第17話 あ、マグロ食べたい
そうして、アキーラはまた1つ大人の階段を登った…。
(引きずられながら何いってんのアンタ?)
いやほんとアカン!アカンけど、抵抗できん!力強すぎる。
(この世界、自己責任がデフォだからね〜。こんだけ美人なら、昔から大変だったと思うよ。だから強いんじゃない?)
階段とおしりの千本ノックだなあ、なんてことを考えながら2階に連れて行かれる。
リンリンのおしりは限界よお!
(アンタ結構余裕あるわねぇ)
バタン!とすごい勢いでドアを開け、部屋の端にあるベッドに放り投げられる。
ほれぼれするような放物線だ。飛んでるの俺だけど。
そして、ゾフィーリアは机の前のイスを持ってきてベッドの前に置き、俺に話しかける。
「さぁ!なんでも聞いてくれたまえ!!」
「ふぇ?乱暴しない?」
「するわけないじゃないか!そういうのは本当にお互いが求めあった時だけさ!君も言っただろう?相互理解さ!」
あー…、そういうね?
(期待してたの?ねぇ?期待してたの?)
は?はあ!?し、してねぇし!してねぇし!
「?まぁ急に言われて君も混乱してるよね。なら私から行こう。さっきも言ったが、私の名前はゾフィーリア。ゾフィーと呼ぶことを許そう。私がそもそもこの道、つまりスキルの研究を始めたきっかけは周りと私との成長の差だった。私はありとあらゆるスキルが人よりも早く成長するみたいでね、常に一番だったのさ。何か私にも不得意なものはないかと、色々と試してみたが見つからない。周りは私を神に愛された子どもだ、麒麟児だともてはやしたが、何をやっても一番になってしまうことに飽きてしまってね。」
おい加害者。
(なーに?被害者)
誰がだ。この人そんなやばいの?
(んー?どれどれ…うわぁ。何これ。とびっきりのハズレ値じゃん。ほとんどのスキルの成長率がMAXだよ)
なにそれ!そんなのあるの!?俺は!?
(1)
え?
(1)
いち?
(そう)
あのひとは?
(だいたい100ね)
なんでそうゆうことするの!?
(いやいや大丈夫。普通の人はだいたい2とか3だから)
それでも俺の倍じゃん!差別だ!おーぼーだ!
(しょうがないじゃない…。アナタの体を持ってくるのにリソース使っちゃったんだから…)
りそ…?リボソーム?ええい!だまされんぞ!
(リボソーム本当に関係あると思う?)
おもわない。
(じゃあ違うね?)
うん。
(なんて言うの?)
ごめんなさい。
(よしよし)
「…というわけで、私の話はこれくらいかな。どうだい?次は君の話を聞かせてくれるかな?」
「ほえ?ぱ、ぱーどん?」
「ぱー?君の出身地か何かかな?パードンという街はこの辺にはなかったはずだが、どの辺りにあるんだい?」
「すっごく遠く!もうすごい!わかんないくらい!」
「なんだいそれは…。どうやってここまで来たの?」
「えーっと、気付いたら近くの平原で座ってて、なんか流れで?」
「ふむ…、つまり君はよくわからないけどすごく遠いところから、何らかの方法でここにたどり着いた。流れということは自ら望んで来たわけではない…?面白い!スキルもそうだが、私は個人的に君を気になってきたよ。」
「それはよござんした。」
(アンタさっきから何いってんの?)
俺もわからんくなってきた。早く本題入らないかな。
「それじゃあ君も退屈みたいだし、そろそろ始めようか。そういえば君もそろそろじゃない?」
「ん?なにが?」
【麻痺耐性Lv1を取得しました。】
!!こいつ!
「その感じだと取得できたかな?多分麻痺耐性だよね?見たところ経口摂取で毒を受けたみたいだ。体の動きもさっきよりスムーズになってるよ。」
一体いつから…。
「いつからって顔、してるね。別に君をつけたりはしてないよ。体の動かし方がぎこちない冒険者がこの時間に来るなんて、市場で痺れヒラメを食べて今日の宿代に困った、くらいしか考えられないからさ。私は散歩が趣味なんだ。それに、アキーラ君は後先考えないみたいだしね?」
……全部バレテーラ。ほんとに天才ってこんななの?俺もやりたいんだけど。
(アタシもアタシも!)
お前はマクロ見直してこい。




