第31話 火中のクリあっちあち
「だから俺はよ、あいつらと誓ったんだよ。ゾフィーリア様みたいな、立派な冒険者になろうってさ…。」
「うんうん、わかるよ。」
ミスったあああああああ!!
めっちゃ地雷だったわ、この子!!!
だってもうずっと愚痴ってる!前向かない!
冒険者なら動かなきゃ!
もう2時間は経つよ?なにしてんの?暇なの?
「うう、それなのによぉ、あいつら。俺があ、あ、足手まといって…、うあああ〜〜ん!!」
だぁぁぁぁあ!それも、もう、聞いた!5回は!
ゾフィーに憧れて!田舎からみんなで!ここで冒険者として!2年!頑張ったんでしょ!知ってるよ!聞いたから!
「あのさぁ、そろそろ行っていい?リンリン飽きてきた。」
「は、はぁ!?お前から話しかけてきたんだろ!!最後まで付き合えよ!あ、ていうかお前!ソロだよな!パーティ組もう!パーティ!な!?」
「ええー…、メリットは?」
「め、メリットは…、お、俺みたいな、可愛い冒険者と一緒に組めるんだから、それでいいだろ!」
オレっ娘かよ!しかも自分で可愛って…。
いやまぁ否定はしないけどさ…。
うーん、でも、この言い方は良くないな。
ちゃんと言っとこう。
「…自分で言ってる意味、わかってる?」
「え?な、何がだよ。俺、結構可愛いって言われてるぞ。」
「だから、それを男の俺に言って、一緒にパーティ組む意味、わかってるの?そういう意味で受け取るよ?良いの?」
オレっ娘君、ちょっとポカーンとしてる。わかってなさそう…、あ、顔真っ赤になった。理解したか。良かった。
「わかったみたいね。じゃ、今のは冗談として受け取るよん。良かったね、ほなさいなら〜。」
後ろを振り向き一目散に退散しようとした俺の体が、後ろに引っ張られる。
なんだぁ?
「………それでいい。」
「へ?」
「それでいい!!そういう意味でいい!良いから組んでくれ!」
なんでそーなるの!?
「そ、それじゃあ、自己紹介からな!お、俺はトルテってんだ。よろしくな!」
「……リンリンです。」
ほんと、なんでこーなったんだろ。
ザマァくるの?このあと。こないとおこるよ?
「えっとじゃあ、とりあえずさ、せっかくパーティ組んだんだし、パーティ名決めない!?」
ノリノリすぎだろ!!
もっと先にやることあんじゃないの?知らんけど。
「うーん、じゃあリンリンとトルテでリンリントルテで良いじゃん。けって〜い。」
「ええ〜!なんか抜けててやだなぁ。…でもリンリンとトルテか、くふふ。悪くないかも。」
なんかノリノリじゃない?期間限定だよ?
「よし!じゃあ早速討伐依頼を受けようぜ!リンリンはランクいくつ?俺はEだぜ!」
「ええ…Fランですけど?なにか?」
「え?えええF?Fなのに、そんなに、偉そうなの?あははははは!Fなのに!なにそれ!」
はぁ、リンリンやっぱ帰ろうかな。
「よーし、じゃあ俺がリーダーな、Eだから!くふふ!」
「うんうん、もうそれでいいよ。どすんの?」
「えーっと、うーん…、どうしよ…。」
頼んないなぁ!もう!ゾフィーを見習え!
「あ!じゃ、じゃあこれにしよう!」
んん?なーに?
ゴブリンの巣の調査
概要:森の中でゴブリンの目撃が増加している。森の中にゴブリンの巣が作られている可能性があるため、その調査を頼む。討伐の必要はなし。場所を確認し戻ってくること。
報酬:発見した場合に限り、3000イェン
達成目安:2〜3日
ええ〜、これ大丈夫か?苗床コースにならん?
うーん、最悪担いで逃げればいけるか?
「まぁ、ええか?うん、いいよーん。」
「よし!じゃあ決まりだ!早速準備していくぞ!今日は泊まりだ!腕がなるぜ〜!!」
え?ああ、そうか。森の奥、だもんね?泊まりか…、リンリンわかってなかった。
15000イェン…。
とはいえ何を用意すればいいのか全くわからず。トルテの後を付いて同じのを購入する。
ギルドに売店あるなんて便利ね奥さん。
あらやだ、だけど割高なのよぉ!知らんけど。
「まったく!リンリンはダメだな!泊まり依頼したことないなんてな!!くふふふふ!」
「そうねぇ。」
達成報酬3000イェン、準備に500イェン。
報酬はんぶんこで手取り1000イェン?
やる気でねぇ…。
「さぁ!いくぞ!リンリントルテの栄光への道はここから始まるんだ!えいえいおー!」
「おー。」
「声が小さい!えいえいおー!!」
「えいえいおー!!!」
「くふふふふ!その調子だ!楽しいなあ!」
そうして、森へと向かう。EランクとFランクの急増パーティ。
絶対フラグやんけ!!
もーやだ!




