第15話 失神女神と謎の館
うーん、何とかたどり着いたけど、受けれそうなのはこれくらいかぁ。
研究補助
概要:私の研究の助手として、私の指示に従うこと。
報酬:200イェン
達成目安:最短1日最長1週間、報酬は最長時のもの
※報酬は完了した場合のみ
※依頼中は住込み(食事あり)となります。
※奉仕依頼
うーん、具体的なことなーんも書かれてない。怪しさ爆発だ。
(野宿したほうがいいんじゃない?アブナソー)
アブナソーダイナソーだな。ちなみにティラノサウルスは白亜紀だからジュラシックじゃないぞ。
(ウソぉ!そうなの!!?ワタシあの映画好きなのに!!)
ジュラシックはジュラ紀って意味だな。
ティラノサウルスは白亜紀だから全然時代が違う。
(何でアンタそんなの知ってんの)
俺も好きだから。
(なーる)
…なんの話してたっけ。
そう!奉仕依頼だ!
金もないしとりあえず聞くだけ聞いてみよう。
リサさーーん!
「あら、アキーラさん。今日は依頼ですか?…これ、確かに奉仕依頼はしてもらわないと困りますけど、本当にこれ受けますか?」
「えーと、ちょっと宿代が工面できなくてですね…。出来れば受けたいんですが、間に合いますか?」
「…今からならまだお昼過ぎなので大丈夫だと思います。うーん、ま、いっか。それではこちらの依頼表を持って、依頼人のところへ行ってください。」
「了解です!ありがとうございます!」
「ところで、何か、動きがぎこちないですが、お怪我でもされたんですか?」
「え?へへ、いやぁ。そうですかね?」
「多分色々なことをされると思うので、あの、ご覚悟を…。」
「それって、どういう…。」
「私から依頼人様についてお話することはありません。…が。」
「が?」
「頑張ってください。」
(匂わせスゴーイ!)
絶対なんかあるじゃーん!
先言ってよお。
(そうしたら誰も受けないんじゃない?アンタ宿代無いってゲロってるから教えてくれたんでしょ)
なーる、確かに選択肢ないもんな。
ま、奉仕依頼だし街中だし、命の危険はないだろう。
(仮にあっても?)
そう!仮にあってもこの剣術Lv3の刀のサビにしてくれるわ!
(だいたい子どものころにLv5まで上げる子多いわよ)
マジ?
(マジよ)
自分の剣術Lvは子ども以下という現実に叩きのめされながら、ゴブリン行かなくてよかったと思うリンリンなのであった。合掌。
などと言いながらやってきました。依頼者宅。
さっそく見ていきましょう。
何ということでしょう。あれほど明るかった空が、どんよりと曇っています。
その下で佇む洋館は、この後に事件が起きることを予感させるような、不吉な雰囲気が漂っています。
ピシャーーーーン!!ゴロゴロゴロ…
(ピッ!!)
うおお!ビビったあ。結構近いか?めっちゃ不気味な館だわ。犬に追いかけられて逃げ込んだら出れなくなりそう。そしたら最後爆発しそう。
…ってえらい静かだな、大丈夫か?
(………ぐすっ、だいじょぶ)
クソ女神は気になるけど、雨降る前に早く入ろう。ノックノックこんにちわ。コンコン。
……反応ねーな。
(もうかえろ?ね?ギルドで朝まで待ってよ?)
いやいや、依頼受けてるからね。とりあえず入ってみよ。
(ヒィィ…)
返事が待ち切れず、ドアノブを捻ってみる。
やっぱり鍵かかってない。なんでわかったかって?ノリだ!!
(あああああああああ)
うるせえなぁ!!
(怖いんだもん!!もうヤダァ!)
そして俺はドア潜り、大広間?に入る。
何か洋館ってこういう造りだよね。なんて言うんだろ?
(えんとらんしゅほーる…)
あ?そうなん?結構余裕あんなお前。
えんとらんしゅほーるは、外が曇り出したばかりで灯りがついておらず、薄暗い。
ハッキリ言って雰囲気抜群だ。
ここで多分俺かクソ女神のどっちかが死ぬな。
(やめてよぉ!!)
まぁこのまま進むと不法侵入でガルドさんとコンニチワしちゃうから、一回挨拶しとこう。
挨拶大事。
「…すぅ〜。こーんにちわあああああああああ!!!!!!!」
(うわぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁ!!!)
「だぁれぇかぁぁぁぁぁ!!!!!いませんかああああああああ!!!!」
(ぎゃあああああああああ!!!!)
マジくそうるさい。ミュートボタンないの?
(ぅぅぅぅぅぅ…)
うーん、やっぱり人の雰囲気ないな。一回出直すか?
そう思い、後ろを振り返ったその時だった。
「珍しい。お客さんかい?」
「うおおおおおお!!びびったああ!!」
(ブクブクブクブク…)
後ろを振り向いた俺の目に飛び込んできたのは、色白で血の気の引いたおばk…いや違うな。
普通に生きてるわ。おーい、起きろー。
(…………きゅう)
あ、ダメそう。まぁいいか。そのうち再起動するだろ。
「勝手に入ってすまない、ノックしたんだが…。」
「…ふふ、構わないよ。ここに来たということは奉仕依頼かな?」
「!ああ、そうだ。さっき受注してな。ほれ、依頼表。」
「ふむ、アキーラ・リンリン君。可愛い名前だね。」
「…よく言われるよ。あんたの名前聞いてもいい?」
「私の名前かい?君はこの街の生まれじゃないのかな?…まぁいいか。私はゾフィーリアだ。」
「?ゾフィーリアね。りょうかい。」
そういってお互いに自己紹介を終える。
ゾフィーリアね。
見た目はかなりの美人だ、タレ目に泣きぼくろ、かなーりグラマーな体は男なら自然と目で追ってしまいそう。それは恐らく彼女も自覚してんだろーな。佇まいに自信が満ち溢れてる。
…だが惜しいかな、彼女自身はそれを有効活用する気は無いらしい。
ボサボサの頭に、ヨレヨレの白衣からはくたびれ切ったシャツが見えている。
…よく見たら目にクマもあるな。
大学で似たようなやつを見たことあるが、だいたいこういうやつは研究オタクと見て間違いない。
多分そもそも異性に興味ないな。
「さて、奉仕依頼だったね。ここで話をしていても仕方ないし、私のラボに行こうか。」
そう言って俺の返事も待たずに振り返り歩き出す。
あ、ちょっと待てよ!もー!
苦手なタイプやわぁ!!




