第18話 才能1です。
「……ふふっ、まぁそんなに身構えないでよ。私に君をどうこうするつもりはないよ。」
「そりゃどーも。ただまぁ、俺みたいな小市民には刺激が強すぎてな。思わず力が入っちまったよ……。」
(ここだけ世界観違うわね………)
おい力抜けるだろやめろよ。
(えー?なんでよぉ、ワタシこの空気耐えられないよー)
だって何か明らかにヤバそうじゃん!
(もう遅いわよ、この部屋魔術的に強化されてるし。こりゃーすごいわねー)
すっごい他人事だな。
え?天罰落としてくれるんだよね?
(……………ん?)
おい!頼むぞ!おい!
(前向きに検討させていただきます)
それやらないやつじゃん。
「ま、そんな怖い顔しないでさ!私のお願いを聞いてほしーな!ワケアリなんでしょ?お金にも困ってる。私は損させないよ?」
ぐぬぬ、それはまあ確かに。
「それに自分で言うのもなんだが、私は一般的な感性では大変に見目麗しいそうだ。そんな私と一緒に暮らせるんだよ?役得だろう?」
うーん、確かにどえりゃあベッピンさん!なんだがそれ以上に俺のセンサーが鳴ってるんだよねぇ。リンリンリーンってな、うるせぇよ。
(リンリンうるさーい♪)
お前のそのノリ久しぶりだな。10話くらい?
「……ねぇ、そんなに嫌かい?私はぜひ、、君にお願いしたいんだが。」
ぐ、美人に上目遣いで言われるとグラッとくるもんがあるな。
(女の扱い苦手やん)
俺の器用の話ね!苦手だよ!
「ええい!俺も男だ!あんたの頼み聞いてやるよ!そんで、何をすればいいんだ!」
「おお!ありがとうそれじゃあモルモ、アキーラ君にやってもらいたいのはね…」
今モルモットって言った!言ったよな!
(さっきから言ってたし、いい加減諦めたら?)
ん?確かに言われてみれば初めからモルモットみたいなもんか。
(そうそう。潔く頑張りなさいな。アンタにとっちゃチャンスかもよ)
「じゃじゃーん!こちらの武器から好きなのを選んで素振りしていこう!安心してくれ!欲張りな君のことだ!全部気になるだろう!最終的には全部やってもらうよ!!」
そういって、素振り用だろうか、木製の武器を並べ始めるゾフィー。
うわぁ…え?これ何個あるの?
剣と槍と斧と弓と槍と…
(槍2回出てるわよ)
わー!!わからん!
「あははは。1つずつやっていこうね。まずは槍かな、何回も見てたみたいだし。」
(わからなくなってただけとは…)
言いにくいなあ。
さて、庭にやってきた。もちろんどんより空だ。
「さあさあ!雨が降りはじめたら台無しだ!サクッとあげちゃおう!君はどのぐらいのスピードであがるのかな?他とは違う雰囲気を感じるし、私と同等…いやいや、期待しすぎるのは良くないな!まずは100回いってみよう!さぁ!いーち!」
「いーち!」
「にーい!」
「にーい!」
「さーん!」
【槍術Lv1を取得しました】
「よーし!とったどー!」
「よし!じゃあ、ここからが本番だよ!次は何回で上がるかな!」
500回です!才能1なんで!!
(どれも1だから、わかりやすいわよね)
うれしかねぇけどな!
「…ねぇ!まだ上がらないのかい!?もうあれから50回はやってるよ!?ホントは上がってるんじゃないの?」
「まだだよ!上がったら言うから!ちょっと待ってて!!」
「あはは!近所の子どもと同じこと言ってる!!」
「バカにしてんのかテメェ!」
(ケンカしながらちゃんと素振りしてんのはエライわね。意外と器用なのかしら)
「…妙だな、もう100回超えたのに、まだ上がらない?ねぇ!ほんとにあがってないの!?Lv2だよ?3じゃないよ!!」
「うるせぇ!あがったら言うって言っただろ!まだあがってないの!信じてよお!!」
(泣きながら突いてる、これはこれでアリかも)
【槍術Lv2を取得しました】
「あー!!きた!きた!とった!」
「500回で取得、とこれって最底記録じゃ…?こんな人ホントにいるんだ…。」
ちょっと引いてんじゃん。フハハ、俺の才能に震えておるわ。
(むなしくない?)
「じゃあ次だ!剣術はもう持ってたね?それじゃあ…、これにしよう!」
斧ね。
(オーノー!)
…なにしてんの?
(………アキーラも言うと思って)
それで照れてんの?意外とウブだなあ。
恥ずかしがるのが1番恥ずかしいんだぞ。こういうのは振り切らないとダメなのだ。見てろよー。
「おおおおおうのおおああああ!!!」
「急にどうしたの?」
「なんでもないです。」
「そう?もし疲れたら遠慮しないで言ってね。」
「お?意外とスパルタじゃないんだな。」
「もちろんさ!助手として協力してくれるんだ!疲労の管理も大事だからね!そのときは次のスキルテストに移るから遠慮なく!」
あ、休ませてはくれないのね。
まあ雇われてるし、3食昼寝付きならしゃーないか。
(そんなこと書いてたっけ)
んにゃ、俺の願望。
(やっすい願いねぇ)




