あ!そうだ!お風呂入れてあげるよ!どう!?」
「早くやるぞ、ゾフィー!時間は有限だ!急げ!」
「私はちょっとアキーラ君が心配だよ。」
俺もだよ!
いいから!早く言って!!
「じゃあ早速だけど、とりあえず心眼切ってくれる?」
「ほ?心眼ね。はい、オッケー。」
ゾフィーに言われて、心眼を切る。
おお、世界がボケる、ちょっと不安だ。
「切った?じゃあはい、今後ろにあるもの、わかる?」
ええ?後ろにぃ?
何もないけどな、何だろ。
「わかんない?じゃあ後ろ向いてみて。」
ほー?クルッとな。
っ!これは…。何?
ちっちゃい炎の、トカゲ?
「これはサラマンダー、精霊だね。私が今召喚したんだ。やっぱりアキーラ君、わかんないんだね。」
「ほぇ〜、これが…。で?」
「うん。じゃあ心眼意識して?」
「っ!ああ、わかるよ。」
わかる。
ものすごいエネルギーが、こいつに詰まってる。
このサイズに収まってるのが信じられん。
さっきのグリフォンより、こいつの方が…?
えー、なんで俺、気付かなかったん?
「多分ね、アキーラ君は魔術的な素養が無いと思う。普通は、心眼なんか無くても、強い魔力の奔流を精霊から感じられるはずなんだよ。転生のせいかな?」
「ええ!それって…。」
「うん、多分だけど、アキーラ君の元の世界が影響してるのかな?この世界の誰もが当たり前に持ってるものが欠けてるね。女神様が、意図してるのかはわからないケド。」
違う!そんなのどうでもいい!!
俺は思わず、ゾフィーの肩を掴んで問い詰める。
「ゾフィー!それじゃあ!それじゃあよ!」
「え?あ、ええ?ど、どうしたの?アキーラ君?」
「なぁ!じゃあ俺は、俺は…、魔法使えないってこと!!?」
そんなの!ひどすぎる!!
「確定的に明らかだろうねぇ。才能、ゼロ!ってやつかな。」
あ、お前、楽しんでるな。許さんぞ!!
「はぁ〜、マジかぁ。」
そんなゾフィーの衝撃的な告白を受けて、傷心中の俺。
約束通りお風呂に浸かって、なんとかメンタルを立て直そうとしていた。
「心眼は、俺の生命線だから、絶対に切らないように、ねぇ…。」
まぁみんなが当たり前に感じるものが俺にはわからない訳だから、筋は通ってるけど。
そういえば、危機感知もグリフォンに反応したのに、あいつの魔法攻撃には反応しなかったもんな。
「でも心眼なぁ。Lv上がっても範囲広がらないんだよなぁ。」
そうなると、俺は半径3m以内に攻撃が来るまで、何されたかわからない訳だ。
いや、そうでもないか?実体さえあれば見える訳だし。
問題は不可視の攻撃と、後ろからこっそり精霊が来たときだけ?
「警戒すべきかそうじゃないか、ビミョーな問題だなあ。」
そんな事を考えながら、あたたまるポカポカリンリンなのであった。
バターン!
「アキーラ君、一緒に入るー!?」
「ぶはぁ!もう出るもう出る!待って待って待って…、あー!!見えてる見えてる!ダメ!」
ゾフィー素っ裸じゃん!羞恥心ないの?ないか。
ええ体やな…。ってダメダメ!
思わず目をつぶるが、アカン!心眼で丸見えや!!
「ほらほら、どう?興奮する?」
や〜め〜ろ〜よ〜!!
セクハラだぞ!もう!!




